重さ1.6キロ…“鬼師”が本気で作る「鬼瓦ティッシュケース」がインパクト大! 製作者に聞いてみた 

カテゴリ:国内

  • 鬼瓦作りの職人が本気でつくる「鬼瓦ティッシュケース」が話題
  • 鬼瓦ティッシュケースの重さはなんと1.6キロ
  • 担当者「日本のモノ作りを未来に伝えたい」

職人が本気で作った鬼瓦ティッシュケースが話題

伝統に培われた職人技術は日本の誇れる財産だ。
ただ、時代の変化とともに需要が減ったり、後継者が不足したりという現状が言われる中、その技術を別分野にいかそうという動きもある。編集部でも仏具のおりん職人が自転車のベルを作っている工房を取材した。
(参考記事:仏具の「チーン!」が自転車のベルに…京都のおりん職人が作り出す“こだわりの音色”が心地いい

そしてまた新たに、日本の職人が畑違いの分野に挑戦をしたインパクト大の作品が話題となっている。
それがこちらだ。

上 睨んだ顔 下 笑った顔

重厚感のある鬼らしき顔、そしてその鼻からはティッシュ…そうこれは「鬼瓦ティッシュケース」なのだ。
なんともユニークな作品だがこれを製作したのは愛知県碧南市の鬼福製鬼瓦所。普段は“鬼師”と呼ばれる職人が鬼瓦などを作っている工房による本気の作品だ。

ティッシュケースのデザインは魔除け厄除けの意味を込めた「睨んだ顔」、招福の意味を込めた「笑った顔」の2種類。サイズは横26.2センチ・縦13.1センチ・高さ13.5センチで重さは鬼瓦だけあって約1.6キロと中々の重量なので扱いには注意が必要だ。

そもそも、鬼瓦とは日本建築の屋根材である瓦の一種で、屋根を覆う部分が瓦で、鬼瓦は屋根の装飾として据え付けられるもの。玄関のせり出し部分にも使用されることもある。屋根の中で象徴的な部分に使われる装飾品が鬼瓦である。
この工房のある愛知県西三河地方(旧国名三州)は約300年前から日本最大の瓦の産地として発展し、現在では陶器瓦(三州瓦)の国内シェアは60%~70%を占めているという。

提供:鬼福製鬼瓦所

そんな鬼福製鬼瓦所が2019年10月1日に「玄関にあったらインパクト抜群!鬼師が作るクレイジーな鬼瓦ティッシュケース」のクラウドファンディングを開始した。

目標金額は15万円だが、翌2日の午前中には目標金額を達成し、すでに集まっている金額は111万7000円・支援者72人。(10月10日現在)。
Twitterでも「これおもしろい。まさにアイディア勝負。」「インパクトがすごい」など驚きの声があり大きな反響となっている。

そもそもなぜ鬼瓦ティッシュケースを作ろうと思ったのか?鬼福製鬼瓦所の担当者に聞いた。

鬼師(鬼瓦職人)の本気の遊び心を商品化

ーーなぜ作ろうと思った?

創業100余年の鬼瓦メーカーが提案する鬼師(鬼瓦職人)の本気の遊び心を商品化。鬼瓦を専門に作る謎の職業『鬼師』の堅苦しそうなイメージを吹き飛ばすインパクトとユーモア満点のプロジェクトです。

住む人のHAPPYを願って建物の屋根に乗せられてきた鬼瓦ですが、近年の住宅様式の変化に伴い活躍の場は激減しています。日本で1000年以上続いてきた鬼瓦という日本のモノ作りを未来へ伝えたい。しかし、そのためには現代のライフスタイルに合わせた展開も絶対に必要だと考えます。
真面目なコトも大切。でも、マジメだけではつまらない。「伝統×ユーモア」で、見た人がくすっと笑ってちょっとHAPPYになってくれたら私たちも嬉しい。そんな想いでこのプロジェクトを企画しました。


ーー鼻からティッシュのアイデアはどこから?

