徹底取材! ノーベル化学賞の偉業を成し遂げた旭化成名誉フェロー吉野彰さんの3つの原動力

カテゴリ:国内

  • ノーベル化学賞をサラリーマン研究者・吉野彰さん(71)が受賞することに!
  • 「実は数学が苦手…」科学者らしからぬ気さくで明るい素顔を家族や友人が語る
  • グッディ!では吉野さんの原動力となったもの「好奇心、柔軟性、諦めない」

吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞

2019年ノーベル化学賞の受賞が決定した旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が、受賞から一夜明けた10月10日、妻の久美子さん(71)とともに会見を開いた。

日本人のノーベル化学賞受賞は9年ぶり、8人目の偉業を成し遂げた吉野さん。受賞理由は「リチウムイオン電池の開発」だ。

リチウムイオン電池が開発される以前の充電池は電力がゼロになる前に充電をすると劣化してしまうものだった。しかし1985年ごろ、いつ充電しても劣化しないリチウムイオン電池を吉野さんらが開発した。電池の寿命が延びるだけでなく環境にも優しいリチウムイオン電池は現在ガラケーやスマートフォン、ノートパソコンやデジタルカメラなどの電子機器、電気自動車や航空機の動力源としても使われている。

さらに2019年7月に「小惑星りゅうぐう」への着陸で話題となった小惑星探査機「はやぶさ2」にも搭載されるなど、地球上だけでなく宇宙空間でも活躍していて今では人類にとって欠かせないものとなっている。

リチウムイオン電池を開発した吉野彰さんとは、いったいどんな人物なのだろうか?「直撃LIVEグッディ!」は吉野さんを知る人たちを緊急取材した!次女の裕子さんに、吉野さんの父としての一面について聞くと…

ーーどんなお父さんですか?

裕子さん:
自由人ですね(笑)。家事はしないしお皿は洗えないし、せいぜいやかんに水を入れて沸かすくらい。家では何もしない。

研究に追われる日々のためか、自宅で家事をすることはほとんどないという。しかし…

裕子さん:
小さい頃は土日は家にいることが多かったので、一緒に海まで歩いて行ったりとか、けっこう一緒に遊んだりしていました。高校生の時には数学とか教えてもらって。

ーーどんな教え方でしたか?

裕子さん:
そんなに…いい教え方じゃなかったですね(笑)。理系の人だから教えてもらおうと思ったけど、あんまり得意じゃないでしょ?

久美子さん:
化学は負けないけど数学は、本当にこれで理系に行ったのか?っていう感じだよね。

ノーベル賞・吉野彰さんを動かした3つの原動力

化学では偉業をなしえた吉野さんだが、実は数学は苦手という以外な一面もあるようだ。他にも、取材を進める中で、偉業を成し遂げた吉野さんの原動力が見えてきた!

木下康太郎フィールドキャスター:
吉野さんは毎年ノーベル賞の候補者として名前が挙がっていて、2012年からは受賞の会見まで毎年セッティングされていて、悔しい思いをされてきたそうです。「来年こそ頑張ります」毎回言い続けて、今年ついに受賞となりました。旭化成の社員の方に伺うと、吉野さんは社内でもとても有名で、皆さんが尊敬している方だとのことです。

安藤優子:
10月9日の旭化成全社を挙げての盛り上がりは、すごかったですもんね!

木下康太郎フィールドキャスター:
社員の皆さんは、大変喜んでいらっしゃると聞いています。さて、吉野さんの「原動力」について見ていきましょう。

<栄冠に輝いた原動力「好奇心旺盛」>
・小学校の先生の勧めで「ロウソクの科学」を読み、化学への興味を持つ。掃除用の塩酸にくぎを入れ水素が発生する様子を観察していた
・吉野さんの14年来の知人である東京工業大学・小西玄一准教授によると「お酒の席で接すると本当にすごい。化学から政治の話まで様々なことにすごく関心がある。新しいことを見つけて一人で突っ走れる、それを体現できる人」

木下康太郎フィールドキャスター:
「ロウソクの科学」は19世紀の名著。なぜロウソクに火がつくのか、なぜ火が黄色いのか、一本のロウソクを用いて人の生活と科学の関わりを子供にも分かりやすく説明している本です。調べたら、ネット通販ではもう完売でした。吉野さん効果でしょうね!

安藤優子:
掃除用の塩酸っていうのが学校にあったんですか?

ヨネスケ:
僕らの年代の時には、学校のトイレの脇に必ずあったんですよ、掃除用の塩酸が。僕たちはただトイレ臭いな~と思ってただけなんですけど、やっぱり頭いいですよね。

倉田大誠アナウンサー:
そこにくぎを入れて観察するっていう発想は、なかなか出てこないですよ!

安藤優子:
小さい頃から、目のつけるところが普通じゃないですよね~。

<栄冠に輝いた原動力「柔軟性」>
・吉野さんは「研究者っていうのは頭が柔らかくないといけないんです。大きな壁にぶち当たっても“まあなんとかなるわね”と、そういう柔らかさが絶対いると思います」と話した
・旭化成の後輩・津端敏男さんによると、リチウムイオン電池の原型を作成時、吉野さんと研究者の間で意見が食い違うが、吉野さんは妥協しなかった。しかしテストの結果、研究者の意見の方が良いことが分かるとすぐに意見を変えたという。「こだわりはあるが執着はしない、そこが素晴らしい」

安藤優子:
「まあなんとかなるわね」っていいですね~!そういう考え方、大好きです!

ヨネスケ:
「まあなんとかなる」でいい方に進むとノーベル賞になる。なんとかなるようでダメだと、俺みたいになるんですよ。

スタジオ:
(笑)

高橋克実:
決してダメではないですよ(笑)。しかし吉野さんのように人の意見を聞けるって、大事なことですね。

<栄冠に輝いた原動力「諦めない」>
・吉野さんは「しつこくしつこく諦めない。かたいばかりですとめげちゃいますし、柔らかいだけだと何も前に進みません」と話した

木下康太郎フィールドキャスター:
柔軟性とは真逆のようにも感じるんですが、「しつこく諦めない」と会見で話していました。

田村勇人弁護士:
これは決して矛盾してないですよ。事実とか客観的な化学というものに対して、すごく真摯な姿勢だと思います。諦めないけど、他の方の意見が良いと分かったらしっかり受け入れる。研究所で、受け入れることをせず人格的な対立が研究をゆがめていることって、実は結構あるんです。「お前が嫌いだからその考えは認めない」という人もいる中で、吉野さんは素晴らしいと思います。

安藤優子:
吉野さんが開発したリチウムイオン電池がなかったら、智ちゃんが持っているようなタブレットも存在しなかったかもしれないですね。

田村勇人弁護士:
吉野さんは本当に素晴らしいんですけど、「ロウソクの科学」を勧めて化学に興味を持たせてくれた小学校の先生がいらっしゃった。そして旭化成も、すぐに成果が出なかったとしてもずっと応援し続けてくれた。周りも素晴らしいですよね。

安藤優子:
地道な研究で、リチウムイオン電池は世界中から大評価を受けていますけど、そうじゃない研究も山ほどある。そのあたりへの理解とかサポートが、こういう賞をきっかけに生まれてくるといいですよね。

(「直撃LIVE グッディ!」10月10日放送分より)

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