日常生活の中で、自分の頭の使い方を意識したことはありますか?

脳のタイプとして、勉強など物事に関して記憶することに長けている「記憶脳」や、物事の本質をつかむのがうまい「分析脳」、想像力を求められることが得意で、ビジネスの場でもアイデアマンとして重宝される「思考脳」の3つがある。

特に日本人は教育的な視点から「記憶脳」タイプが多いため、なかなか「分析脳」や「思考脳」を思うように使えない。

では、どうすれば「分析脳」や「思考脳」を使えるようになるのか。上手く頭を使えていないのには理由があるのだろうか。高IQ団体「メンサ(MENSA)」の会員で『高IQ者が考えた 解くだけで頭がよくなるパズル』(集英社)の著者である関口智弘さんに聞いた。すると、頭の使い方の悪い人はやめられない7つの習慣があるという。その習慣について紹介していく。

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1)ひらめきを大切にする

理論より感性を優先させる――クリエイティブな職種についている人に多い傾向です。

ただ、それが本当に「直感」なのか、もっともらしいアイデアに拙速に飛びついているだけなのかは、慎重に判断する必要があります。

物事の法則性や規則性に気づくためには「分析脳」を使う必要がありますが、その結果が妥当なものかどうかは「思考脳」を使って検討します。両方使ってこその「ひらめき」なのです。

普段から分析脳を使うことに慣れていない人は、アイデアをひらめくや否や舞い上がってしまい、その良し悪しを冷静に判断することができなくなってしまいます。ここぞという時にミスをしがちな方は、一度自分の「直感」を疑ってみてください。

2)家電のマニュアルをじっくり読む

この習慣のある人は、試験などでいい点を取ってきた人が多く、いわゆる勉強が苦にならない人です。仕事もできる人が多いでしょう。

ただ、マニュアルというものは誰が読んでも誤解なく操作できるよう、わざわざ説明するまでもないことまで書かれているものです。実際に操作してみるよりも、読む方が時間がかかることが往々にしてあります。

こうした、自分にとって必要な情報以外を嬉々としてインプットしがちな人は、自分の脳をパソコンやスマホに置き換えて考えてみてください。いらないソフトやアプリをダウンロードしていませんか? その容量を他に回せば、もっと仕事の質、量を高めることができるかもしれないのです。

3)みんなの意見を聞く

何かを決めるにあたり、いろんな人の意見を聞こうとする人がいます。

もちろん、組織によってはそうしたプロセスを経ることが重要な場合もあるでしょう。ですが、船頭多くして、のことわざのように、多くの意見を集約したものは、当初のアイデアとはかけ離れた、平凡なものになりがちです。

また、こうした人に限って、相手の意見を鵜呑みにせず、いいとこ取りをしようとしたり、自分なりにアレンジを加えたりします。それでは、その人に聞いた意味はなくなってしまいます。

「この人」と決めた人の意見は、丸ごと信じて完コピするくらいの心構えで実践してください。逆に、鵜呑みにすることがためらわれるような人に相談するぐらいなら、一人で決めましょう。

4)旅行前には入念に下調べをする

多くの人がよくやりがちな行為ですが、旅行や取材に限って言えば、これは先入観や思い込みを事前に取り込むことにつながります。

未知の場所や人との出会いに際して、予め情報を収集しておくと、その時点で自分の頭のなかで「記憶」が作られ、実体験をありのままに感じることを阻害します。

観光ガイドに載っていた美味しい蕎麦屋さんが臨時休業していた、わざわざ訪れた観光名所が思いのほかしょぼかった、等でがっかりした経験のある人は、一度全くのノープランで旅行してみてください。過去最高の旅ができるかもしれませんよ。

5)人からよく相談を受ける

人は相談相手を選ぶときに、何を重視すると思いますか?

ほとんどの人は、ただ話を聞いてほしいだけで、アドバイスや判断を求めているわけではありません。人からよく相談をされるのであれば、あなたは相手にとって「自分の話をよく聞いてくれる人」「前に話したことを覚えていてくれる人」と認識されている可能性が高いです。

こうした人は、職場の人間関係や各人のエピソードなど、さまざまなしがらみが頭に入っていますので、気の使える「いい人」であることが多いです。そのぶん、気配りやストレスへの対処で、人より脳のリソースを使っているのです。

人望はあるかもしれませんが、迅速な判断や、ときに非情な判断もくださなければならない立場には向かないタイプと言えるでしょう。

6)Amazonのレビューをチェックする

この本面白いのかな、と思ったときに、すぐにレビューをチェックするクセがある人は、ただちに直したほうがいいでしょう。

特に「★1つ」などのネガティブなレビューは、見ず知らずの他人が個人的経験に基づいて「ここが違う」「あそこがおかしい」と指摘をしているものがほとんどです。批判の対象が、内容には全く関係ない事柄であったりすることも…。

何かを学ぼうとするとき、他人の記憶脳バイアスのかかった評価を判断材料にするなんて、時間とお金の無駄使いです。

7)ルーティンを守る

「いつも決まった店で決まったメニューを食べる」「毎日同じ服を着る」などは、著名な経営者らによくみられる習慣です。一見、とても合理的なようですが、こうしたルーティンが本当に有効なのは、一分一秒を争う忙しい人や、常にあらゆる経営判断を求められる、ごく一部の人々です。

それ以外の多くの人にとって、ルーティンに沿った行動をすることは、自分の思い込みを強化し、視野を狭めていくことに繫がります。

日常生活においても、昨日と違う道を通ってみる、いつもと違う店で買い物をするなど、未知の環境や情報に触れるよう心掛けることで、分析脳や思考脳を刺激することができるのです。

あなたはいくつ当てはまりましたか?

実際に意識をしなくても、習慣で何気なくやっていたという行動も多いはず。ただ、“頭の使い方の悪い人はやめられない習慣”を知った今、無意識でやっていた行動を意識していけば、あなたの頭の使い方はこれから変わっていくかもしれない。

『高IQ者が考えた 解くだけで頭がよくなるパズル』(集英社)

関口智弘
成蹊大学卒業後、3年間で5社での勤務を経験。広告会社・IT企業を経て独立。マーケティングシステムリース、ウェブサイトアクセスアップツール開発を本業とし、海外で馬主業にも参入。著書に『これからの「稼ぎ」の仕組みを作ろう』(ごま書房新社)、『群れない力 「人付き合いが上手い人ほど貧乏になる時代」における勝つ人の習慣』(経済界新書)がある。

よみタイ
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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。