「メールの文章に句読点を打ったら失礼」ってホント?もやもやマナー

スコぶる疑問のキャトウさん

カテゴリ:国内

「それって、ホント?」と言いたくなるマナー、多くありませんか?
新入社員のキャトウさんも、そんな“もやもやマナー”に悩まされるひとり。

Twitter上に投稿された、こんな“マナー”をご存じだろうか。
投稿内容を要約すると、上司から「メールの中に句読点を使うと、相手に対して『わざわざ読みやすい文章にしてやっているんだ』という“上から目線”になってしまうため失礼」ということを言われた、というもの。

この投稿には「すごく昔のマナーにはそういうのがあったらしいけど…」「句読点を使っていない文章の方が、読みにくくてマナー違反だと感じてしまうけど…」などの反応が。

確かに「読みやすい文章にする」というのはむしろ良いことのはず…本当に「句読点を使うと上から目線だからNG」というマナー違反になってしまうのだろうか。

そこで今回のテーマは…

さっそく、国内外の企業や大学などでのマナーコンサルティングや人材育成などのマナー指導を行っている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を聞いた。

西出氏:
失礼、ということにはなりません。

現代では、皆さん、句読点を打つことで教育をされてきていると思います。
メール以外の文章でも、句読点の有無がマナー違反になるとか、そういうことは「今は」言えません。今後、時代の流れで変わっていくことはあるかもしれませんが。

しかし、この問題については、現時点においては、以下のことを踏まえる必要があります。


(1)昔は、句読点はなかった。

(2)ではなぜ句読点を打つようになったかというと、句読点があるほうが、相手が読みやすいから。これは、相手に対する配慮で、一種のマナーといえる。
例えば、英文のカンマやピリオドも同様に、ベストセラーとなった『Eats Shoots & Leaves』 (LYNNE TRUSS著)においても、マナーとの関係性が記述されています。

(3)句読点は相手に対する配慮となる一方で、「句読点をつけないと読むことができない」という見方から「相手を見下している」「失礼」という考え方をする人もいる。

(4)とはいえ、現代では句読点を打つことが一般的となっており、それは「打っている方が読みやすい」という理由からのものでもあるので、句読点をつけることが失礼、とは断言できない。

ただ、これらの理由を知り、今後自分がどうするかは、ご自由です。
マナーというのは、相手もそれを知っていないと成立しませんから、相手様がこのことを知らなかったら反対に、句読点を打っていないと「失礼な手紙だわ」と思われることもあるかもしれませんね。
私個人的には、読点の代わりに半角スペースをあけるなどで状況に応じてつけないこともありますが、一般的に浸透している話でもありませんから、現時点においては、句読点をつけることが失礼とはいえないと思います。



話題となっている「句読点を打つのは、そうしないと読めないから…という“上から目線”になってしまう」ということ自体は、言い方として多少ニュアンスは異なるが、ひとつの見方として存在するのだという。

そもそも日本で句読点が使われ始めたのは、明治20~30年代だという。句読点のルールが初めて制定されたのは明治39年に文科省から示された『句読法案(句読点法案)』ということで、おそらくこのころから「今まで使っていなかった句読点を使って『読みやすくする』ということは、失礼なのでは?」という見方をする人は存在していたのだろう。

しかし、そもそも句読点自体が「相手が読みやすいように」という配慮から生まれたもの。
さらに、現代では「句読点を打つ」ということが一般的になっているため、「句読点を打つこと」と「上から目線!」ということは必ずしもイコールにならず、結論としては「句読点を使うことは、マナー違反ではない」とのことだ。

一方で、「上から目線」が理由ではないが、句読点を使うのがNGな場面もあることを知っておきたい。

西出氏:
冠婚葬祭など、 慶事や年賀状などでは打たないほうが良いといわれています。
これは句点・読点で文章を「区切る・終わらせる」ということが「縁を切る・終わらせる」という意味につながるためです。また、毛筆で書く賞状などは、慣習として現在でもつけないことが多いようです。

西出氏:
マナーの根底・大前提は「相手の立場に立つ」ことですので、「メールのときに句読点をうつのが失礼」など、一概に言える問題ではないと存じます。その相手がそう思うのかどうか、例えば相手が子供であれ大人であれ「句読点を打っている方が読みやすい」と思えば、そうして差し上げることがマナーとなります。
相手が読みやすいように句読点が誕生したのであれば、それを有効に使用すれば良いと思います。ただ、この意味を知った時からは、時と場合によって「つける・つけない」の使い分けをなさることは、素敵なことだと思います。


今回の“もやもやマナー”、句読点は使ってOK、ただし使い分ける場面も見極めよう。
読みやすすぎる文章は…再考の余地ありですね、キャトウさん。

(漫画:さいとうひさし)

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