標高2000~4000mの高地トレーニング環境を実現

11月のオープンに先駆けて、スポーツ用品メーカー「アシックス」が運営するトレーニングジムが9日に公開された。

「アシックス」が運営するトレーニングジム
「アシックス」が運営するトレーニングジム
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注目は2440mの標高と酸素濃度が表示されたトレーニングルーム。
酸素濃度を調節することで標高2000~4000m相当の低酸素の環境を作り出し、アスリートが行う高地でのトレーニングを実現する。

低酸素環境でのトレーニングによって血中の酸素濃度は低下し、心肺機能が強化される。このため短時間で効率良く持久力向上や体脂肪の減少が見込めるという。
「時短トレーニング」ともいわれ、時間がない働く人の利用拡大を期待する。

元レスリング選手 吉田沙保里さん
元レスリング選手 吉田沙保里さん

オーダーメイドトレーニングで計測データを製品開発に活用

また、ランニングフォームの確認や足の筋力バランスをはかることができるオーダーメイドのトレーニングも提供する。
アシックスは同時に計測データの収集を行い、製品開発に活かしていきたい考えだ。

ランニングフォームの確認
ランニングフォームの確認

アシックス・尾山基会長CEO:
単なる物を作って売るだけではなくて知見をライセンシングということでどんどん外に出して売るというか広げていきたいと思う。

アシックス・尾山基会長CEO
アシックス・尾山基会長CEO

アシックスは2018年12月期連結決算の最終損益が20年ぶりに赤字に転じるなど業績が悪化していてサービス事業を強化する今回の取り組みで業績の回復を目指す。

ナイキ、アディダスの2強との差別化へ

三田友梨佳キャスター:
アシックスのジム運営について森田さんはどうご覧になっていますか?

ボストンコンサルティンググループマネージング・ディレクター 森田章氏:
そもそもスポーツアパレル市場は、ナイキとアディダスが2強を形成している。有名スポーツ選手を広告塔として起用して憧れのアスリートのモデルを少し高くても買うコアなファンがいる。一方で街で着るようなファッションを楽しむ層もいて、2強についてはこうしたファンの波及効果に強みがあります。
一方でアシックスは、2強と同じ戦い方は難しいということで、ジムという場を使って自らの製品の良さをアピールしようとしているということだと思います。

三田友梨佳キャスター:
スポーツジムは市場が伸びる一方で競争も激しいですよね?

森田章氏:
そうですね。ジムといってもパーソナルジムとかエクササイズアプリであるとか業態の壁を越えた競争が激しくなっていますよね。アシックスの低酸素ジムというのは、自らのジムに足を運んでもらうという明確な理由を作ろうという狙いがあると思います。

森田章氏
森田章氏

三田友梨佳キャスター:
競争が激しい市場では他との差別化を図れる特色が大きなカギとなりそうです。

(「Live News α」10月9日放送分)