“今年最強”の台風19号、関東から東海に上陸の恐れも

「今年最強」といわれる台風19号が現在日本列島に接近している。

12日の夕方から夜にかけて関東から東海にかなり接近し、上陸するおそれもあるほか、東北から近畿の太平洋側では、台風接近前の11日頃から大気の状態が非常に不安定になるとみられる。そのため、激しい雷雨や竜巻などの突風に十分な注意が必要、とされている。

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千葉で相次ぐ台風被害、住人の間に広がる不安

再び不安が高まっているのが千葉県だ。

9月に台風15号、10月に台風18号に相次いで襲われ、6日時点で市原市や鋸南町など15カ所、72軒(うち住宅54軒)で停電が続いている。

また、館山市の布良地区でもブルーシートをかけた屋根が目立つなど、台風の傷跡が今なお激しい。

取材に応じた住民女性は、台風襲来時より、自宅の状態が悪化したと訴える。家の中を案内してもらったところ、雨漏りで傷んだ天井はテープであちこち補強されていた。2階にいたっては、大量のカビが発生したため、床の畳を外さざるを得ない状態だ。

住民女性:
今日は1カ月経ってからお墓に行ったの。台風が次来るから、「お守りください」ってことでね。雨漏りしないだけでもしないようにと思って。いやもう…悲しくなる…。

台風被害に現在も苦しむのは、この女性にとどまらない。市原市では、ゴルフ練習場の支柱が台風によって倒壊し、近隣の住宅を直撃破壊したが、この問題の解決のめども未だたっていない。

そんな中での台風再来。住民男性は「どうしようもないです。自然に任せてっていうか…」と言葉少なく語った。

一方で、復興に向けての步みも見受けられた。富津市にある商業施設はソーラーパネルを吹き飛ばされたり、レストランの窓ガラスが大きく破損するなどの被害を受けた。

しかし、売店や海鮮焼きの店舗が先週より一部営業を再開、多数のお客で賑わうようになった。それだけに再び襲い来る台風への不安は消えない。

施設の広報担当の女性はこのように漏らす。「この瀕死状態の中でさらに強い台風が来た場合に、さらに被災してしまうってことが本当に心配ですね」。

気象庁が異例の会見実施「昨年度の台風21号と同程度の暴風となる」

9日午後2時、気象庁は台風19号の見通しに関する会見を実施。台風上陸予想の3日前に会見を行うことは極めて異例だが、今週末には3連休が控えており、さまざまなイベントや交通機関への懸念があるため、こうした措置を取ったとのことだ。

黒良龍太主任予報官:
台風19号は非常に強い勢力を保ったまま、12~13日にかけて西日本から東日本に接近または上陸する恐れがあります。

台風19号は日本列島をほぼ収めるサイズであり、黒良主任予報官は「昨年度の台風21号と同程度の暴風となる恐れがあります」と断言する。この「台風21号と同程度の暴風」とは、一体どれほどのものなのだろうか?

2018年9月、台風21号は大阪府を中心に猛威を振るい、「今世紀最強」と評された。関西国際空港では、最大瞬間風速58.1m/Sの強い風が吹き、流されたタンカーが連絡橋に激突し、双方大破するという惨事が発生している。

そして、今回の台風19号だが、当時の暴風を上回る最大瞬間風速60m/sが予想されているとのことだ。

(Live News it! 10月9日放送分より)

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