消費増税対策の「キャッシュレス・ポイント還元」 10月1日にスタート出来る?セキュリティは万全?

カテゴリ:ビジネス

  • キャッシュレス決済事業者が10月1日を前に招集
  • セキュリティ対策の徹底をあらためて要請
  • レジの改修や情報の周知…直前に見えてくる課題も

“出来るだけ多くの店で、ポイント還元事業を”

9月6日。経済産業省に集まったのはクレジットカード、電子マネー、QRコード事業者など31社の幹部ら。
中には、アマゾンやヤフー、楽天などのECサイトや、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンなどコンビニ大手3社も揃っている。
これらの企業に共通するのは、キャッシュレス決済事業者であること。
10月1日からの消費税引き上げに伴い、新たに始まるキャッシュレス・ポイント還元事業の準備促進会合のために一堂に会したのである。

経済産業省 藤木俊光 商務・サービス審議官:
まさにこれからが最後の締めどころ。トップレベルから各社一丸となって事業に取り組んでいただきたい。10月1日を迎えるにあたって、我々は万全に万全を期して、すべて準備をして臨みたく、ぜひいいスタートにしていきたいと思います。

経産省 藤木審議官

ここに集まったキャッシュレス決済事業者は、ポイント還元事業に参加する店舗の登録や管理をする立場でもある。
経産省からは改めて、「積極的な加盟店募集、迅速な加盟店登録申請」が要請された。要は「ポイント還元できる店を、出来るだけ多く、10月1日に間に合うように集めよ」ということである。
その一方、大量の登録申請がキャッシュレス決済事業者に集まってしまい、「決済事業者に連絡しても受け付けてもらえない」という加盟店側からの声も挙がっているという。

じわじわと伸びる登録申請数

経産省は、9月6日までに登録申請した店舗は、書類に不備がなければ、10月1日までにポイント還元事業をスタートできるとしている。9月5日時点での登録申請数は、全国で57万7,885店。
全国約200万ある中小企業の店舗全体の、ようやく3割を超えたところだとも言える(そのうち、審査を通過したのは約28万店)が、現在も1日1万件ほどの申請があり、経産省は「想定からみると順調な滑り出し」としている。

「7pay」は3ヶ月で廃止に…求められるセキュリティ対策の徹底

会合では、9月の第二週までに各決済事業者で、ポイント還元のシステム開通を完了させ、さらに決済事業者と経産省の事務局間で全体の開通を行うとしている。
経産省によると、すでにこのシステム運用のテストは始まっていて、進捗も順調であるという。

とはいえ、やはり懸念されるのは、個人情報の流出などのセキュリティ問題。
狙う側も高度になっている」。
会合の中で、経産省担当者は警鐘を鳴らした。

経産省は先手を打つべく、関連企業と発足した協議会で、4月には不正利用対策のガイドラインを示していた。さらに、ポイント還元の登録事業者には、セキュリティ対策について第三者による評価を受けるよう呼びかけている。
そんな中で起こってしまったのが、セブン&アイ・ホールディングスの決済アプリ「7pay」で相次いだ不正アクセスだ。セキュリティ対策が不十分だったとして、7月1日のスタートからわずか3か月で終了することとなった。

店舗や消費者は、準備OKと言えるのか

牛丼チェーン大手の吉野家は、当初 ポイント還元事業に参加する意向を見せていたが、9月に入り参加を取りやめた。
理由は、政府のガイドラインに従った店舗のレジの改修などが間に合わないこと。また、同時に導入される軽減税率によって店内とテイクアウトで値段(税率)が変わり、混乱する恐れがあるからとしている。

消費者へのわかりやすい情報提供も急務だ。
ポイント還元率、決済方法、還元の上限等々…実は、いずれも各社による判断で、サービス内容はそれぞれ異なる。
さらに、軽減税率も導入される。
率直に言って、消費者にとって非常にわかりづらい状況になっている。
そこで、各キャッシュレス決済事業者は、9月9日までにサービス内容をくわしく記載した特設のウェブサイトを開設した。
加えて、経産省から発送されるポスターを早く貼るなど、加盟店にも視覚的にわかりやすく工夫するよう求めている。

ポイント還元ポスターを掲げる世耕経産相 [当時](2019年8月28日)

課題がある中、その日は迫る!…決済事業者の準備は万全?

参加するキャッシュレス決済事業者は10月1日に向けて、どう対応しているのか。QRコード決済の大手3社に話を聞いた。

Paypay(担当者):
店舗からの問い合わせは多く、またポイント還元事業に登録申請していない店にも営業マンが対面でフォローする体制をとっている。ポイント還元上乗せ(9月6日発表「まちかどペイペイ」)など、独自のサービスを打ち出して知ってもらい、少しでも多くの加盟店、消費者に利用してもらえるようにしていく。
セキュリティに関しては8月末に、ユーザーおよび加盟店の保証制度を公表し、体制はしっかり整えている。

会合に参加するPaypay中山一郎社長(前列左から3人目)

LINE Pay(担当者):
ポイント還元のシステム疎通はすでに完了。セキュリティ対策では、当社では不正利用発生時の利用者保障も提供するなど、何かあったときの対策も講じている。

メルペイ(担当者):
現状課題はなく、システム疎通もスケジュール通り完了している。セキュリティ対策に関しては、事務局の指示に従い適切に対応していく。

10月1日まで、残りわずか。
経産省でも、決済事業者でも、準備が急ピッチで進められている。

(フジテレビ報道局 経済部記者 井出光)

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