8月13日、複数のスポーツ紙が、サッカーJ1リーグ湘南ベルマーレの曺貴裁(チョウ キジェ)監督(50)のパワハラ疑惑を報じた。
記事によると、少なくとも選手3人とスタッフ2人が退団しているといいう。
湘南ベルマーレのサポーターからは、「なんでいきなりそんなこと(疑惑)が出てきたのかなと」という声が聞かれた。パワハラ疑惑の真相と監督の人物像に迫る。
「『はい』しか言えないのか」暴言で精神的に追い込まれる選手も
湘南ベルマーレは現在、J1リーグで11位。
スポーツ紙が複数の関係者に取材したところ、曺監督による全体ミーティングでの個人攻撃は日常茶飯事で、選手やスタッフの前で扇風機を蹴飛ばしたり、床にペンを叩きつけることもあったという。
選手が「はい」としか答えられない時には、「『はい』しか言えないのか。他に言うことはないのか」と発言したという。
また、ある選手はグラウンドに出ると嘔吐を繰り返すようになり、精神的苦痛から体に不調を起こし、パフォーマンスが低下。別の選手は、ケガが完治していない状態のまま監督からの指令で復帰し、肉体的な疲労が精神を蝕み、クラブハウスに近づけなくなったという。
一方でスタッフへの暴言もあり、昨年2月から今年7月の間に少なくとも選手3人、スタッフ2人が退団したという。
記事の真偽についてクラブに確認したところ、湘南ベルマーレは「調査中のためコメントできない」と回答した。
「走る湘南」でチームを躍進させた監督…どんな人物?
2012年に当時、J2だった湘南ベルマーレの監督に就任した曺貴裁監督。サッカージャーナリストの六川亨氏は、その人物像について次のように話す。
サッカージャーナリスト 六川亨氏:
やっぱり熱い指導者ですよね。「走る湘南」と言われるように、よく走るスプリント回数も多い、攻守にハードワークする。監督としては、結果を残した監督と言えると思います。
3度に渡りチームをJ1に導き、昨年のルヴァンカップでは悲願の初優勝を果たした。
湘南ベルマーレのサポーターA:
本当に「熱い」という言葉が一番似合うんじゃないかと思います。
湘南ベルマーレのサポーターB:
「走るサッカー」をやってそれが定着しているから、ある程度J1でも定着していると僕らは思っているので。
しかし、8年間監督を務めたことによる影響もあると六川氏は指摘する。
サッカージャーナリスト 六川亨氏:
湘南はこれまでずっと曺貴裁監督の指導で躍進を遂げてきましたから、クラブにとってはアンタッチャブルな(触れられない)存在になっていた可能性も否定できません。
一方、クラブは8月13日にコメントを発表。
「今後、Jリーグと協議のうえで事実関係の調査を行ってまいります。曹監督はJリーグの調査が終了するまで、現場での指揮ならびに指導を控えることとします」
六川氏によると、「かつては許されていた厳しい指導も、現在ではパワハラと認定されるケースもある」という。
(「めざましテレビ」8月14日放送分より)