2019年から台風予報は5日先まで詳しく発表

今年最強の台風19号が週末に日本列島に接近する予想だ。ニュースや天気予報では、6日日曜日から台風19号の予想を伝えていたが、みなさんは台風情報を見聞きして、何か対応したり、考えたりしたでしょうか。

気象庁の台風予報は、2019年から強度予報が5日先まで発表されるようになり、進路予想図の暴風警戒域はこれまで3日先までだったのが、5日先まで表示されるようになった。
暴風警戒域とは、台風の中心が進む見込みである予報円の外側に表示される円で、台風の進路によっては風速25メートル以上の暴風域に入る可能性のある範囲を示したものである。この他に台風の中心気圧や最大風速なども5日先まで予報されるようになった。

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台風19号の暴風警戒域が日本列島にかかったのは6日日曜日の午後のことで、5日後の11日に九州が暴風警戒域となった。翌7日月曜日の予想は5日後の12日に九州から関東までが暴風警戒域となり、週末に台風が日本列島に猛威を振るうのはほぼ確実となった。
テレビのニュースや天気予報も7日月曜日には台風接近を大きく取り上げ、注意や警戒を呼びかけた。

前もって考えるだけで防げる災害もある

さて、台風の強度予報が5日先まで延長されて、それを私たちが上手に使わなければ、延長した意義が無い。「どうせ予報が外れるだろう」とか、「自分の住んでいる所は大丈夫だ」とか、台風予報を自分の都合の良い方向に解釈していないだろうか。確かに予報が外れる可能性はあるが、暴風警戒域に入ったら、暴風域に入った場合のことや、大雨になった場合のことを前もって考えるだけで防げる災害もある。

家のまわりに強い風によって飛ばされたり、壊れたりする物がないか点検する。工事現場の足場やカーポートの屋根などが暴風に耐えられるか?確認してください。
そして、避難所の場所や避難ルートの確認、さらにハザードマップを見て、家のまわりや避難ルートについて浸水や土砂災害の危険性が無いかをチェックしたい。どの段階で避難するかを家族で話し合っておくのも大事だ。

交通機関に影響が出る場合を想定して出かける予定がある場合はスケジュールを変更するか検討すべきである。
台風の暴風域に入る場合は、外出しないのが命を守るための鉄則。食料の確保、停電や断水した場合の対応、電話がつながらない場合の対応についても家族で話し合っておきたい。

台風が来るまで猶予があるので、この時間を上手く使って頂きたい。
台風は自然災害の中でも、前もって予想ができるのが他の災害と大きく違う。事前の対応によって災害を防ぐことも可能だ。台風が来る当日まで漫然と待つのではなく、早めに対応してリスクを回避したいものだ。

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三井良浩
三井良浩

フジテレビ 気象予報士