特殊なグラスをかけた集団やVRゴーグル女子…

ワールドカップ出場で期待が高まるバスケ日本代表。
さいたまスーパーアリーナで行われていたバスケ男子の日本代表戦で、大観衆が集まる試合会場の一角にいたのは…

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特殊なグラスをかけた集団やVRゴーグル女子。
実はこの日、スポーツ観戦の新たな形が試されていた。

タブレット片手に「自由視点映像」で試合観戦

ソフトバンクが、2020年3月ごろからスタートさせる次世代通信技術「5G」を活用した取り組み。
タブレットを片手に試合を見る観客の指先を見てみると、試合のアングルをくるくると回している。

これは、「自由視点映像」と呼ばれる技術。
コートをぐるっと囲むように設置された30台のカメラによって実現している。
5Gの高速通信によって映像を合成、処理することで、リアルタイムに自分の好きな視点から試合を見ることが可能になった。

コートを囲むように設置された30台のカメラ
コートを囲むように設置された30台のカメラ

コート付近からの目線を楽しめる「ARグラス」

一方、ちょっと怪しげなこの「ARグラス」と呼ばれる眼鏡をかけて試合を見ると、ゴール下からの映像を見ることができて、選手が自分に向かって走ってくる。
「ARグラス」は、席からの眺めとともに、迫力あるゴールに近い映像が投影されるため、例えば、遠い席でもコート付近からの目線を楽しめる。

「ARグラス」
「ARグラス」

選手の動きがわかるVRと選手追尾映像

そして、ファンを驚かせていたのが、「VRを使った観戦」。

5Gを体験したファン:
臨場感が違う。試合への没入感や入り込み方が全然違う。 すごく新鮮で、初めての体験だったので、『こんな感じで選手は動くんだ』というのがわかって、すごく楽しかった。

VRを使った観戦
VRを使った観戦

さらに、「選手追尾映像(運用予定)」。
試合全体の映像を切り替えると、八村塁選手だけを追った映像を見ることができる。

選手追尾映像
選手追尾映像

遠隔地でも臨場感ある試合観戦が可能に

今回は試合会場でのお披露目だったが、5G技術を使うことで、これらの観戦スタイルが遠隔地でもリアルタイムで体験できるようになる。

ソフトバンクモバイルネットワーク本部長・野田真氏:
今までも、スマホでSNSで体感を共有するのは、だいぶ普及してきたと思うんですけど、体感のディープさが増していくかなと。こんな臨場感のある、この見方すごいよみたいなことを、遠くにいるご家族や友達と、今まではできなかった遠隔地からこの試合見に行く、それを臨場感のある形で見られる、ということができると思います。

ソフトバンクモバイルネットワーク本部長・野田真氏
ソフトバンクモバイルネットワーク本部長・野田真氏

三田友梨佳キャスター :
5Gによってスポーツ観戦の楽しみがますます進化していきそうですね。

ボストンコンサルティンググループ マネージング・ディレクター・森田章氏:
そうですね。5Gが起爆剤となってスポーツコンテンツの価値が飛躍的に高まると思います。
個人的にはアマゾンに注目していて、すでにイギリス国内でサッカーリーグのストリーミング放送の契約をしています。
これが新たな顧客層を会員化するきっかけにもなりますし、そのターゲットに合わせた動画広告を狙っています。これも5G時代が到来することを見据えての動きではないかと思います。

森田章氏
森田章氏

三田友梨佳キャスター :
スポーツビジネスが転換点を迎えたようですね。

森田章氏:
5Gでこれまでにない視点で観戦できる新しい体験はファンを満足させることができますし、そういった背景があってIT系企業もプロスポーツの運営に参画していくことによって顧客を囲い込もうとしています。

三田友梨佳キャスター :
企業にとってもメリットは大きいですが、アスリートにとっても実際のトレーニングや様々なフィールドでVR技術は活かされています。今後最先端技術は様々なビジネスシーンで活用されることは間違いなさそうです。

(「Live News α」9月4 日放送分)