ハリウッド黄金期の1969年を舞台に、レオナルド・ディカプリオブラッド・ピット初共演した、クエンティン・タランティーノ監督の最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。

8月30日の公開を前に、タランティーノ監督を三田友梨佳キャスターが英語で直撃取材した。

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「観客と一緒に13~14回見たよ! 」

三田友梨佳キャスター:
映画、とても楽しく拝見しました。この映画は、監督が子どものころから思い続けてきた映画業界へのラブストーリーに思えたのですが、出来栄えはいかがですか?

タランティーノ監督:
ものすごく満足しているよ。アメリカでは公開から4~5週間たったけど、観客と一緒に13~14回見たよ。僕は、観客から反応をもらえるような映画を作りたいと思ってるからね

落ち目のテレビ俳優と彼に雇われたスタントマンの友情を描くこの作品。

実在の女優、シャロン・テートが、カルト集団「マンソン・ファミリー」に殺害された事件をからめ、ハリウッドの光と闇に迫っている

タランティーノ監督:
ハリウッドは、映画業界やエンターテインメント業界を表す言葉であると同時に、町の名前でもある。それら2つの話を映画に盛り込んだんだ。マンソンらも町の一員だった。町の一部だったんだ

タランティーノ監督の目に、今のハリウッドはどう映っているのか。

三田キャスター:
人種や差別を超えて、さまざまな人が主役に起用されるようになった一方、いまだに多様性が叫ばれ続けています

タランティーノ監督:
今までにないくらい、映画の中には多様性が表れるようになった。僕は僕の役割を果たせたと思っている。黒人の俳優を起用したり、黒人のキャラクターを(映画の中に)登場させたり、ほかの白人監督よりもそのことを強く推し進めてきたんだ

三田キャスター:
古き良き時代のハリウッドから、今後、継承したいことはどんなことですか?

タランティーノ監督:
あんまりわからないな...僕が続けてほしいと思うことはあるけど。最近、デジタルでの撮影が増加しているなと感じる。職人技が失われていると思う

映画もデジタル全盛の時代に、徹底的な“フィルム主義”を貫いているタランティーノ監督にこんな質問をぶつけてみた…

撮影現場では携帯電話禁止!

三田キャスター:
日本人は、働きすぎることが問題となっています。最高のパフォーマンスを引き出すために、働くうえで、どのような工夫をしていますか?

タランティーノ監督:
僕は、撮影現場への携帯電話の持ち込みを禁止させてるんだ。携帯に気をとられていないからこそ、互いに家族みたいに話をしている。みんなと同じ目標に向かっていく、それは意味のあることだと思う

タランティーノ監督はこれまで「10本撮ったら引退する」と公言しているが、今回の作品が9本目…引退の意思に、変わりはないのだろうか?

タランティーノ監督:
そうだね。今のところ、その方針に変更はないよ

三田キャスター:
でも、あなたの作品がもっと見たいです

最初に始めたときと同じ志のまま終わりたい

タランティーノ監督:
それはどうもありがとう。自分が完全に消えると思ってない。どこかで作品を書いているだろう。10本目の作品を作るころには、わたしのキャリアは30年になり、それは大変なキャリアになる。僕は映画に全てささげて製作している。ほかに何をしたら良いかわからず、映画を作り続ける監督もいるけれど、僕は最初に始めたときと同じ志のまま終わりたいと思っている

インタビューを終えてスタジオでは…

三田キャスター:
タランティーノ監督はとてもエネルギッシュで、次の作品については「キル・ビル3」の案も出ていると明るく話してくださる姿が印象的でした。人一倍映画を愛し、ハリウッドを愛しているタランティーノ監督。最近はデジタル撮影が増加している中、CGやスタジオを使わずに当時のハリウッドを描いているところに監督らしさを感じました

【動画ニュース】最新作公開!鬼才タランティーノ監督に三田友梨佳直撃…撮影秘話とハリウッドの変化(英語:日本語字幕付き)

(「Live News α」8月29日放送分)