山道で海の砂とみられる堆積物を確認

江戸時代、九州の東海岸で起きた大地震の痕跡をたよりに、今後起こりうる地震の想定につなげようと、専門家が研究を続けている。宮崎県日南市では、海の砂とみられる堆積物が山道で確認され、今後、詳しく調査することになった。

今から367年前の1662年10月31日。宮崎県沖、日向灘を震源とするマグニチュード7.6の大地震が発生し、宮崎の沿岸を4メートルから5メートルの津波が襲ったと伝えられている。

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外所地震と呼ばれる江戸時代の地震の津波の痕跡を探ることで、今後の大地震の津波想定に繋げようと、京都大学防災研究所の山下裕亮助教などの研究グループが調査を行っている。

研究グループは9月30日から10月4日まで、宮崎県の南から北までの海岸を中心に44カ所で外所地震による津波の堆積物を探す調査を行った。10月4日の日南市小目井で行われた調査では、海岸から約500メートルの山道の途中で、海の砂とみられる堆積物が見つかった。

京都大学防災研究所 山下裕亮助教:
地表から30センチ前後のところに色の違う場所があり、これが海から来たと考えられそうな層

今後、北海道の地質研究所で、砂の大きさや海の微生物の死骸などが含まれているかなど、この堆積物と外所地震の津波との関連を分析する。

京都大学防災研究所 山下裕亮助教:
過去に実際こういう所にまで津波が来るような大きな地震があったということを科学的に立証することができれば、皆さんの津波・地震に対する意識も変わるのかなと思いますので、皆さんの意識を変えられるような成果になればと思っています

研究グループは今後、過去の津波の到達地点のデータを生かした津波シミュレーションを行い、来年までに結果をまとめたいとしている。

357年前の地震で津波がどこまで押し寄せたのかを、山下助教たちは解き明かそうとしている。堆積物が「海の砂」だと特定されれば、津波の痕跡を裏付ける大きな証拠になりそうだ。

(テレビ宮崎)

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