声優・津久井教生さんが筋萎縮性側索硬化症ALSを公表

街のみんなの人気者、青いネズミの服を着たネコといえば教育番組で活躍するキャラクター「ニャンちゅう」。その声優を務める津久井教生さんが10月1日に「筋萎縮性側索硬化症ALSと診断された」とブログで明かした。

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ALSとは手足や舌、呼吸に必要な筋肉などの力がなくなっていく指定難病で、専門家によると「全国に約1万人、10万人に1人か2人の確率で発症する」という。津久井さんは現在の体調についてブログで「現在、自力で歩くことが難しく、ダブル杖と車椅子での移動となっています」と明かした。

現在58歳の津久井教生さん。声優歴35年以上のベテランでこれまでHUNTER×HUNTER やガンダムなど数多くの人気作品に携わってきた。
中でも、ちびまる子ちゃんの関口しんじ君役などで第一線で活躍する人気声優だ。

そうした中、津久井さんが違和感を覚えたのは2019年3月。約4週間にわたる検査入院の結果、ALSと診断された。

最近では参院選でれいわ新選組から初当選した船後靖彦さんもALS患者だ。コミュニケーションを目の動きで取っている。こうしたALSの症状について医師は…

東京都立神経病院・脳神経内科 清水俊夫部長:
まず筋力低下ですね。ペットボトルの蓋が開けにくいとか足を引きずるようになったとか。そのうち指が動かなくなっていく、手が動かなくなっていく

筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経が障害を受け筋力が低下していく進行性の疾患だというALS。その一方で薬やリハビリによって進行を遅らせることが可能だという。

ALS患者の生活とリハビリとは

1年半前にALSを患った阿部進さんを訪ねた。元プロゴルファーでゴルフのコーチもしていた。
現在は脚を動かすことができないため、両手を使い車いすへと移動。下半身で動かせるのはかろうじて指先のみだが腹筋のトレーニングをすることで風船を膨らませることはできるという。

阿部進さん:
上半身が動けるうちは諦めずに治療していきたいなと考えています。

病と闘うべく可能なリハビリを精力的に行っているという。

また、ALSのリハビリ現場では最先端の技術も導入されており、歩行補助器具のロボットスーツという自分の力で歩くことができない人でもサポート可能だという。運動量が大幅にアップすることで患者のやる気を高め、体幹を鍛えることも可能にとなっている。

今後の活動について

またALSの治療を後押しすべく支援の輪も世界で広がりを見せている。2014年に流行したアイス・バケツ・チャレンジ。氷水をかぶるパフォーマンスが話題となり、ALS協会に100億円を超える寄付が集まった。

津久井さんは自身のブログで「素敵な力が「声」を残して下さっているALSとつきあいながら仕事や生活をしていく」とつづっている。

医師からも「しっかりとお仕事と生活をして下さい。日常生活をしっかりとしていくことが一番の治療法」とエールをおくられたという。
ALSの治療費については症状や所得によって国から支給される。しかし、治療器具の維持に月に4万~5万円。さらにヘルパー代などもかかるため費用の面からも患者の負担は大きい。