「まだ黒のひっつめ髪で内定式は出席しなきゃいけない?」…“就活ヘア”提起の広告が企業を巻き込み今年も話題!

カテゴリ:国内

  • パンテーンが「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトを実施
  • 今年は賛同企業を募り、経済産業省など139社が参加
  • “就活ヘア”に対する社会の反応は去年と比べて変わった?PR担当者に聞いた

黒のスーツに黒髪…。

このような姿の学生を見ると、就職活動中だと推測する人は多いだろう。特に就活シーズンに入ると、男女問わずこの就活スタイルに身を包んだ学生が企業を訪れる姿をよく見かける。

もしかすると、学生の頃の自身を思い出すととともに「2020年も間近に迫り元号も変わったのに、就活や内定式のスタイルはずっと変わらないのか…?」と感じてしまう人もいるかもしれない。

そんな中、大きな注目を昨年集めたのが、P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」の広告だ。

「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」というメッセージとともに、“黒いリクルートスーツ”に“黒いまとめ髪”の就職活動中の女性がデザインされており、よくよく見ると「髪型のせいで面接に落ちたら嫌だから我慢する」「内定のためなら仕方ないと思う」などと就活生の本音がモザイクアートの形で書かれている…といったものだ。
(参考記事:「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」“話題の広告”の答えを就活塾に聞いた

この広告はSNS上で話題を呼んだが、仕掛け人のパンテーンは今年もまた新しいプロジェクトを展開しているのだ。

その広告が、こちら!

(画像提供:P&G)

令和元年10月1日。内定式に、自分らしい髪で来てください。

というフレーズを囲むように、11人の若手社員たちが登場。女性たちは、就活生によくみられる黒のひっつめ髪ではなく、緑のメッシュを入れたり、茶のロングヘアー、ショートカットと、思い思いのヘアスタイルを披露している。男性もパーマや茶の短髪と、自分らしい姿で笑顔をのぞかせる。

これは、パンテーンが就活サイトのワンキャリアとともに実施する、「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトの新聞広告だ。10月1日に行われる内定式を見すえ、7月25日から8月23日までプロジェクトの賛同企業を募ったところ、経済産業省やサイバーエージェントなど139社が参加する結果となった。

また同時に、パンテーンは「Supporting More Freedom in Job-Hunting Hair」という動画を公式YouTubeアカウントで公開している。

1分間の動画では、「御社で働きたかったから、似合わないひっつめ髪をしていました」「みんな同じ髪型は変だと思いながら、自分だけ浮くのは嫌なので合わせていました」という、就活生たちの"ホンネ"をまず紹介。

その後、一歩踏み出すことを決意した女性が「でも、今日をきっかけに一歩踏み出したいと思います」と宣言するとともに、ひっつめ髪をほどき、街中を笑顔で堂々と歩いていく姿がとらえられている。

このように、世間の大きな注目を集め、今回はさらに多くの企業を巻き込むようになった「#令和の就活ヘアをもっと自由に」プロジェクトだが、どのように賛同企業を集めたのだろうか。また、パンテーンはどのような就活や内定式を目指しているのだろうか。

パンテーンのPR担当者に詳しい話を聞いた。

一歩踏み出す勇気をサポートするプロジェクト

ーーまず、2018年のキャンペーン「#1000人の就活生のホンネ」を始めたきっかけは?

パンテーンは、「あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする」をブランド理念として掲げています。

その考えのもと、実際の就活生の声に耳を傾け、伝えていくことで、より多くの人が今よりも自由にありのままの姿で自信を持って活躍していくことを後押しできたら、という思いから行いました。

ーー就活生・企業双方からの反響は?

就活生だけでなく社会全体、メディアやソーシャル上でさまざまな議論が巻き起こり、話題になったと考えております。

ーー今回のキャンペーン「#令和の就活ヘアをもっと自由に」は、いつ頃から進められていた?

いつ頃とは明確にいいがたいのですが、賛同企業の募集については、7月25日より実施しております。

ーーこのコンセプトにした理由は何?

