2020年東京五輪から新たに正式種目となった自転車BMXフリースタイル・パークの日本代表候補・中村輪夢(りむ)選手(17)とスケートボードの平野歩夢選手(21)が28日、都内でスポンサー契約の記者会見に出席した。

17歳高校生・中村輪夢選手「メダル獲れるんちゃうか」

中村輪夢選手(17)
中村輪夢選手(17)
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京都出身、BMXライダーでBMXショップも経営する父親の影響で、自転車の部品である「リム」から名付けられたという中村選手。幼少期からBMXに乗り始め、5歳で大会に初出場。中学生でプロ転向を果たした。
2019年4月に行われた「フィセ広島 2019 BMX フリースタイル・パーク」では、日本人初の表彰台となる2位に輝いた中村選手。11月のW杯では日本人男子初の優勝を飾り、今季年間王者も獲得した。来年の五輪代表の座が視界に入ってきたが「まだ代表の座が決まったわけではないので、出場するのが目標」と油断する様子は見られない。
「今季は表彰台に3回立ったが、2位が2回。まだ世界とレベルの差はある。全部1位になれるように来年は頑張りたい。練習をした選手が勝てると思う。もっと練習すれば東京五輪でもメダルが獲れるんちゃうかと思うので頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。
 

アメリカでの大会に出場する中村選手・8月
アメリカでの大会に出場する中村選手・8月

自身の代名詞とも言える高度抜群のエア(空中技)トリックのように、中村輪夢選手は“夢”の東京五“輪”の舞台へと羽ばたいていく。

平野歩夢選手「ベストを突き詰めて東京五輪へ」

ブラジルでのスケートボード・パーク世界選手権・9月
ブラジルでのスケートボード・パーク世界選手権・9月

スノーボード男子ハーフパイプでソチ、平昌と2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢選手。その後は、冬夏連続の五輪出場という“二刀流”を目指し、スケートボードに取り組んでいる。今季は、東京五輪のポイントランキングではパーク種目で日本人トップを走る活躍を見せたが、「スノーボードに比べると、大した結果がついてこなかった。スノーボードをしていた時よりもハードなスケジュールだった。気持ちもそうだが、思っていたよりも大変な部分があった」と悔しさをにじませた。
今後に向けては「(東京五輪まで)1年を切って、残り時間は少ないが、体に気を使って、気持ちも整えて、自分が悔いのないように、一つひとつ積み重ねていきたい。自分ができるベストを突き詰めて、東京五輪まで頑張りたい。スケートボードという新たな壁に挑戦しスケートボード界を盛り上げたい」と五輪挑戦への思いを口にした。
 

平野歩夢選手(21)
平野歩夢選手(21)

お台場臨海副都心が東京五輪の“夢のど真ん中”に

建設工事中の有明アーバンパーク(11月20日)
建設工事中の有明アーバンパーク(11月20日)

東京五輪で初開催の「アーバン(都市型)スポーツ」。
若者の人気を集める新種目が、お台場臨海副都心に新風を吹き込もうとしている。選手村や国際放送センターにも近い江東区の青海でスポーツクライミングと3人制バスケットボール「3x3」、有明では自転車BMXとスケートボードが行われる。会場は現在工事中だが、10月にはBMXレーシングのスムーズな大会運営を行うためのテストイベントも行われるなど、準備が着々と進んでいる。来年4月にはフリースタイルのテストイベントも行われる予定だ。
 

BMXレーシングのテスト走行イベント(10月11日)
BMXレーシングのテスト走行イベント(10月11日)

BMXフリースタイル・パークは、自転車を操る演技に得点が与えられる採点競技。ジャンプ台がある施設で選手は1分間のランを2度行い、複数の審判員が技の難度などを総合的に採点する。斜面を利用して高くジャンプし、車体だけを横回転させたり、ハンドルを握ったまま体を車体から大きく離したり、トリックを成功させるだけでなく、スタイルと呼ばれる格好良さも採点に加えられる。

スケートボードは階段や手すりのような構造物を滑るストリート、おわんのような形の斜面などのコースを滑るパークが男女それぞれ実施される。平野選手が出場を目指すパークはおわんのような形の斜面を使ってトリックを決め、審査員が採点する。独創性やカッコよさが審査され、スノーボードのハーフパイプのように高さのある空中技が多い。

2020年の夏、アーバン(都市)とスポーツが融合され、東京五輪・パラリンピックの発信地となるお台場臨海副都心エリア。中村輪夢選手と平野歩夢選手のダイナミックな空中技が“夢のど真ん中”を熱く盛り上げることになりそうだ。

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。