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東京・神谷町駅近くでお昼どきにできた長い行列…みなさんのお目当ては… アジア料理のフードトラックだ。
顧客:「もう20回以上。シンプルだから頼みやすい」
「量が少なめにできたりカスタマイズできる」
一番の人気メニューは 鶏肉たっぷりのカオマンガイに…マイルドな辛さと酸味のトムヤムごはんのふたつのせ。
味噌など日本の調味料を使って日本人の舌になじみやすい味に仕上げている。
いまや、ビジネスパーソンのランチには欠かせない存在となったフードトラック。その数、10年でほぼ倍増と、年々ふえ続けている。
このフードトラック事業にITの力で革命が起きている。

アジア料理を提供するぞうさん食堂。
多いときは1日250食を販売する人気店。

ぞうさん食堂  田中朝仁さん
「(店舗だと)売れる時はお客さんが入れないし、もどかしかった。 (フードトラックは)売れる場所に移動できる」

このフードトラックをサポートしているのがトランチというサービス。
一般的にフードトラック事業者は出店する場所との交渉や消防などへの届け出などが必要だが、トランチが代行してくれる。
さらに…

Mellow 森口拓也代表
「フードトラックは動く。動くから、いると思っていったら、いない。スケジュールもわからない。 フードトラックの運営でシステムがまだまだ活用されていない。そんな現状を変えたいと」

店側の希望や客層などを社内にいるデータサイエンティストが分析 。
AIを使ったシステムを活用し、登録されている600台のフードトラックと、160カ所の登録スペースをマッチング。
さらに、客側もアプリで「いつ、どんな店が来るか」を事前に知ることができ、多様なランチを楽しむことができるのだ。
トランチがフードトラックと客を効率的に結び付けている。

それだけではない。営業終了後…ご主人が見ていたのは…売り上げのグラフ。

ぞうさん食堂 田中朝仁さん
「きょうは平均よりちょっといいって感じですかね…」

トランチでは 店舗全体の販売数や売り上げの平均データを公表。
自分の店の売り上げがどのくらいの位置にあるのかを相対的に知ることができるので、成長につながっているという。

ぞうさん食堂 田中朝仁さん
「自分のお店の問題点を改善すべきなのか、場所にどう適合していないのか、数字を見ながら考えたりはしますね。お客さん離れているから、限定メニュー追加してみたり、限定メニューを出してみようかとか…」

トランチを利用するフードトラックの1店舗当たりの売上高を
1年間で4割も増加させるなど、ITを使った効率化でフードトラック事業の成長を後押しするこのサービス。

Mellow 森口拓也代表
「フードトラックはランチだけでも利益を出しうるモデル。空地を利用して利益が出せて、それがサービスとしても働いている人に貢献できる開業者の支援もっともっと強めていきたいですね」

番組コメンテターの松江英夫さん
「これは一言でいうと、フード・トラックのシェアリング・ビジネスという形ですね。需要と供給とスペース、これらの情報をITの力でつなげていく。これによって、ミスマッチングもなくなりますし、フード・ロスの解消にもつながるのではないかと思います。内田さんはフード・トラックを利用されること、あるんですか?」

内田嶺衣奈アナウンサー
「お台場にも来てくれるので、たまに利用しますが、温かいものが食べられますし、気楽に買ってデスクに持って帰って一人で食べることができるので、すごく便利だなと感じています…松江さん、一方、事業者側のメリットはどういう所にあるのでしょうか」
松江英夫さん
「事業者側も設備投資や人件費も店舗型ほどかからず、先行投資が少なくてすむ。固定的な費用がそれほどかからないので、事業のリスクが比較的少なく、(こういったサービスがあると、さらに)参入しやすくなるメリットがありますね」
内田嶺衣奈アナウンサー:
「なるほど、双方にとって、それぞれのメリットがあるということですね。ランチタイムのバリエーションが増えるという点では、働く者としては、うれしいですね」

(「Live News α」8月23日放送分)