昨年の盛り上がりを受け、人事への追加調査を行いました。その結果、現役の企業人事300名のうち72%が「個性を表現できる採用活動をしている自信がない」と認識していることが分かりました。

また、78%が「自分らしい自由な髪を推奨する採用が受け入れられる世の中になってほしい」と感じているものの、65%が「学生が個性を表現できる採用活動をするべきだと思っているが、企業のスタンスとしては発信しにくい」と回答しており、「人事の就活に対するホンネを、会社の声として可視化していくことの重要性」が浮き彫りになりました。

そのため、2019年はさらに一歩前に踏み出す勇気をサポートするべく、就活生だけではなく企業人事の方々にも耳を傾け、改めて大きな枠組みでプロジェクトを実施することにいたしました。

(画像提供:P&G)

プロジェクト賛同企業は「人事の方々の想いが熱い」

ーー7月25日の募集以来、同キャンペーンに賛同する企業は139社に。この結果についてどう感じる?

多くの会社さまに賛同いただけたと感じております。

ーー賛同企業はどのように集まった?

協力会社のワンキャリアさまにご協力いただき、キャンペーンページを通じて応募企業を募りました。

なお、7月リリース時点で集まっている立ち上げ企業については、ワンキャリアさまが主催する計5万件以上のクチコミをもとに作成された「就活クチコミアワード2019」にノミネートされている企業にお声掛けし、プロジェクトパートナーとなっていただいております。

ーープロジェクトに賛同した企業の特徴は?

新卒採用に積極的で、学生の個性をしっかりと尊重した採用をしたい、という人事の方々の想いが熱い印象です。

ーー背景には、「働き方」についての昨今の変化も関係があると思う?

直接的な因果関係があるかは分かりかねますが、多少影響がある可能性はございます。

ーー「賛同の条件」に「就職活動のあり方を前向きに変えていく」を挙げていたが、断った事例もある?

基本的に、競合も含めてプロジェクトに前向きにお取組みいただける企業さまにご賛同いただいております

ーー賛同企業からはどのような声が寄せられた?

「すでに自由な髪型を尊重している」というスタンスの企業さまも多くあり、また「これから前向きに変えていきたい」といった想いで賛同いただいた企業さまもございます。
そして、『より一層個性が尊重される就職活動を行いたい』という声が寄せられております。

就活ヘアには「違和感があった」「仕方ないとリアルな声

ーー去年のキャンペーン開始時と比べて、空気の変化は感じる?

1か月弱の間に139社もの賛同企業さまが集まったことから、去年より一層、「もっと自由な就活」への動きの高まりを感じております

ーー今回のキャンペーンも、現役就活生を中心に反応があったと思うが、どんな声が目立つ?

まだプロジェクトの初速段階ですので、全体のコメントはこれから増えてくるかと思いますが、「画一的な就活ヘアは違和感があった!」といったリアルなコメントが寄せられた一方、「就職活動では、企業に受かることが第一目的なので多少我慢しても仕方ないと考えている」という声も寄せられました。

違和感がある就活生も多い黒のひっつめ髪(画像はイメージ)

ーー寄せられる声や反応は去年よりも増えている?

定量部分に関しては、まだ確認前であること、ご了承いただけますと幸いです。

ーー来年以降も同様のキャンペーンを続けていく予定?

現状お伝えできる内容はないのですが、冒頭に掲げたブランド理念である「あなたらしい髪の美しさを通して、前向きな一歩をサポートする」を大切に、今後もさまざまな形でキャンペーンを実施していく予定です。

ーー最後に、令和の就活や内定式はどうなったら理想的だと感じる?

就活生一人ひとりが“個性の尊重される就職活動や内定式”を行えることを心より願っております。


「画一化」が常々指摘される就活だが、企業からも自由や個性を望む声が出てきているのは、就活生にとってはうれしいことだろう。令和最初となる10月1日の内定式には、自分らしい髪型で行くことを考えてもいいかもしれない。