秋の味覚に異変…海外産フルーツが急増 その理由と国産品のゆくえは?

カテゴリ:暮らし

  • 生鮮果物の輸入量が増加 リンゴ・ブドウは前年同期比3割超アップ
  • 「価格の安さ」と「品薄期のピンチヒッター」であることが理由
  • 国内生産者は危機感を募らせるが「日本産の輸出増も期待できる」との見方も

めざましテレビが神奈川県川崎市のスーパー大野屋長尾店を訪れると、なじみのある国産の「ふじ」や「つがる」ではなく、「ニュージーランド産envyりんご」と表示されたリンゴが陳列されていた。

実は今、海外産の果実輸入が急増しているのだ。

農林水産省は9月、1月~7月の前年同期比において、リンゴ・ブドウ・キウイ・アボカドの輸入量が2018年よりも増えていると発表。特に国産のイメージの強いリンゴとブドウは、3割以上の伸び率で増えている。

この状況に対し、国内の生産者は…

JA全農あおもり りんご部 坂本浩部長:
国産としては、やっぱり危機的な部分はあります。

なぜ海外産のフルーツが増加しているのか。その背景を詳しく見ていく。

TPPによる関税引き下げで海外産フルーツが安価に

先ほどのスーパーのフルーツコーナーを見ると、他にもメキシコ産のブルーベリーなどの海外産が多く並び、その割合は全体の4分の1に及ぶという。

「固めが好みならコレ!」と書かれたニュージーランド産のリンゴは、国産と比べるとサイズは小ぶりだが、形や色に大きな違いはなく、14度の糖度も国産と大きく変わらない。

めざましテレビ取材班:
とてもシャキシャキしていて、甘くておいしいです。言われなければ、ニュージーランド産のリンゴだとはわからないです。

また、ブドウでは、種なしのオーストラリア産などが今年は多く流通している。なぜ海外産のフルーツが急増しているのか?

その理由の1つが、価格の安さだ。

2018年12月にTPPが発効され、現在、カナダ・ニュージーランド・メキシコ・オーストラリア・ベトナム・シンガポールの7カ国の間で手続きが完了している。
これにより、リンゴが輸入される際の関税は17%から段階的に引き下げられ、現在は11.4%。2028年には完全撤廃される見通しだ。

取材した9月25日には、1個114円で販売されていたニュージーランド産のリンゴ。取引価格では、国産が1kgあたり328円のところ、海外産は240円と88円安くなっている。

また、3月~10月の時期には17%あったブドウの関税は、即時撤廃で0%に。取引価格は国産が1kgあたり1202円の一方、海外産は886円安い316円だ。

日本の品薄期にも供給可能 国産フルーツはどうなる?

2つ目の理由は、品薄期のピンチヒッターであること。

輸入先のニュージーランドやオーストラリアは、日本と季節が反対の南半球に位置し、果物の旬もちょうど反対になるため、日本で品薄時期に輸入しやすい点もあるという。

大野屋 長尾店 青果部 櫻井慎一さん:
季節外れになった時に「これを食べたい」というものは、輸入物であったりするので、それを販売しています。

逆風が吹き始めた市場に、生産者は危機感を持っている。

JA全農あおもり りんご部 坂本浩部長:
ブランドの確立など、輸入品にも負けないようなおいしいリンゴを届けていきたいなと思います。

専門家によると、今後はこんなフルーツの輸入が増える可能性もあるという。

農政ジャーナリスト 村田泰夫氏:
日本の季節外れの時に海外産のイチゴが入るでしょうけれども、品質の格差が大きいので、日本のイチゴ農家を脅かすことにはならないのではないかと思います。

輸入増加品目に挙げられたリンゴ・ブドウ・イチゴは、どれも日本産が海外から高評価を受けているフルーツでもある。そのため、村田氏は日本産の優れたフルーツを海外に売り込み、輸出増を見込めるチャンスでもあると指摘している。

(「めざましテレビ」9月26日放送分より)

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