一時は絶滅の危機に…“山陰人”のような柴犬

山陰柴犬の赤ちゃんが生まれたのは鳥取県北栄町。
松本守人さんは、20年以上前から山陰柴犬を飼っている。
その松本さん宅で、このほどにオス3匹の赤ちゃんが誕生した。
(取材時は誕生10日目)

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母犬は桃ちゃん(2歳)で、今回が2回目の出産。
お父さん犬は、近くで飼われている山陰柴犬。

松本守人さん;
朝散歩に行ってから4時間後くらいに一匹が生まれた。間をおいてもう一匹、また続けてもう一匹と、2時間くらいの間に三匹。

この山陰柴犬、一時は絶滅の危機にあった。
そんな中、2003年に山陰柴犬の保存と保護を目的に立ち上がったのが「山陰柴犬育成会」。そのルーツは約70年前にさかのぼる。

山陰柴犬育成会 尾崎哲会長;
私の祖父が中心になって、戦前 鳥取にいた因幡犬と島根にいた石州犬を掛け合わせることによって生まれたのが山陰柴犬。

昭和22年に誕生した山陰柴犬。
かつてアナグマ猟で活躍した因幡犬がベースとあって、その特徴は猟に適した小さめの頭部とひきしまった筋肉質の体だ。

また尻尾は巻きが弱めで、遠くにいる漁師からもよく見える高い差し尾。
背中だけ毛の色が微妙に違い、線が入っているように見えるのも山陰柴犬ならではの特徴。
さらにその性格について松本さんは…

松本守人さん;
寡黙だが主人には非常に従順。まあ日本人のようなもの、特に山陰人のように大人しいですけど(笑)。

物静かで忍耐強いのが特徴だ。
そんな山陰柴犬、犬の伝染病や鳥取大火の悲劇に見舞われ、一時は90頭に激減。

山陰柴犬育成会 尾崎哲会長;
何とか残せないかと有志が立ち上げたのが、育成会。

育成会は山陰柴犬の魅力を知ってもらおうと、地元の人に向けた鑑賞会などを行う他、山陰柴犬を増やすために犬同士のマッチングなども行い、今では460頭までに増えた。

山陰柴犬育成会 尾崎哲会長;
後世まで残していきたい犬だということは、皆思っている。

これからも、この山陰の宝を守る育成会の活動は続く。

コスプレでお店の売り上げにも貢献

一方 話題の柴犬がいると聞いてやってきたのは島根県出雲市。
お宅にお邪魔すると…出迎えてくれたのは、可愛い二匹の柴犬。たきくん(8歳・オス)とてんちゃん(7歳・メス)。

飼い主の巌更奈さんが運転する車に乗り込んだ、たきくんとてんちゃん。
到着したのはバイクの販売店。二匹はこの店の看板犬として働いている。
さらに…地元で話題のコスプレ看板犬なのだ!二匹のための衣装は、全て巌さんの叔母さん手作り。

これまでにもこんな衣装が…
2019年の干支「イノシシ」!角だってちゃんと生えている。

続いて、犬による「」のコスプレ。
なんともお茶目。

さらに、オリンピックにちなんで「カーリング」。

そして、これ。なんだかわかるだろうか?
正解は「恵方巻」!
具材までぎっしり入っている。

数々の衣装だが、飽きるとこんなことも。長くは続かないようだ…。

巌 更奈さん;
このコたちは3代目と4代目なんですが、1代目のコがいておとなしいコで。叔母が犬用に色々なものを作り始めて、そのコはもう亡くなったが、その芸を引き継いでいる。

自宅には、今まで使用してきたコスプレ衣装が大切に保管されている。
中には思い出の衣装も。

巌更奈さん;
この浴衣のものは、私や妹や弟が子供の時の浴衣と帯を使ってリメイクしてくれているので思い出がある、懐かしい。

我が子のように可愛がるのには理由があった。

巌更奈さん;
当時犬に興味があって、色々調べていると殺処分だとかという言葉をよく耳にするようになって。

巌さんがもともと飼っていた初代・小太郎くんは、飼えなくなった飼い主から引き取った。
そして2匹目のあんちゃんは保護犬。

巌更奈さん;
地元で活動している愛護団体の人と知り合うことになって、次のコを迎えるのであれば保護犬がいいなと思うようになった。

3代目・4代目の、たきくんとてんしゃんも保護犬だ。
巌さんの愛情を受けて、初代そして2代目のコスプレも引き継いでいる。
また、従業員が2人しかいないお店で二匹の存在は大きいようで…

巌更奈さん;
犬に会いに来て、気になってて、結局(お店で売っている)ハーレー(バイク)を買っちゃったって人がいた。

しっかりと売り上げにも貢献していた。

山陰の柴犬たち。
変わらぬ愛くるしさで、これからも癒しを与えてくれそうだ。

(山陰中央テレビ)

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