台風の爪痕残る千葉に深刻な“復旧格差”が…

台風15号の影響による大規模停電から5日。
懸命の復旧作業が続けられる中、「停電地域が正確に把握されていないのでは」という声が、いまだ停電の続く地域の住民から上がっている。

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9月13日午後4時の時点で、約18万7000軒でいまだ停電が続く千葉県。
懸命の復旧作業によって電気が戻る地域が増えつつある中、菅原経産相は「一部の地域では停電が1週間以上続く」という見通しを示した。

いすみ市では13日朝までに多くの地域で電力が復旧したが、市の内陸部にある山田地区では約300軒が停電したままとなっていた。

しかし、東京電力の公式サイトを見てみると、停電地域に山田地区の記載はない(13日午前11時49分現在)。
住民によると、12日の夜には山田地区の区民センターの手前100mあたりまでは電気が復旧していたものの、その先の地域に関する情報は入ってこないという。

東京電力の公式Twitterアカウントの投稿によると、13日朝の段階で「山田地区の電力はまもなく復旧の見込み」と発表されていたものの、その情報は住民に届いておらず、13日午後4時時点でも電気は復旧していないという。

また、市原市のある住宅では、向かいの家はかなり前から電気が戻っているものの、自宅はいまだ停電中という状況にあり、なぜ自宅にだけ電気が戻らないのか、疑問の声も挙がっていた。

13日会見した千葉県の森田健作知事は「各自治体もこんなに大きな台風と予想していなかったのでは。その中で県と各自治体の意思疎通がうまくできなかったところがあったのではないか」と語っている。

また、千葉県の危機管理課は取材に対し「停電情報については東電頼りになっている。(東電の公式サイトに)記載のない地区でも停電している、という声も出ているが把握しきれていない」と回答。
今後に向けては「各自治体でも自治会などと助け合い情報共有をしていきたい」としている。

ボランティアの募集も開始…注意点は?

地域による“復旧格差”がある中、迎える3連休。
いまだ全面復旧の見通しが立っていない状況の中、自治体がボランティアの募集を発表している。

ボランティアの募集を発表しているのは、以下の地域。

【受け付け中】
・香取市
・鴨川市鋸南町
・館山市

【14日(土)から受け付け開始】

・南房総市
・八街市

【17日(火)から受け付け開始】
・富津市

ボランティアは「自治体県内」「市内在住の人」など限定して募集している場合があるため、現地に向かう前に必ず、各自治体の公式サイトで募集要項を確認してほしい。

また、東京ボランティア市民活動センターに聞いた、ボランティアに向かう際に気を付けたいことは以下の4点。

装備を整える
活動しやすい服装を心がけ、長袖長ズボン・ヘルメット・ゴーグル・マスク・軍手やゴム手袋・安全靴などを用意する。

衣・食・住を自身で確保する
食事や泊まるところを確保してから向かう。

マイカーの乗り入れは禁止
交通渋滞の発生が予想されるため、マイカーの使用は望ましくない。また、地元のガソリンスタンドを使うことで地元の人にガソリンが行き渡らなくなってしまう可能性がある。

【住民の気持ちを考えて行動する】
被害の様子をSNSにアップするなどの行動は禁止。



福原直英アナウンサー:
とにかく猛烈な風が吹いて雨も降りました。飛んでしまった、落ちてしまったトタン屋根や屋根瓦の片付けや、どこからともなく飛んできた物、あるいはどこかへ飛んでいってしまった物の捜索もボランティアに委ねられるかもしれません。

そして、なんといっても停電ですから、使い物にならなくなってしまった冷蔵庫の中の物の片付けなどもボランティアの仕事に入ってくるかもしれませんね。

木村拓也キャスター:
この3連休で自分が何かしたい、一番に行きたい。こういった方って多いと思うんですよね。

週刊東洋経済編集長・山田俊浩氏:
「地元で水ぐらいは買ってもいいのかな」と思っちゃう人も多いようなんですけど、水が今一番重要なので(自分で)水なども持っていく必要もあって…この週末は天気も気になるので、無理をせずやらないと、またそこで熱中症になったり色々な事故も起きかねないので、まずは最低限の片付けといったところの手伝いでしょうね。

(「Live News it!」9月13日放送分より)