鬼瓦でおもしろいことできないかな?⇒鬼の顔なんだから目からビームが出るとかどう?⇒鼻にティッシュ詰め込むとかどう??
ティッシュなら詰めるより鼻から出したらどう???⇒ソレイイネ!!という経緯から生まれました。


屋根の鬼瓦と同じ製造工程

ーー制作手順を教えて?

まず、粘土を練る機械の土練機に原料の粘土と水を加えて練ります。練った粘土を板状にし、適度な長さで切り分けます。この板状の粘土が全ての鬼瓦の材料になります。

続いて道具です。粘土を叩いて土の癖を取るタタキ。粘土同士の接着面にキズを付けるためのカキヤブリ。製作図面を板状粘土に転写する木ベラなど色々な道具がありますが、基本的にはこの金属製のヘラを使って成形していきます。

まず板状の粘土でベースを作り、そこに粘土を盛りヘラで成形し、細かい装飾を施して成形は終了です。 成形後、大きさにもよりますが2週間から2か月ほどかけて乾燥させ、乾燥した製品を窯に積みます。窯に火を入れ28時間かけて最高温度約1120度で焼成します。


ーー屋根の鬼瓦とは行程が違う?

同じです。価格を抑えるために石膏型で成形した後、職人が手作業で磨きます。屋根の鬼瓦でも一点モノ以外は同じ製造工程です。


ーー制作期間は?

プロジェクト終了後2020年の3月までに製作します。




使用される道具

クラウドファンディングの特典

ちなみに、クラウドファンディングでの支援する金額によっての特典は以下の通り。

支援額
1,000円:感謝の手紙
2,000円:ミニ鬼瓦ペーパーウェイト
5,000円:ミニ鬼瓦ペーパーウェイト3個
15,000円:鬼瓦ティッシュケース1個(定価の25%オフ)
16,000円:鬼瓦ティッシュケース1個(定価の20%オフ)
29,000円:鬼瓦ティッシュケース2個(定価の27%オフ)※売り切れ(10月10日現在)
31,000円:鬼瓦ティッシュケース2個(定価の22%オフ)
56,000円:鬼瓦ティッシュケース4個(定価の30%オフ)
60,000円:鬼瓦ティッシュケース4個(定価の25%オフ)

発送は2020年の3月末の予定だが、4月になってしまう場合は一度連絡するとのことだ。
続いて、屋根からティッシュケースという新たな分野への挑戦や鬼瓦職人の現状についても聞いてみた。

鼻の穴を大きくしなければならずデザインに苦戦

ーー制作する上で苦労したことは?

鼻からティッシュを出さないといけないので鼻の穴(同時に鼻自体)をできる限り大きくしなければならずデザインに苦戦しました。その結果、下あごはなくなりました。


ーー制作する上でこだわったところは?

発案時点になりますが既存の鬼瓦のイメージをどれだけぶっ壊せるかを徹底的にこだわりました。


ーー鬼瓦の表情にはこだわった?

屋根に乗る鬼瓦では笑顔の鬼瓦は少ないと思いますが、笑った顔があったらいいと思い独自に作りました。


ーー魔除けにもなる?

もともとの鬼瓦の意味に魔除けが含まれていますのでなるかと思います。


ーーどんな人に使ってほしい?

個人宅はもちろん飲食店や旅館、イベント施設などのカウンターやトイレの手洗い場に置いてあったら話題性抜群のティッシュケースです。鬼瓦は元々『魔除け、招福』の意味が込められているため縁起物としても最適です。

鬼瓦職人の絶対数は減っているが、若手は意外と多い

ーー鬼瓦の発注は減っている?

市場規模は減少していると思います。


ーー職人も減っている?


絶対数は減っています。しかし、他の伝統工芸などに比べると若手は意外と多いと思います。


ーークラウドファンディングのみでの販売?

クラウドファンディングの性質上、プロジェクト終了までは一般販売は禁止されております。プロジェクト終了後は、様々なチャンネルでの販売を検討しています。


ーー反響はあった?

予想外の反響に驚いています。


今回のように、日本のモノ作りの本気の技術をいかしたチャレンジを試せるのがクラウドファンディングのいいところでもある。
既に売り切れているものもあるが、支援できる日にちはあと2ヵ月以上あるので気になった人はチェックしてみてはどうだろうか。