4歳女児が暴行翌日に死亡…警察からの“保護要請”はなぜ児相に届かなかった?

カテゴリ:国内

  • 4歳女児が母親の交際相手から暴行受けた翌日に死亡
  • 過去に「虐待疑い」で警察から保護通告も…
  • 児相は「虐待ではなくネグレクト案件であり、対応は適切だった」と説明

体に複数の傷…死亡女児に暴行の痕

4歳の女の子が母親の交際相手から暴行を受けた翌日、風呂場で溺死した事件。
痛ましい事件が起きるまでには、いくつもの異変が見逃されていた。

8月31日、暴行の容疑で逮捕された、鹿児島県出水市の建設作業員・日渡駿容疑者(21)。
日渡容疑者は8月27日の夜、同居している交際相手の長女・大塚璃愛來(りあら)ちゃん(4)の頭を殴った疑いが持たれている。

璃愛來ちゃんは暴行の翌日、「風呂で溺れた」として日渡容疑者が病院に運んだ後に死亡。死因は溺死とみられているが、頭や体に複数の傷があったことから病院が警察に通報したという。

「保護必要」との通告も、児相は動かず

2019年7月まで、母親と鹿児島県の薩摩川内市で生活していた璃愛來ちゃん。
同年3月には児童相談所に「虐待されているような動画がある」との通報があり、市の職員らが訪問していたものの、璃愛來ちゃんの体の状況などから異常は確認できなかったという。

しかし、その後も璃愛來ちゃんが夜遅くにひとりで自宅の外にいたことから、警察が4回にわたって保護。
警察は児童相談所に対し一時保護の必要性を通告したものの「親子に愛着が見られ、虐待の事実は見られなかった」として保護には至らなかったという。

今年7月からは出水市に引っ越し、母親と日渡容疑者との3人で暮らしていた璃愛來ちゃん。
璃愛來ちゃんをめぐる通告などの経緯は出水市にも伝えられ、暴行前日の8月26日には出水市の職員らが部屋を訪れ、璃愛來ちゃん親子と面談している。

その際、璃愛來ちゃんは「母親の後ろからのぞきこむような様子」だったというが、母親は「楽しく過ごしている」と発言。
また、この面談の場に日渡容疑者はおらず、市では日渡容疑者と同居していることは把握していなかったという。

児相は「虐待ではなくネグレクト案件」と認識?

警察から一時保護の必要性を通告されていたにもかかわらず、保護に踏み切らなかった児童相談所。

そもそも、児童相談所とはどのような機関なのだろうか。

児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される、18歳未満の子どもに関する相談を受け付ける専門の機関のこと。管轄は厚生労働省であり、全国に215か所が設置されている(2019年4月現在)。

受け付けている相談内容は、いじめ・非行・育成・障害・養護などについて。
このうち、児童虐待は「養護相談」にあたり、虐待の予防・早期発見・保護・自立支援など多岐にわたる対応を行っているが、これらは判断を誤ると児童の死亡などの重大な事態に繋がるということもあり、迅速な対応・的確な判断が必要とされている。

2019年3月から4月にかけて計5回、虐待をうかがわせる通報があり、警察からも一時保護の必要性を通告されていた璃愛來ちゃん。
これに対して、一時保護の措置を取らなかった児童相談所は「この件は虐待ではなく、ネグレクト(育児放棄)の案件である」と認定。鹿児島中央児童相談所の佐多士郎所長らは「あくまでも今回は“ネグレクト案件”として動いていたので、その対応は適切だったと考える」と述べている。

しかし、この対応について、児童相談所に児童心理司として19年間勤務していた山脇由貴子氏は「ネグレクトだから保護しないというのは間違い。ネグレクトは虐待そのものなのですぐ保護すべきだった。専門性が低いと言わざるを得ない」と指摘している。

フジテレビ・風間晋解説委員:
(児相は)できるだけ関わらないようにしている、としか思えないですね。やはり、役所仕事を超えないと子どもは救えないんじゃないかなと思うんですよ。子どもたちはコミュニケーション能力って限りがあるじゃないですか。だから児相には一歩踏み込んで対応する使命感、そして行動力、それが不可欠じゃないかなと思いますね。

加藤綾子キャスター:
今回の件だと、4歳の女の子が夜10時に外に出ていたということ自体、保護しなきゃいけない案件だと思いますけどね。

フジテレビ・風間晋解説委員:
おかしいって思って、そこから行動する力が必要ですよね。

暴行と璃愛來ちゃんの死に関連はあるのだろうか。
現在、警察が詳しく調べている。

(「Live News it!」9月2日放送分より)

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