世界遺産・春日大社が観光バスお断り!? 一方でガラガラのバスターミナルも…奈良の観光に異変

カテゴリ:国内

  • 春日大社が観光バスの駐車場受け入れを規制
  • 新設バスターミナルは使い勝手が悪いとの声も
  • 実施すべきなのはパークアンドライド方式?

世界遺産・春日大社が観光バスの駐車を規制

世界遺産にも登録されている観光名所がバスの駐車を規制!波紋が広がっている。

観光バス運転手
きょうもガイドさんとその話をしたところなんですけれど、「入れませんよ、どうします?」「困るね」って…

観光バスの運転手が困惑するのは奈良の春日大社が駐車場について発表した内容。

春日大社 北野治 権禰宜:
10月と11月の土日祝日につきましては観光バスをお断りせざるを得ない状況になってしまいました(※祈祷や結婚式での参拝者を除く)

奈良で一体何が起こっているのか?めざましテレビ「ニュースのミカタ」は、その理由を取材した。

「観光バスの駐車制限」を発表した奈良市の春日大社。めざましテレビが9月23日の連休最終日、駐車場に取材に行ってみると…観光バスがズラッと並んでいた。

台風17号の影響で普段より観光客は少なめとのことだが、観光バス60台から70台が停められる駐車スペースはほぼ満車。

10月と11月は紅葉や七五三になどでさらに多くの参拝客が訪れるというが、観光バスの駐車を制限した理由を春日大社側に聞いてみると…

春日大社 北野治 権禰宜:
完全に渋滞して…春日大社に入れない車が渋滞している状況。実際に100メートルから200メートルくらいはずーっとバスが駐車場に入りきれない状態で平日の午前10時に並びましたね

春日大社の駐車所を利用しているのに参拝をしない人も

理由の一つが駐車場待ちの渋滞。しかし春日大社が観光バスの駐車を制限した理由は他にもあるという。

春日大社 北野治 権禰宜:
2018年と2019年を比べますと観光バスは1.5倍になっております。しかし参拝者はさほど増えたように思えない…駐車場の利用だけ増えている状態です

取材した日も、観光バスから降りて春日大社の入り口とは逆方向に向かう観光客も多かった。春日大社を参拝しない人もいるという。

また、観光バスは3000円で夕方の営業終了まで駐車が可能だ。周辺には奈良公園や東大寺といった人気観光スポットが多いため長時間駐車する観光バスもあり、混雑の要因にもなっているという。

しかも奈良県の発表によると観光客の数はここ5年で約25パーセント増加。そのため道路の渋滞も深刻な問題になっているのだ。

バスターミナルを新設するもガラガラ...

そこで奈良県は4月に春日大社の駐車場から西に約1kmの奈良県庁そばに大規模なバスターミナルを新設。

しかし春日大社の駐車場を利用していた観光バスの運転手によると…

観光バスの運転手:
(新設バスターミナルの)利用率はものすごい低いと思う。いつ行ってもガラガラですから…

実際に取材班が向かってみると観光客を乗せるため数台のバスが止まっているだけで閑散としたようす。

なぜせっかく新設したバスターミナルを利用する観光バスが少ないのか?

実はこのターミナルは観光バスの乗客の乗り降りしかできず、そのまま駐車はできないというルールがあるのだ。このルールについてバス会社の担当者は…

バス会社の担当者:
(新設バスターミナルを使うと)バスターミナルで下ろして、約20~30分回送して別の駐車場に入れて、10分ほど駐車させたら、すぐにまた出て約20~30分かけてバスターミナルに戻らないといけない。ほんとに10分くらいの駐車待機のために、20~30分くらいかけて回送しているのが現状ですね

また、新設されたバスターミナルについて別のバス会社の担当者も…

別のバス会社の担当者:
ターミナルの使用が10分刻みの予約制で、もしツアーが遅れて時間に間に合わないと利用できない。春日大社の駐車場と比べると人気スポットまでかなり観光客を歩かせることになる

ちなみに春日大社の駐車場から春日大社までは徒歩で約2分。

では新設バスターミナルから春日大社まではどのくらいかかるのか計ってみると…男性ディレクターの足で徒歩約23分。往復だと約46分かかる計算となる。

解決の糸口はパークアンドライド方式

2020年には東京オリンピックもあり、さらに観光客の増加が見込まれる奈良。どんな対策が考えられるのか?専門家はこう指摘する。

桜美林大学 戸崎肇教授:
市内から少し離れたところにバスを駐車するスペースを置いて、そこから公共交通機関を使って観光地まで客を運んで行くことをパークアンドライド方式といいます。こういった方式を真剣に考えるべきだと思います

バスターミナルから観光地をめぐる循環バスなどがあると、混雑解消が見込めるということだ。

戸崎教授が提案していたパークアンドライド方式だが、海外をはじめとした日本の観光地でも導入されているシステムだ。車で行けるとこまでは車で行き、そこからはバスなどの公共交通機関で移動することによって渋滞緩和や環境保全などが期待されている。

(めざましテレビ9月24日放送より)

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