謝罪するも疑惑を否定

「大臣の資格なんてない。チョ・グク候補、辞退しろ!」などと怒りの声をあげる約5万人もの韓国国民。その理由は韓国・文在寅大統領の側近中の側近、次期法相候補のチョ・グク氏に向けられた不正疑惑だ。

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次から次へと疑惑が出てくることからついた呼び名は“たまねぎ男”。9月2日に開かれた緊急の釈明会見では「私に対する期待が高かっただけに失望も大きかったと思う。甘んじて非難を受ける」と国民に謝罪はしたものの、「私や家族の誰からも大学に連絡したことはない」などと数々の疑惑を否定した。

文在寅政権の支持率は急落し2週連続で不支持が上回る中、文大統領が取るであろう一手とはどのようなものだろうか?

専門家はこう指摘する。

共同通信編集委員・磐村和哉氏:
「後継者として事実上指名しようという思惑がある。

チョ氏が取り沙汰されている疑惑は主なもので3つ。「娘の大学への不正入学」「娘の奨学金の不正受け取り」「家族ぐるみでの不透明な投資ファンドの運営」。中でも最も反感を買っているのが「娘の大学への不正入学」だ。

日本に住む韓国人女性:
娘さんが大学に不正でいくのが一番ムカつく。

日本に住む韓国人女性:
韓国では受験勉強を一生懸命やっている学生が多い中で、お父さんの権力で学校に入ったのががっかりする。

当時高校生だった娘が高度な医学論文の第一著者になり、名門大学に不正入学したとの疑惑。チョ氏は会見で「ソウル大学をはじめ色々な大学で私を批判しているのは承知している」としたものの、「論文に関しては自身は関与しておらず、大学入試でも論文は提出されなかった」と反論。さらに奨学金の不正受け取りについては「私や家族の誰からも大学に連絡したことはない。当時は詳しく知らなかった」と不正受け取りを否定した。

疑惑続出も法相任命「強行」か

チョ氏は文大統領と同じ釜山出身。2017年に文政権発足と同時に要職につき、最も信頼する人物として法相に指名された。文氏の公約でもある検察改革を担うとみられている。

しかし、“たまねぎ男”と呼ばれるまでに疑惑が噴出したことでチョ氏が法相に適切との回答はわずか18%という結果となった。それでも文氏はチョ氏を法相に強行任命すると専門家は指摘する。

共同通信編集委員・磐村和哉氏:
ここでひいてしまう(失脚させる)と、文大統領が疑惑自体を認めてしまうことになって、自分が朴槿恵前大統領をロウソク集会で追い詰めて退陣に追い込んだ、同じことが自分に再現されてしまう。そのため、法務大臣の地位を与えて後継者として事実上指名しようという思惑があると言われている。

一般人でいるよりも大臣にしたほうが検察の捜査が及びにくいとの見方もある。会見にかかった時間は約11時間に及んだ。韓国国民は納得したのだろうか。韓国国内では「8月のGSOMIA破棄はチョ氏の数々の疑惑を隠すためだったのではないか」という指摘も上がっている。

(「めざましテレビ」9月3日放送分より)