無数の視線を感じる…

道を歩いていて、どこからか視線を感じたという経験をした人は、少なからずいるのではないだろうか。

岩手県にある盛岡市動物公園で、ある動物の視線を無数に感じるという光景が撮影されたのでご覧頂こう。



「アナグマの前を飼育係が通ると・・・・・・。視線が痛い・・・・・。
ちゃんとご飯をあげているのに・・・・。圧がすごい・・・・・・。この様子は午後3時頃をめどに頻発するようです(ご飯は4時半過ぎ)。」

と盛岡市動物公園が投稿。9頭のアナグマがフェンスに登りこちらをじっと見ているという奇妙な光景だ。全て同じ方向を見ていて、物凄い圧力を感じる。

午後3時頃になるとこのような光景がよく見られるということで、 投稿内容からすると、午後4時半過ぎのエサの時間を待てず、「早くご飯をよこせ」と言わんばかりにこちらをじっと見つめているのだろうか。

「無視して通り過ぎることが出来ない気がする」や「1時間半を待てないアナグマさん達。ごはんまだ?」などのコメントが寄せられ、14万超のいいねが付き、動画は245万回以上再生されている。(9月10日時点)

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岩手県の盛岡市動物公園は、約100種類・800の動物たちを飼育していて、今年のGWのじゃんけん大会のユニークな賞品も話題となった。
(関連記事:ライオンが遊んだ石にラクダの毛…盛岡市動物公園のGW“じゃんけん大会”の賞品がそそる!

では、今回投稿された何かを訴えかけるように集団でこちらをじっと見つめるアナグマの行動は、本当にエサが欲しいという意味なのか。アナグマの生態を盛岡市動物公園に聞いた。

エサを持ってくる飼育係を探している

ーーアナグマがこちらをじっと見ているのはエサが欲しいから?

餌を持ってくる飼育係を探しているからです。

ーーエサの時間は午後4時半過ぎとあるが、なぜ午後3時頃に頻発するのか?

3時頃から飼育係が乗るバイクが目の前を通る回数が増加し始めるため、徐々に登り始めます。

ーー3時頃からエサの時間までずっとフェンスに登りこちらを見ている?

登り始める時間は日によって多少ずれがあり、何度も登り降りを繰り返します。

ーーなぜ集団で見るのか?

登る個体を真似して全個体が覚えたのではないかと思います。

ーーこちらをじっと見る行動はいつからなのか?

9頭登るようになったのは、1、2年前からで、オスは5年ほど前から登っていました。

「来園者と飼育係の見分けはついてるかと」

ーーフェンスにはよく登る?

夜行性の動物なので、日中は寝ていることも多くあまり登らないです。

ーーフェンスに登りじっと見つめる行動は来園者にもする?

来園者に数頭がやることはありますが、全頭が登るのは飼育係に対してのようです。

ーー飼育係と来園者を見分けている?

明確ではありませんが、来園者と飼育係の見分けはついているかと思います。来園者をじっとみている最中にバイクの音や飼育係の姿があればそちらに目を向ける可能性が高いです。

ーーエサは何を食べる?

鶏肉とリンゴを食べます。

ーーたくさん食べる?

完食します。

ーーアナグマの生態は?

夜行性の動物なので、日中は巣穴に居ることが多いです。また、穴を掘る習性があり、大きな巣穴を作ります。

ちゃんと飼育係を見分けて探していたということで、アナグマのエサに対する執念を感じられる光景だった。ここまでされると、ちょっと早くエサをあげちゃおうかなと飼育係が根負けしてしまいそうな圧のかけ方だ。

アナグマは夜行性で日中はあまりフェンスには登らないそうなので、この光景を見てみたいと思ったら、午後3時過ぎから閉園の午後4時半までの間を狙って行ってみてはどうか。

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プライムオンライン編集部
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