コンビニ3社が「即値引き」を打ち出す

10月の消費税率引上げ。
今回コンビニエンスストア大手3社が打ち出したのが、キャッシュレス決済でポイント還元される2%分を、支払い時に即値引きする仕組み。
これが私たちの買い物にどうプラスになり、大手通販会社やドラックストア、スーパーなどとの価格競争にどう影響するのだろう。

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佐々木恭子キャスター:
まずはキャッシュレス決済をする際のポイント還元について、おさらいしたいと思います。
買い物をするときに、キャッシュレス…QRコード決済や電子マネー、クレジットカードなどで代金を支払うと後日、何%かがポイントとして還元されるものです。

佐々木キャスター;
スタートは、消費増税が始まる10月1日から来年の6月末までと期限はあるんですが、目的は大きく2つです。
消費の落ち込み防止ということ、そして、キャッシュレス決済を普及させたいという、大きな2つの目的があります。

これまで発表されていた従来の方針ですと、例えばコンビニエンスストアで税込み1000円の商品をキャッシュレスで購入する場合、決済情報がカード会社を通じ、後日、ポイントが2%還元されるといったものだったんですね。

しかし、これに対して今回、新たに打ち出した方針。
セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンが打ち出したんですがそれは、その場で即値引きされるというものです。

例えば、税込み1000円分の商品を購入する場合、2%分の20円が支払うその場で、そのまま値引きされる。980円の支払いで済むようになるんです。

佐々木キャスター:
つまり、後日2%のポイント還元ではなく、その場で安くなる実感ができるということですね。

加藤綾子キャスター:
こっちの方がよくないですか。

パトリック・ハーラン:
完全にこっちでしょう。
僕は面倒臭くて、ポイントカードを出さないくらいですけど、10円安いジュース買うためには道を渡って違う自販機に行きます。
そういうタイプの方は多いと思います。
でも、これだったら現金か、クレジットカードといわれたら絶対にそっちにしますね。

佐々木キャスター:
政府は、現在20%ほどのキャッシュレス決済比率を、2025年までに40%まで引き上げたいという目標を掲げているんですが、今回の新たな方針 利用者の拡大につながるのか。街で根強い現金派の人に声を聞いています。

20代男性:
本当は現金がいいんですけど、引けるところは出費を抑えたいので、Suica使うんじゃないかな。

20代女性:
カードにします、コンビニは。安い方がいいと思う。まだ学生なので、。

10代男性:
後ろの人に迷惑かもしれないけど、現金がいいです。

40代男性:
カード持つ気がないというか、そういうのは気にしない。現金で払うのが一番かな。Suicaにお金入れておくと使っちゃうから、あまり入れないようにしてる。

佐々木キャスター:
番組で50人の現金派の皆さんに聞いたら、即値引きされるならキャッシュレス決済を使いたくなったか、イエスが28人。そして世代を問わず絶対に現金だという人が22人。根強くいらっしゃいました。

スーパーや通販の動向は?

佐々木キャスター:
即値引き」の動きはほかの企業にも広がっていくのか、スーパーや大手通販など、各社の対応を取材しています。
まず、全国のスーパー4000店が加盟するCGCジャパンに聞いたところ、中小企業は還元率を5%にしますということなので、加盟店で独自の電子マネーを使って支払いをしたところ、代金の5%分をチャージ残高に即還元するということなんです。後日ではないです。即です。
大手ネット通販のアマゾンジャパンでも、対象の商品をキャッシュレス決済した場合、金額の5%を即還元。
やはり消費の落ち込みに対して、各社対応をとろうというところでしょうか。

佐々木キャスター:
この即時還元方式について今後、どうなるのかを経産省の担当者に聞きました。
「どこのドラッグストアなどが採用するかまだ分からない。コンビニ、アマゾン以外でも即時還元方式をとる社は出てくると思う」という話でした。

パトリック・ハーラン:
でも、増税にあたって即還元キャンペーンを始めたら、結局、ものが安くなる。ちょっと不思議な流れじゃないですか。
期間限定ですけど、消費者がどこまで把握できるのか、ちょっと難しい仕組みでもあるなと。

佐々木キャスター:
絶対根強い現金派の方のためにも、みんなが得をするような方策、キャッシュレス決済に導入しやすい道筋を期待したいですね。

(「Live News it!」8月21日放送分より)