警戒地域でない緩い傾斜地で土砂崩れ...台風19号で群馬・富岡市に起きた“想定外の災害”とは?

カテゴリ:国内

  • 台風19号の影響...群馬・富岡市内匠地区の土砂崩れで3人死亡
  • 内匠地区は土砂災害警戒地域でなかったために避難勧告が出ず
  • 傾斜角度20度...国の警戒基準より緩い斜面でなぜ土砂崩れが起きたのか?

緩やかな土地でなぜ...群馬・富岡市で土砂崩れ

日本列島を直撃した台風19号による影響で、“想定外の災害”が発生していたことが新たにわかった。

10月12日午後4時30分ごろ、群馬・富岡市内匠地区で大規模な土砂崩れが発生。土砂は住宅8軒を巻き込み、3人が死亡した。内匠地区の住民の多くは、過去に土砂災害がなかったことや当時避難勧告が出ていなかったことから、避難せず自宅にいたという。

現場では、降り始めからの総雨量が400ミリとなっていたのだが、なぜ避難勧告は出なかったのか?
土砂崩れの現場を調査した、群馬大学大学院の若井明彦教授によると...

国が土砂災害警戒区域に指定する基準は30度以上の急傾斜地

今回土砂崩れが起きた斜面は傾斜がおよそ20度と緩やかなため、土砂災害警戒区域には指定されず、市は避難勧告を出さなかったのだという。

では、なぜ傾斜が緩いにもかかわらず土砂崩れが発生したのか?スタジオで解説した。

緩い傾斜地での土砂崩れ…原因は「白ネバ」?

倉田大誠アナウンサー:
今回の土砂災害はハザードマップに載っていなかったんですね

広瀬修一フィールドキャスター:
そうです。土砂災害警戒区域には当てはまらない場所だったので、行政にとっても住民にとっても“想定外”のことでした。なぜこのようなことが起きたかというと、地層内に存在する「ある物」が原因ではないかと、若井教授は分析しています

<土砂崩れは「白ネバ」が原因か?>
・「白ネバ」とは…軽石が粘土になったもの。水を通しにくいが、バターのように柔らかく崩れやすい
・傾斜が20度と緩いため、とどまっていた「白ネバ」が大雨をきっかけに崩れ、土砂災害につながった可能性があるという

広瀬修一フィールドキャスター:
傾斜が急だと、簡単な雨でもこういった「白ネバ」はどんどん流されるんですが、傾斜が緩いためにとどまってしまったのではないかと話されていました。大雨が降ると「白ネバ」より上は水を通しますが、「白ネバ」は水を通しにくいため水が溜まり、上の層が滑りやすくなる。さらに「白ネバ」も崩れやすいので土砂崩れが起きる。ただ、崩れてから見て初めて「白ネバ」が原因だと分析できるものなので...

安藤優子:
じゃあ、ハザードマップを作る時はそこまでは分からないんですか?

広瀬修一フィールドキャスター:
分からないそうです。台風21号が近づいていますが、若井教授は、台風19号の雨で地盤が緩んでいるので、近くに緩い傾斜の山がある家の住民は早めの避難が大事だと話していました。これに似た土地はまだまだありますから、気を付けなければいけないということです

台風21号も接近...被災地は大雨に注意

台風19号による甚大な被害が残るなか、今度は台風21号が接近している。本州直撃という最悪の進路からは外れたが、この週末、東北などで大雨になる恐れがあるという。

寺川奈津美気象予報士に、被災地が警戒すべき時間帯について解説してもらった。

広瀬修一フィールドキャスター:
台風21号は(24日午後2時時点)現在は南東にあり、24日夜から北上していき、26日の朝9時ごろ東北地方の沖合に向かい、温帯低気圧に変わる予想となっています

広瀬修一フィールドキャスター:
関東に一番近づく時間帯は25日の午後3時ごろです。しかし、24日夜から日本列島に雨を降らせる原因はこの台風ではないんですよね?

寺川奈津美気象予報士

寺川奈津美気象予報士:
はい。低気圧が九州付近を通過していて、この影響で24日は西日本を中心に雨が強まっています。この低気圧は比較的ゆっくりと東に進み、25日の午後3時ごろ、関東周辺を通過する見通しです

広瀬修一フィールドキャスター:
25日の午後3時ごろは台風と低気圧が非常に近い位置となりますが、雨雲の発達に影響はありますか?

寺川奈津美気象予報士:
あります。台風周辺の湿った空気が低気圧に流れ込んでいく形になり、低気圧周辺の雨雲が発達する要因になります。ですので、25日は被災地周辺で大雨になる可能性が高くなっています

広瀬修一フィールドキャスター:
気になるのは、どの時間帯にどのエリアで注意が必要なのか。詳しく見ていきたいと思います

寺川奈津美気象予報士:
24日夜から関東の南部や長野はパラパラと雨が降り出し、特に長野では25日の朝から昼頃がピークです。東京や千葉などは朝から夕方くらいにかけて、雨の降り方に注意が必要です。そして関東の北部や福島、宮城県は夜の9時くらいまでは雨の降り方に注意が必要です。23日の予想よりも雨の降る時間帯は短い傾向になってきていますが、雨の量は更新ごとに増えるような予想になっています。これは短時間に一気に雨の降る確率が高くなっていることを表しています。被害に結び付きやすい雨の降り方をする恐れがありますので、警戒してください

(「直撃LIVE グッディ!」10月24日放送分より)

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