令和の自公は「調和」か「別居」か?連立20年迎えた両党に立ちはだかる「憲法改正」での溝

カテゴリ:国内

  • 都内の中華料理店で自公幹部が「連立20周年」で会合
  • 連立20年は「ビューティフルハーモニー」
  • 「“別居”もいとわない」との声も・・・憲法改正も乗り越えられるか

「次の20年目指して頑張ろう」 自公幹部が夜会合

10月7日夜、都内の中華料理店で、自民党の二階幹事長、公明党の山口代表ら自公両党の幹部による会合が催された。5日に自公連立政権の発足から20年を迎えたことを祝う会で、会合の中で二階氏は「次の20年を目指して頑張っていこう」と述べたという。平成の日本政治を動かしてきたこの両党の連立が、次の20年に目指すものは何か。

都内の中華料理店を訪れた自民党の二階幹事長(7日夜)

自公20年は「ビューティフルハーモニー」

自公連立政権の始まりは、自民党と自由党の連立政権に公明党が加わった1999年10月5日にさかのぼる。いわゆる「自自公連立政権」だ。その後、自由党の分裂に伴い保守党との連立となった「自公保連立政権」を経て、2003年に現在の形である「自公連立政権」となった。2009年には当時の民主党に政権を奪われ野党に転落するものの、両党の協力は維持され政権に復帰、選挙協力や国会運営での連携をより深化させてきた。

「自自公連立政権」の発足(1999年10月)

また政策面でも、両党は異なる立場を超えてきた。集団的自衛権の行使容認をめぐっては、公明党が当初「簡単に認めるわけにはいかない」と慎重姿勢を示していたが、協議を重ねた末に自民党に歩み寄り、限定的に認める案で最終合意し、安全保障関連法を成立させた。

この際、公明党は「ブレーキ役を果たせていない」との批判を受け、党にとっての大きな試練となった。一方、消費税の増税を巡っては「国民目線」を重視する公明党が軽減税率を強く主張し、自民党内からの慎重論を押し切る形で導入にこぎ着けた。

記者団に応じる安倍首相(官邸・4日)

安倍首相は4日、官邸で記者団に対し、自公連立20年について「平成の政治、そして令和の政治に安定を与えたと思う。風雪に耐えた連立政権だろうと思う。お互いの良さを活かし、補完し合って、まさにビューティフルハーモニーではないか」と表現した。さらに「令和の時代もその連立政権、お互いに厚い信頼の基盤の上に結果を残していきたい」と述べて今後も自公の連立を重視していく考えを示した。

また山口代表は6日、都内でスーパーマーケットを視察。軽減税率導入について、「国民の声が生かされる道につながって与党に公明党がいることが大事なんだという、連立20年の一つの存在意義だと思う」と強調した。

スーパーを視察する山口代表

「ビューティフルハーモニー」の先にあるものは?どうする憲法改正

戦争の放棄や戦力の不保持といった平和主義を定めた「9条」

連立20年を迎えた両党の間に横たわる最大の課題は「憲法改正」だ。

戦争の放棄や戦力の不保持といった平和主義を定めた「9条」を含む憲法改正を目指す自民党に対し、公明党の態度は曖昧だ。

公明党は憲法改正について国会で議論することには理解を示す一方、現行憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三原則を変えず、新しい価値を加えていく「加憲」の立場を主張している。公明党の支持母体である創価学会は憲法9条改正に強く反対しており、山口代表もかねてから改憲には慎重な立場だ。

自民党内では「今夏に行われた参院選で憲法改正について“議論すべきだ”との民意が得られた」との主張が展開されているのに対し、山口代表は「何の民意が得られたのかさっぱりわからない」とした上で「合意を作りながら議論を進めていくという努力が与党、特に自民党にも必要だ」と注文をつけた。

公明党内には「9条改正をするのであれば、何のために安保関連法を作ったのかわからない」(幹部)などとの反対論が根強くあり、ある公明党幹部は「自民党が9条改正を持ち出せば、別居(連立離脱)もいとわない」と牽制する。

しかし「自民党が何かやれば、結局は自民党に付き合うしかない」(公明党関係者)との本音も見え隠れする中で、今後の改憲議論でどのように一致点を見いだしていくのかが注目される。

安倍首相は「この国会をはじめ、令和の時代、大きな課題もあるが協力していけば、決して乗り越えられないことはない」と強調するが、秋の臨時国会で「風雪に耐えた」自公連立政権がどのような形で改憲議論を進めようとするのか、真価が問われることになる。

秋の臨時国会での所信表明演説

(フジテレビ政治部 与党担当 空閑悠)

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