サーバーの余熱で育てる野菜やサカナ! 新事業で目指す“循環型”社会【新潟発】

カテゴリ:国内

  • 24時間排出される温水で作る南国の果実
  • 高集積サーバーが生む熱で植物工場とサカナ養殖
  • “循環型”で目指す持続可能社会

産廃焼却で出る温水利用で“本場に負けない”バナナを

新潟県柏崎市の工場地帯にある産業廃棄物処理を行うクリーンセンター。
こちらでは、主に県外から集められた産業廃棄物を850℃の高温で、24時間365日、焼却している。

新潟総合テレビ 小林祥郷記者;
こちらの産業廃棄物処理場で出されたエネルギーが、いま全く違う業種で活用されているんです

シモダ産業 霜田真紀子常務;
炉の周りを冷却するために使う水。それを今回は、農業用の水として活用することに なった

工場を24時間稼働するシモダ産業が、産業廃棄物の焼却で排出される熱を活用し、新たに始めたのが農業だった。

シモダ産業 霜田彰社長;
24時間温排水が出るので、それを循環型といいますか、そういう目的で何か出来ないかということから発想した

将来世代のために…
今世界の大きな目標となっているのが、環境に配慮し資源を有効に活用する、サステナブル=持続可能な社会の実現。

シモダ産業が取り組んでいるのも、この資源の有効活用。
これまで、蒸発するだけでムダになっていた水と熱を再利用することで、余分な燃料などの資源を使うことなく、雪国・新潟でも農業用ハウスの温度を一年中24℃以上に保つ仕組みを導入した。

この条件下で育てられているのが、南国のフルーツ バナナ。

シモダ産業 霜田彰社長;
日本に働きに来ているフィリピンの女性が、日本のバナナはまずいと。確かにフィリピンや台湾から青いバナナを持ってきて、日本で無理やり黄色にして出荷しているからおいしいわけがない。
それなら、新潟県で木で熟したバナナを食べさせてやろうじゃないかというところから始まった

柏崎市の新たな特産品となることが期待されるだけでなく、新たな雇用の創出にも一役買うかもしれない。

シモダ産業 霜田真紀子常務;
こういうバナナの事業に取り組むことによって、またうちの会社に興味を持ってもらえたらなと。そういう意味でも楽しみ

バナナの栽培管理を担う猪股弘士さんは、以前イチゴの栽培を行っていたが、この新たな挑戦に関心を持ち転職した。

猪股弘士さん;
新潟で、誰かが商業用のバナナ栽培をやっていると聞いたことがなかったので、非常に面白いなと思った

サーバーの余熱利用で完全循環型の新事業

新たな雇用の創出に期待がかかるサステナブルの取り組みは、新潟県長岡市でも…

サーバーやデータのシステムが入っている機器の温度や湿度の管理を、冬の間に貯めた雪氷による冷気などの自然エネルギーを活用し行っているデータドック。

データドック 宇佐美浩一社長;
昨今、ビッグデータといわれる、企業が保有されるデータが大きくなっているので、その大きなデータを処理するために必要な高集積なサーバーが増えている。
高集積のサーバーはたくさん熱を出すので、それで今回私どもの事業の広がりを生み出している

その新事業が始まった場所に案内してもらうと…

広がっていたのはチョウザメの養殖が行われている水槽と、発泡スチロールの上で育つ6種類の葉物野菜。
取り入れたのは「アクアポニックス」と呼ばれる、アメリカを中心に海外で広まりつつある、まったく新しい形の食糧生産モデルだ。

プラントフォーム 山本祐二代表;
限られた余熱を使ってでも、ビジネスとしてなにか成立するものはないかと考えて、植物工場に行き当たった。
魚の養殖と水耕栽培を同時に行うという循環型の農法になる

「アクアポニックス」では、養殖している魚の排泄物を、水中にいる微生物が植物に必要な成分に分解。
栄養が浸透した水を植物が吸うことで野菜が育ち、さらに養分が吸われた後の水はきれいな水となって養殖の水槽に戻る完全循環を実現している。

サーバーからの排熱や雪氷から出る冷えた水などの余剰エネルギーを、ハウス内の温度や養殖の水温調節に活用することで、余分なエネルギーを使わないだけでなく、水も一切入れ替えないこのサステナブルな取り組み。
難しいイメージの強い農業や漁業に、新たな風を吹き込んでいる。

プラントフォーム 山本祐二代表;
私は、実は農家のせがれでもないし、過去に農業の経験があるわけでもない。
ただ、純粋に「アクアポニックス」の仕組みを知ったときに面白い、やりたいと思った

植物工場・プラントフォームの代表を務める山本祐二さんは、農業初心者。
今はまだ実証段階の取り組みだが、1年後には生産管理の制御システムなども構築される予定で、農業などの知識がなくても参入できると期待感を示している。

プラントフォーム 山本祐二代表;
持続可能な社会・持続可能な農業と言われているなかで、それを体現する新しい技術が広まりつつある。
新しい農業の形をこれから作っていかなければいけないので、それを実現したい

資源を有効に活用し、環境への負荷を低減していくサステナブルな取り組みは、新たな雇用を生み出し、企業の持続可能性も高めることにつながるかもしれない。

(新潟総合テレビ)

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