「ケール青汁」を「THE KALE」に変更
「まず~い、もう1杯」というフレーズを聞けば、“青汁”を思い浮かべる人は多いことだろう。
その青汁を販売する健康食品会社「キューサイ」が10月16日、看板商品である「ケール青汁」の商品名を来年1月から「THE KALE(ザ・ケール)」に変えると発表した。
従来のわかりやすいパッケージからおしゃれなものに変わることになるが、合わせて会社のロゴも刷新。
10月16日から、カタカナ表記の「キューサイ」からアルファベット表記の「QSAI」に順次、変更していくのだという。
キューサイが“冷凍青汁”を発売したのは1982年。
1990年からは俳優の八名信夫さんを起用し、「まず~い、もう一杯」というフレーズが印象的なテレビCMを放映し、全国的に有名になった。
商品名と会社のロゴはすでにお茶の間に浸透しているわけだが、なぜ、今、それを変えるのか? キューサイのPR企画部の担当者にお話を聞いた。
名称変更は“青汁だけの会社”からの脱却
――「ケール青汁」を「THE KALE」に変える理由は?
弊社は、「ヘルスケア事業」と「スキンケア事業」を展開し、その商品ラインナップは80種類を超え、多くの商品のお客様にお届けしております。
2018年の売上構成比は、青汁を含む「ヘルスケア事業」51%、「スキンケア事業」46%と、ほぼ同じくらい。このうち、青汁の売上は、全体の10%に満たないのが現状です。
その一方で、キューサイと言えば青汁というイメージが強く、ビジネスの実態と生活者の皆さまのイメージに大きな乖離があることが課題だと感じておりました。
そこで、“青汁だけの会社”を脱却するための取り組みの一つとして、「青汁事業」から「ケール事業」へと舵を切ることとなり、その転換とともに新たに「THE KALE」へと商品名も変えることとなりました。
「青汁」という形だと、「飲み物」としての形態でしか拡大できませんが、形態にこだわることなく、「ケール」を摂ることをお届けすることで、「ケールを食べる」「ケールを肌に塗る」といった新しい形として、事業拡大ができるようになると考えております。
2004年までは青汁シリーズが主力
――青汁シリーズのピーク時の売り上げと、今の売り上げはどれぐらい違う?
こちらの数字は開示しておりません。
――今は青汁シリーズの売上が1割に満たないというが、ピーク時はどうだった?
数字は開示していませんが、1982年の「キューサイ青汁」を発売してから2004年までは、青汁シリーズが主力商品でした。
その後、「ヘルスケア事業」を立ち上げたのが2004年。
2009年に「スキンケア事業」が始まり、それに伴って、青汁シリーズ以外の割合が増え、青汁シリーズの割合が減っていったという経緯があります。
現在の主力商品はこのふたつ!
――現在、主力とする商品は?
ヘルスケア商品の主力は「ひざサポートコラーゲン」。
スキンケア商品の主力は「コラリッチEX」です。
――それらの商品の年間の売り上げは?
年間の売上については開示しておりません。
――新しい商品名に「THE KALE」を選んだ理由は?
青汁を飲むということだけでなく、スーパーフードであるケールを摂るということの価値を提供したいという思いを込めました。
ネーミングは、ケール市場を創造する商品として、シンプルに広く伝わること、時代の変化で廃れないこと、クオリティの高さや本物であることが伝わることを大切にし、決定しました。
新パッケージのこだわりは「シンプルに、力強く、堂々と」
――新しいパッケージについて。デザインや色など、こだわった部分は?
時代が変化しても愛され続けるロングセラー商品とはどんなものか、シンプルに、力強く、堂々と 本質の部分だけを絞り込みました。
その結果、『ケールのポテンシャルが詰まった特融の濃い緑色(ポテンシャルグリーン)』『青汁から始まった歴史を物語る液面』『余計なものを使わない高品質な商品への自信を表すシンプルさ』を込め、今回のパッケージになっています。
青汁の名称と同時に会社ロゴを変更する理由
――会社のロゴも変更する。この理由は?
キューサイと言えば青汁というイメージが強く、ビジネスの実態と生活者の皆さまのイメージに大きな乖離があることが課題だと感じております。
今後、予定している新商品や新しい取り組みを、青汁だけの会社から脱却し、「しなやかさ」をもっとたくさんの方々にお届けするために、創業55年目を機に、ロゴとコーポレートスローガンを刷新することになりました。
キューサイといえば、やはり青汁というイメージが強いが、今は状況が一変していた。青汁の売上は全体の1割に満たず、主力商品ではなくなったことが、今回の変更の大きな要因のようだ。
この変更が「まず~い」とならないよう、“青汁だけの会社”のイメージからどう脱却していくのかに注目していきたい。