1年間に20店舗がオープン

髪を切りたいけれどジムにも行きたい、カフェでコーヒーだって飲みたい…そんな忙しい人にぴったりの場所が増えている。

エントランスから向かって左側に広がる落ち着いた空間。

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東京・渋谷区にある「Whyte」は一見、普通のカフェに見えるが、右側の通路を進むと、ヘアカットをする女性の姿があった。

そう、ここはカフェと美容室を融合させたお店!
実は今、このように飲食店と関係のない業種をミックスさせたお店、いわゆる「ミクストラン」が注目を浴びている。

他にも、卓球やコインランドリー、自転車屋とカフェのミクストランも登場。

めざましテレビ「ココ調」が調べたところ、この1年でオープンしたミクストランは全国で20店舗。

驚きの組み合わせが続々と登場し、飲食界にニューウェーブを巻き起こすミクストランの魅力を探るべく、3つの店舗を調査した。

【その1】金庫も活用!スペインバル×銀行

最初に訪れたのは、山口県長門市。

シックな黒の外観で内装は落ち着いた雰囲気のお店は、地元の食材をふんだんに使ったスペインバル。

人気メニューは本格的な海鮮パエリアだ。

そんなバルの横には…

ココ調取材班:
みなさん楽しそうに食事をされていますが、こちらはガラっと雰囲気が変わって、機械と窓口があります。

何やら事務的な手続きを行っている窓口を見上げると、「山口銀行油谷支店」の文字があった。

この店舗は元々銀行として営業していたが、今年7月にリニューアルして銀行とスペインバルのミクストランに生まれ変わった。

山口銀行油谷支店 池田啓一支店長:
この地域は人口の減少が激しい地域で、地域の活性化に役立つようなリニューアルを進めておりまして。

町の人の減少やネットバンキングの普及により、銀行の来客数が激減。そこで、銀行窓口を減らして空いたスペースを貸し出したのだという。
しかし、なぜスペインバルなのか?

Dining Bar Zen 井上かみさん:
ここの立地がスペインのバスク地方にそっくりでございまして。

美食の街で有名なスペインのバスク地方と山口県長門市を比べてみると、どちらも海と山がある。こうした風景や立地が似ているとお店側が考えたことから、スペインバルに決まったそうだ。

また、元銀行ということで、スペインバル内には銀行の金庫も。みなさん、この中には現在、何があるかわかるだろうか?

三宅正治アナウンサー:
ワインセラーにしたんじゃない?

永島優美アナウンサー:
なるほど!当たったんじゃないですか?

正解は…ディナー限定の個室!(要予約)

スペインバル×銀行のミクストラン。利用するお客さんたの感想は?

男性A:
(町から)人が減っている中で、こういう新しいお店ができるのは、地元の人間としてはうれしいなと思います。

男性B:
大好きな(お店)。もう常連です。今までずっとコンビニで(お金を)おろしていたんですけれど、(店員さんの)顔を見るついでにここでおろしています。

バルができたことで、銀行も合わせて利用する方も増えたという。増加するミクストランについて、専門家に話を伺った。

経営コンサルタント・ムガマエ株式会社 代表取締役 岩﨑剛幸さん:
今は単一の業種だけだと集客が難しくなり始めているという現実がありまして。カフェやレストランはお客さんも興味を持ちやすいので、他の業種と組み合わせて集客がしやすくなるという利点があります。

【その2】作業風景を見学できる!洋服のお直し×アイス

続いては東京・渋谷区へ。裾上げなどの“洋服のお直し”を行うお店には、色とりどりの糸が並ぶ。そして、その横には色とりどりのアイスも!

今年7月にオープンした「Salon du redesign Closet原宿店」は、洋服のお直しとカフェのミクストラン。簡単なお直しだと約30分かかるため、待ち時間に利用してもらおうとカフェを作ったという。

この日、来店していた女性客は、結婚式の2次会用のドレスのお直しをオーダーした後にミカンのアイス(税込み400円)をご注文。

店員:
ミカンは美容効果もあるんです。

女性:
すごい!待っている間もただボーッとしているだけじゃないし、お直しに来て、話すだけだろうなって思ってたらアイスとか。すごくうれしいですね。

【その3】運動後にスイーツでひと息…ボルダリング×カフェ

最後は東京・江東区のオシャレなカフェ。

高級食パンブームの火付け役となった「銀座に志かわ」のトースト(ドリンクとのセットで税込み700円)や有名パティスリー「Ryoura」のスイーツ(ケーキとドリンクのセットで税込み800円)が人気のお店だ。

そのカフェの隣にあるのが…

藤井弘輝アナウンサー:
えっ!ボルダリング施設ですか!?

昨年10月にオープンした「VILLARS climbing 有明」は、来年の東京オリンピックで注目されるボルダリングも楽しめるカフェ。(平日1日料金は一般:税込み1300円、小学生以下:税込み900円)

さっそく藤井アナウンサーも体験!

藤井弘輝アナウンサー:
フッ…ウグッ!

クライミングホールドを掴んで力強く乗り上げたが、すぐに転倒してしまった。

しっかり運動した後は、ご褒美タイム。カフェスペースで甘いマカロンを堪能した藤井アナウンサーだった。

さらに、ここではプロジェクションマッピングを組み合わせたボルダリングも楽しむことができる。

VILLARS climbing 有明 工藤みなみ店長:
興味はあっても「ボルダリングを始めるハードルが高いな」という方が、 最初はカフェだけで入ってくださったり、始めやすい環境を作ってオープンしました。

このような思いから、ボルダリングもカフェも同じ会社が経営しているという。

また、経営コンサルタントでムガマエ株式会社代表取締役の岩﨑剛幸さんは、「忙しい現代の人にとって“時短ニーズ”はさらに高まっており、ミクストランのような時短ニーズにマッチした業態は、今後ますます増えていくのではないか」と予想する。

まだまだ盛り上がりを見せそうなミクストラン、あなたも体験してみてはいかが?

(「めざましテレビ」『ココ調』8月28日放送分より)

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