文大統領の側近が釈明会見

韓国の文在寅政権を揺るがす疑惑に大きな動きがあった。文大統領の側近で次期法相に指名されたチョ・グク氏本人が数々の疑惑について釈明記者会見を行った。

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チョ・グク氏は会見の冒頭で韓国国民に謝罪するとともに、検察改革など必ずしなければならない天命があると述べ法相就任を認めるよう国民に訴えた。

チョ・グク氏:
国民の皆さん、申し訳ありません。身に余る期待をいただいたのに、大きな失望を抱かせてしまった。
私が何より大きく感じたことは、今の騒動がほかでもない、私の言葉と行動から生じたことに対する後悔です。

更に、娘が高校時代に高度な医学論文の第一著者になり名門大学に不正入学したとの疑惑については…

チョ・グク氏:
今見れば、高校生が第一著者になったことをいぶかしいと私も考える。

チョ・グク氏には他にも、息子の兵役逃れ疑惑や私設ファンドへの家族の投資をめぐる疑惑も出ている。

疑惑続出も…釈明会見で否定

加藤綾子キャスター:
釈明会見を行ったチョ・グク氏だが、今後の展開によっては文在寅政権存続の危機にもつながりかねない。
もともとは文大統領の側近で次期法相として期待されていたチョ・グク氏だが、現在では一転して「タマネギをむくように次々と疑惑が明るみに出る」ことから、韓国メディアから“タマネギ男”と呼ばれる事態になっている。

加藤キャスター:
その疑惑は4つある。娘の大学不正入学、娘の奨学金不正受け取り、わいろを受け取った弟による教師不正採用、家族ぐるみの
不透明な投資ファンド運営。韓国国内では、先月の「GSOMIA破棄」はこうしたスキャンダルを隠すためのものだったと言われている。

フジテレビ国際取材部長・鴨下ひろみ:
疑惑に対して国民に判断を求めると会見したチョ・グク氏だが、最も韓国世論の怒りを買っている娘の大学不正入学疑惑については「不正入学ではない」と否定をしている。ただ当時、大学入試制度の中に「インターンシップ制度」があって、娘が、それを利用して大学に入ったことは事実で、それを利用できなかった人たちから見ると不平等だという指摘が出ているので、それについては申し訳ないと謝罪をしている。

奨学金不正受け取り疑惑については、娘が奨学金を申請したかどうかを含めて「全く知らなかった」としている。ソウル大学と釜山大学の大学院2つで受給しているが、ソウル大学の方に関しては「誰も申請もしていないし、自分が大学の方に連絡をしたこともない」として否定をしている。連絡も申請もしていないのに、なぜ奨学金が支払われたのかについては、はっきりとした説明はしていない。

今まさに集中砲火を浴びている不透明な投資ファンドについても、運営や構成については「投資ファンドを募集した会社の方から知らされていなかった」「自分は投資についてはよく知りません」と否定をしている。全部の疑惑が検察の捜査によって明らかになるでしょうと述べている。

文政権は法相使命を強行するのか?

文大統領はこれだけ疑惑が出ている中で法相任命を強行するのかに関しては、「強行するんじゃないか」という見方が強まっている。文大統領は外遊中だが、9月6日には帰国するので、早ければ週明けにも強行する可能性が出ている。世論の出方を見守ったうえで最終判断すると思う。
政権へのダメージは避けられないが、「支持勢力を結集することで乗り切れるんではないか」とみている節がある。ただ、若者層の支持が急落しているので、その点のダメージは避けられないのではないかと見られている。今回の会見に韓国国民がどのような反応をするのかも注目している。

(Live News it! 9月2日放送分)