人に慣れる訓練をして第二の人生を…飼い主が見つからない犬の幸せを願うトレーナー【長崎発】

カテゴリ:国内

  • 長崎市で飼い主が見つからない犬に対し「人に慣れる訓練」が始まった
  • 外の世界を知らない犬や全く人に慣れておらずリードを噛み切ってしまう犬も
  • トレーナー「飼い主が見つからない犬に第二の人生というのを繋げていきたい 」

人に慣れる訓練を

長崎市の動物管理センターではこの5年間、犬の殺処分はゼロだが、飼い主が見つからず、長期間収容されている犬もいる。そんな犬にも新たな家族を見つけようと、ある取り組みが始まった。

犬舎からなかなか出ようとしない一匹の犬。

ーーチビ、おいで、いい子、おいで大丈夫よ、そう、お利口

声をかけながら外に連れ出す。

チビは、飼い主が亡くなり自宅に放置されていたところを保護された。動物管理センターに来てから2年半になる。チビは繋がれっぱなしで散歩をしたことがなく、飼い主以外の人とも触れ合った経験がないとみられている。

田渕紗耶香さん:
とにかく外の世界を知らない。日常の物音も経験しない環境で飼われていたと感じる

長崎市動物管理センターには、現在33匹の犬が収容されていて、長期間いる犬もいる。
そんな犬に家族を見つけようと、センターでは8月から新たな取り組みが始まった。「人に慣れる訓練」だ。

トレーニングにあたる田渕紗耶香さんは、犬を扱うプロだ。 田渕さんはこの日、警察署にいた。横にはシェパードも。

田渕さんは「警察犬の訓練士」だ。県警嘱託の警察犬指導手で、8月は長崎市の岩屋山で遭難した40代の男性を警察犬の「リョウ」と捜索し、山の中で動けなくなっている男性を無事に発見した。
行方不明者の早期発見と人命救助に貢献したとして、稲佐警察署から感謝状が贈られた。

リョウは去年12月にも行方不明者を発見していて、2度目の表彰となる。

田渕紗耶香さん:
(リョウには)よくやったね、って言いたい

田渕さんは犬の訓練所で11年修行し、去年独立した。長崎県諫早市でペットのトレーニングや一時預かりなどをする一方、2頭の警察犬と生活を共にし、県警から要請があれば出動して行方不明者の捜索にあたる。

捨て犬を飼った経験から犬の保護活動にも関心を持ち、動物管理センターで活動を始めた。

田渕紗耶香さん:
おすわりしよう、そう!上手ね。(チビは)場慣れを繰り返して、大丈夫だよ、というところを教えていけばすんなりと入ってくれる子だと思う

安心感をつくることから始まる

一方、こちらの犬は…

田渕紗耶香さん:
大丈夫、大丈夫、よしよし

市内を徘徊していたところを保護された「ヤタロー」。

センターでの生活は、約3年2ヵ月にもなる。 ヤタローは全く人に慣れておらず、何度もリードを噛み切ってしまう。

田渕紗耶香さん:
自分の身を守ろうと牙をむける。でもそれはあくまで正当防衛で。周りを見せる余裕、観察させる時間をつくって大丈夫みたいという安心感をつくることから始まっていく

長崎Life of Aminal 木村愛子代表:
ここは保護施設ではないので、1日でも早く里親のもとに向けて出てほしい。プロとして活動しているトレーナーにトレーニングしてもらえてありがたい

殺処分ゼロを続けるために

長崎県内の犬と猫の殺処分数は、2008年度は1万匹を超えていたが、年々減少し、昨年度は2227匹だった。

長崎市では10年前から行政と動物愛護ボランティア団体がタッグを組み、犬に関しては2014年度から殺処分ゼロが続いている。

6月には、田上長崎市長も動物管理センターの視察に訪れた。センターのスタッフやボランティア団体のメンバーから説明を受けながら収容されている犬や猫を見てまわった。

田上富久長崎市長:
一歩ずつ前に進めてきている、その力は本当にすごいと思う。一緒にやらないと、市役所だけでもできなかったりボランティアだけでもできなかったりする分がある。もう少し体制が充実するとできることが増えていく

行政とボランティア団体はこれからも連携しながら、不幸な犬や猫を減らす取り組みを続けていくことを確認した。

長崎市の動物管理センターには「犬のトレーナー」という大きな力も加わった。

田渕紗耶香さん:
捨てられる犬や保護されたけど飼い主が見つからない犬に、第二の人生というのを繋げていきたい

センターにいる犬が、新たな家族のもとで幸せに暮らす日を思い描きながら、田渕さんは訓練に励む。

(テレビ長崎)

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