ホームの入所者"熱中症”も

千葉全域では9月11日現在も大規模停電が続いている。全面復旧の見通しは立たず、生活への影響は更に深刻化している。

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市原市の老人ホームでは、熱中症とみられる症状で倒れた高齢者が救急搬送された。別の高齢者施設でも長引く停電は入所者の命を脅かしていると高齢者施設職員は話す。

高齢者施設 施設長高橋和代氏:
携帯電話の通じるところまで出向いて救急車を呼んだりという状況になっています。これ以上長く続くと、命のかかわるようなことになってしまいますので、一日でも早くどうにかして欲しいと思います。

懸命の作業も通信障害続く

館山市では100メートルほどの間にある5本以上の電柱が倒れるなどする被害に遭った。埼玉県から駆け付けた応援の作業員たちによる必死の復旧作業で電柱は本来の姿に戻った。

千葉県内では徐々に電気が戻り始めている一方で、東京電力によると午後4時現在で約43万軒で停電は続いており、9月11日中の全面復旧の見通しは立っていない状況だ。

今回の停電では携帯電話の基地局そのものの電力が確保できず、広い範囲で携帯がつながりにくい状態となっている。市役所などでは電気が復旧するまでの対策がとられているがつながるのは周辺のエリアに限られているとみられている。

懸命の作業も断水広がる

停電発生から3日目。停電に伴い、現在も各所で広がり続けているのが断水だ。

南房総市・石井裕市長:
断水地域も広がってきていて水不足も非常に心配な状況です。長引き停電に対してとても不安に感じている。

南房総市では徐々に断水が広がっており、丸山公民館では給水車が配置されている。 ダムの発電機がダウンし浄水場が使えない状態となっている。

9月11日の朝までは水道が使えた地域にも断水が広がっているという。こうした地域では給水車などが対応しているが、断水地域は今後、更に拡大する可能性があるという。
君津市でも、浄水場からの水をためる配水池の一部で水がなくなり、新たに水を供給するポンプも停電で動かないことから山間部のほとんどの地域で断水しているという。

市原市の住宅では9月11日から井戸の水をくみ上げて利用していた。

自宅が停電中の菊池さん(70代):
発電機を借りてお風呂場だけお水を入れてもらって、そのお水でトイレの中を流した。

市民生活に多大な影響を及ぼしている停電は人々に負担として重くのしかかっている。

国際政治学者・三浦瑠麗氏:
毎年、異常気象と言っているが、もはや異常気象ではなく気候の変動でこういう本当に甚大な災害が毎年のようにどこかを直撃する国になってきた。しかるべき対応策というのを3・11の経験を糧に態勢を築いていく必要がある。

(「Live News it!」9月11日放送分より)