人口減少背景に最低賃金アップも…働き手も企業も“モヤモヤ”感【秋田発】

カテゴリ:国内

  • 秋田県内の最低賃金は16年連続でアップし、790円に
  • しかし県内の若者の本音は「もっと上げてほしい」
  • 企業側にとって賃金上昇は「苦しい」が、人材確保のためにはやむを得ない

目安を越えてアップするも…

秋田県の最低賃金は、時給での換算に統一された2002年以降16年連続で上がり続けている。
特にここ10年ほどは引き上げ幅が年々増加。

今回は28円引き上げ、最低賃金は790円とされる見込みだ。
経済状況などを勘案して、都道府県ごとの引き上げ額の目安を示す中央最低賃金審議会は、現在762円の秋田県の最低賃金について、26円、時給788円への引き上げが目安としていたものの今回の改定額はこれを2円上回っている。

引き上げ額を示した県の審議会が「引き上げの根拠」としたものの一つが、加速的に進む県内の人口減少だ。
県内の最低賃金は790円に改定されても、鹿児島などと並んで全国で最も低い見込みで、東京など大都市圏と比べると200円以上の開きがある。
過去最高となった28円の引き上げには、県内の働き手を確保し地域経済の縮小や若い世代の県外への流出に歯止めをかけようという狙いがあるが…

秋田テレビ 竹島知郁アナウンサー;
今回示された790円という数字。県民はどのように感じているのでしょうか?

若者からは、まだまだ最低賃金は「安い」との声が相次いだ。

若者A;
東京とかだと1000円とか普通だと思う。同じくらいになると良いと思う。

若者B;
正直この金額では秋田に残らない。他県は900円・800円。正直なことを言うと850円くらいが一番良いのでは。

若者C;
(この金額だと秋田に)残らないのではないか。大黒柱がこの賃金だと心もとない。学生ならばいいとは思うが。

若者D;
少し厳しい。せめて800円台まで上げてほしい。

賃上げにはなったものの、若者たちは首都圏などとの差をまだ実感している様子だ。

企業側は「苦しい」が「やむを得ない」

秋田テレビ 田中 英里;
働き手を求める企業側と仕事を求める労働者側のマッチングの場となるハローワーク。求人票には時給790円を下回るものも見受けられる。

仮に現在時給762円で1日に8時間、月に20日間働いている人の時給を790円に上げたとすると、企業側は1カ月におよそ4500円の人件費が追加となる。

企業の総務担当者;
最低賃金がここ5年くらいは毎年20円以上上がっているが、それくらいの比率で売上が上がっている訳ではないので、そういう点では利益が圧迫される形にはなっている。

県内で、ビルのメンテナンス業務などを担う企業。
従業員およそ460人のうち、300人余りが時間給で働くパート従業員だ。

企業の総務担当者;
原則としては、9割以上は同じ額を引き上げたいと考えている。

最低賃金の改定により、賃上げが必要になるのは主にパート従業員だが、企業としては一部の賃金を引き上げるだけ、という訳にはいかないという。

企業の総務担当者;
月給制にしている正社員の人たちの分も、それに見合う形で上げなればいけない。逆にパート従業員と同じかそれ以上に上げないと正社員のモチベーションが下がってしまうので、パート従業員も正社員も同じくらい引き上げている。

経営側としては、苦しい反面「やむを得ない」状況があるようだ。

企業の総務担当者;
最低賃金がいくら上がるからそれに合わせて上げよう」ではなく、むしろ人材を確保するために、最低賃金くらいの幅で上げていかないと人が集まりにくい時代。厳しいけれどやむを得ないのかなと。

(秋田テレビ)

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