コンセントに差すだけで、家電がインターネットに接続

28日、電機メーカーのパナソニックは、電源コードをコンセントに差すだけでネット接続できる技術を近い将来、家電に搭載すると発表した。
家電をインターネットに接続するにはこれまでWiFiなどの装置が必要だったが、開発中の家電ではコンセントに差すだけでつながるという。

「パナソニック」IoTPLCプロジェクトの荒巻道昌プロジェクト長は「家庭用の電線には電気が流れていますが、そこにインターネットのメールなどのデータが一緒に流れる技術です」と話す。

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こうした中、いま注目を浴びているのが家電などをネットにつないで遠隔操作を可能にするIoT(アイ・オー・ティー)。
IoTはインターネット・オブ・シングスの略でモノのインターネットという意味だ。

ITジャーナリスト三上洋氏:
すべてのモノがインターネットにつながる。これによって外から操作が可能になったり、外からその場所の状態・温度や映像などを知ることが出来るというものです。

IoTで留守でも安心!洗濯機、冷蔵庫などに搭載

では、IoTはどのような家電の機能に生かされているのだろうか。
東芝の最新IoT家電をチェックしてみると・・・

・外出先から操作が可能な洗濯機。帰宅したらすぐに洗濯物が干せる状態になっている。終了までの残り時間もスマホで確認できる。
・留守番中の子供が扉を閉め忘れた場合、親のスマホに通知が来る冷蔵庫。食材を解凍している経過時間が通知されるなどの機能も。

「東芝ライフスタイル」洗濯機商品企画部の秋田真吾グループ長は「家電というものはもともと、皆様の家事を少しでも手助けして家事を楽にこなしていきたいというもの。ネットワークと繋がる中でその家事を少しでも楽にし、生活を豊かにするというものです。」と話す。

生活設備機器などのメーカー「LIXIL」では、IoTを活用した宅配ポストを発売。
荷物が届くとポストが施錠され、次の荷物が届いても宅配業者とカメラを通して会話をしながら、スマートフォンで開錠が可能となり再配達の手間を省く効果があるという。

車の自動運転、介護現場、傘の管理・・・様々な場所で

家電以外でもIoTを活用したさまざまな取り組みが行われているという。

横浜市の相鉄バスと群馬大学は9月、日本で初めて大型バスの自動運転の実証実験を行う。
労働力不足の対策として期待されている。

また傘のシェアリングサービスの「アイカサ」では、約4000本の傘を設置施設ごとにモニタリングして少ない場所に補充を実施。
傘のポイ捨てを減らす効果も期待されている。

また、介護現場でもIoTの取り組みが。
コニカミノルタの事業会社が高齢者施設向けに開発したのは、入所者の異変をセンサーで感知し、介護士に知らせるシステムだ。
入所者の様子を画像で確認できる為、誤作動の場合、部屋まで駆けつける必要もなくなり、実証実験では業務効率が約30%向上したという。

では今後IoTの将来性について、ITジャーナリストの三上洋さんは「5Gの時代になると、より高速かつ遅れがないインターネットになります。そうするとIoTによって産業がより効率的になり、私たちのライフスタイルがより豊かになるのです」と話す。

便利な反面、セキュリティーに注意

生田竜聖アナウンサー:
ITジャーナリストの三上洋さんによりますと、IoTは便利な反面、全ての物がインターネットに接続される為、設定ミスやハッキングがあった場合に悪用される可能性があり、セキュリティーの問題も重要だということです。

(「めざましテレビ」8月30日放送分より)