引退は受け入れられない

付け人に暴力を振るったなどとして、相撲協会から自主的な引退を促されていた貴ノ富士。

9月27日弁護士と共に会見を開き、被害者に謝罪する一方で「引退は受け入れられない」と述べ、現役を続けたい考えを示した。

貴ノ富士:
親方から若い衆の指導を任せられている中で、言葉で指導できず、手を出してしまいました。しかし、今回の処分はあまりに重く受け入れられません

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――(自主引退なら得られる)退職金を棒に振ってまで会見を開きたいと思った?

貴ノ富士:
自分としては事実を伝えたいという気持ちでいます

付け人への暴行が問題となったのは、貴乃花部屋に所属し四股名が貴公俊だった去年3月に続き今回で2回目。

貴ノ富士:
前回は確かに頭に血が上って一方的にやってしまったんですが、今回は手を出してしまったことは本当に許されないと思っているんですけど、自分の付け人になってもらっている以上、少しでも良くなっていってもらえればいいなという気持ちでしてしまいました

26日、スポーツ庁に提出した上申書では、付け人について、3歩歩いたら他のことを忘れると主張。

暴行は挨拶をしない付け人の頭をげんこつでコツンとしたもので、あくまで指導だったと説明した。

貴ノ富士:
手を出さない代わりに、どういう風に指導していったらいいか、言葉で何回も何回も毎日言っても伝わらない場合はどうしたらいいかということは教えてもらえていない

更に、今回相撲協会が問題視したのは、貴ノ富士の差別的言動。

今年の七月場所が始まる前ごろのことだ。

新弟子らの物覚えが悪いとしてそれぞれに「ニワトリ」、「ヒヨコ」、「地鶏」とあだ名をつけた上、「おい、ニワトリ」との声かけに新弟子が「はい」と返事をすると、「はいじゃない、コケと言え」と言い、ニワトリの鳴き声で返事をするよう強要するなどしたという。

貴ノ富士:
もちろん言い過ぎだとは思っています

弁護士:
差別的発言は部屋の中であなたが初めて言ったこと?

貴ノ富士:
いえ、違います

貴ノ富士は差別的発言は、所属する千賀ノ浦部屋の兄弟子たちが先にしていたと主張した。

この会見に対し、相撲協会の芝田山広報部長は「理事会は貴ノ富士に自主引退を促しており、まだその正式な返答がないので現状は協会としてはコメントすることはありません」としている。

貴ノ富士のこれまでを振り返ってみると

加藤綾子キャスター
今回の問題改めて確認していきます。まず、貴ノ富士は2013年に当時、貴公俊という四股名で初土俵を踏みました。現在、十両で22歳の若い力士です。1度目の暴行問題は去年の3月の春場所中。当時所属していた貴乃花部屋が貴ノ岩に対する日馬富士の暴行問題で揺れている中、起きてしまいました。これによって、1場所出場停止処分。この件は貴乃花親方の引退の一因となりました

加藤綾子キャスター
そして去年、貴乃花部屋から千賀ノ浦部屋へ移籍した際には、決して暴力を振るわず違反した場合は引退するという内容の誓約書を書いていたということなんです。しかし、起こってしまった暴行問題。今日の会見で貴ノ富士は「前回は頭に血が上って一方的に手を出したが、今回は付け人として良くなってほしいという冷静な気持であった」と述べ、引退するつもりはないという意思を示しました。ただ、風間さん、2度の暴行問題。更に侮辱的な発言もあったということですからね

風間晋解説委員:
2度目ですからね。処分は厳しいものにならざる得ないと思います。ただ、もしかして相撲界のほうにも千賀ノ浦親方に任せてあるからとか、あるいは誓約書をとったから大丈夫とか、そういう気持ちがあったんじゃないだろうかと。そうではなくて、相撲界全体として主体的に暴力根絶に取り組む。そこが必要なんじゃないかと思います

(Live News it! 9月27日放送より)