11月4日まで開催の東京モーターショー2019。くまなく会場を見て回ると、見た目だけでは用途不明な車たちが!これが自動車の未来の姿?!自動運転技術の最新活用法を取材した。

乗るところがない

遠目にみても、どうもYAMAHAブースがざわついているのがわかる。人だかりが半端なく、その中心になにが展示されているのか、さっぱりみえない。

人を掻き分けいってみると、そこに鎮座していたのは縦横2mほどの正方形の物体。タイヤが四つあるが、座席や荷台があるわけでもないし、もはや前がどっちかもわからない。

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これは...

YAMAHA担当者:
自動運転技術を活用した陸のドローンです

全方位についた4つのカメラが周囲の状況を把握し、AIを活用しながら自律走行をすることができるらしい。

しかし、ひとが乗るところがありませんが...

YAMAHA担当者:
まだ具体的な活用法はきまっていません


なんと、利用方法がまだわからない車!それはたしかに見ただけではその活用法がわからないはずだ。

この車は、自律走行のほかに、遠隔操作をすることもでき、車の上に荷台を設置して荷物を運ぶこと等を想定しているという。たとえば農作業とかを手伝ったり、ひとが入りづらい場所の荷物の運搬とかをイメージしているそう。

自動運転技術はもはや、人が乗る車のためだけではないのだ。

それにしても、活用法が決まってないコンセプトカーとは。技術の先行き感がすごい。

ロボットなのか車なのかがわからない

未来の日本をイメージした、未来館にあるトヨタブースの舞台の上には、6輪のタイヤが直列になったり、ピラミッド状になったりすることで、高さが変わる電光掲示板のような車が。これまたまったく意味がわからない。

これは動く看板なのでしょうか...

トヨタ担当者:
荷物を自動で運んでくれるロボットです


たしかに荷台スペースがある。ここに荷物を積んで、自動で運搬してくれる配達ロボットなのだ。

電光掲示板には何を運んでいるかなど、自由に表示をすることが可能。
今回はリモコンで動かしているとのことだが、将来的にはGPS等を搭載し、自律運搬ができるようにしたいらしい。

自動運転技術の未来の形は、どうやら荷物の運搬がひとつのテーマになっている模様。

自動運転と手動の混在型を体感

いま市販されている、ある高級車には、自動で駐車をしてくれたり、リモコンひとつで駐車スペースからでてきてくれたり、ウィンカーをつけたら、周囲を確認した上で自動でその方向に車線変更してくれる車がある。国内外では自動運転にむけての実験がすすめられており、法制化も含めてもはや「自動運転」の実用化は時間の問題だ。

しかし、実際に自動運転の車にのったら、どのような「乗り心地」なのだろうか。それを体感できるブースがある。ステアリングなどを開発するJTEKT社だ。

近い将来の車は、自動と手動が混在すると想定したそのブースでは、大型スクリーンを前に一人乗りの車に乗り込み、自動運転の便利さと、自分で運転する楽しさを味わえるのだ。

駐車などの面倒な作業は自動で制御。高速運転など、走りを楽しみたいときは、車高が低くなり、シートがハンドルに近づき、ハンドルも握りやすい形に変化。自動と手動によって「車が変化」するのだ。

確かにこれは便利。そして楽しい。こんな未来がすぐそこにきているのだろう、と実感できるブースだった。


確実に私たちの生活に近づきつつある数々の「自動運転」の未来。それらを一堂に体感できるチャンスを、ぜひお見逃しなく。

(執筆:フジテレビ プライムオンラインデスク 森下知哉)

森下知哉
森下知哉

「そのニュースは未来の事件・事故を防ぐことにつながるのか。生活はより豊かになるのか」が取材テーマ。
2001年フジテレビにアナウンサーとして入社。夕方の報道番組「FNNスーパーニュース」のリポーター・キャスターを9年担当したのち、2009年に海外特派員としてNYへ。2013年に帰国したのち、社会部(司法・警視庁)、政治部(官邸・与党)を担当。好きな映画は「APOLLO 13」「リトルミスサンシャイン」。自動車・大型自動二輪のほか潜水士、船舶免許1級の資格を保有。なのにどちらかというとインドア派。