“子どもの守り神”の参拝客が2日で5万人!

香川県三豊市三野町の小さな島にある津嶋神社。
400年以上の歴史があり、夏季例大祭の8月4日と5日の2日間だけ、約250メートルの橋を渡って参拝することが許される。子供の守り神として有名で、毎年 県の内外から約5万人が参拝する。

 
 
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参拝客;
子供が健康に1年間過ごせるようお願いしました。

子供連れの参拝客が多く、こんな光景も。

岡山放送 前川裕喜記者;
神社の手前にはたくさんのベビーカー。小さな子供と一緒に多くの人が参拝しています。

 
 

神社の最寄り駅が、JR津島ノ宮駅。1915年に開業し、例大祭に合わせて1年に2日しか営業しない。

 
 

普段は駅員はおらず、営業日は近隣の6つのJRの駅から、約50人が臨時の駅員として入る。
臨時の駅長になるのは2つ隣の多度津駅長で、2019年は6月に赴任したばかりの藤村悦哉さんが務める。

多度津駅 藤村悦哉駅長;
経験がないので、客がどういう動きをするか?どういう人が乗り降りするか?想像がつかないが、電車で来て、良かったと思ってもらえる対応をしたい。

 
 

そして、8 月4日。ホームに1年ぶりに列車が止まる。
実は、カーブの外側にホームが作られているので、車体は傾いた状態で停車することになる。そのため、約40センチもの段差ができ、子供やベビーカーの乗り降りに支障が出てしまう。そこで、駅員がドアの前に立ち、客が転落しないようサポートする。

 
 

乗客;
駅員さんが手伝ってくれるので、ベビーカーで来ても良かった。(対応は)最高です!

多度津駅 藤村悦哉駅長;
段差があって、ビックリしている人がほとんど。できるだけお手伝いしたい。

昼は猛暑!夜は花火客で混雑!

最高気温は35度を超え、小さな子供にとっては危険な暑さに。しかし、止まる列車は1時間に1本か2本。藤村さんは、列車を待つ子供を気遣う。

 
 

多度津駅 藤村悦哉駅長;(子どもをうちわであおぎながら)
暑いけど、ご機嫌さんだね。私にも1歳半位の孫がいますので。孫ができて、小さい子供にばかり目がいく。

暑さは子供だけでなく、お年寄りにも危険なものとなった。

熱中症の症状を訴える高齢者の家族;
熱中症で倒れそうなので、先に並ばせてほしい。

藤村さんと駅員は、氷やイスを用意してお年寄りを休ませることに。

 
 

多度津駅 藤村悦哉駅長;
どうしても急になるので、私たちも気を付けているが、申告してもらえたら対応もできる。他のお客さまも協力的でありがたい。

こうした丁寧な対応があるからこそ、毎年、例大祭が成功していると言っても過言ではない。

津嶋神社 藤田泰臣 宮司;
ここの駅があることで、参拝者が助かっている。駐車場が限られているので、JRで参拝するのが一番。

 
 

駅利用者は、おととし1万人を超えたが、去年は約6300人と激減。西日本豪雨で線路が被害を受け、駅より西の一部区間が運休していたからだ。

毎年来ている鉄道ファン;
去年はバスで来たが、大変だった。鉄道が走っていることのありがたみを改めて感じた。

現在は復旧しているが、藤村さんは去年の災害を心に刻みつけて、仕事をしている。

多度津駅 藤村悦哉駅長;
昨年は思いもよらぬ被害があり、いろいろな方に不便をかけたと反省している。今年は順調に列車が動いているので、楽しく過ごしてほしい。

夕日、午後6時過ぎ…。
午後8時からの花火大会を前に、客が一気に増える。藤村さんの、この日一番の正念場だ。

 
 

花火が終わると、帰宅する人でホームはいっぱいに。
炎天下で仕事をして、疲れがたまっているが、藤村さんは最後まで手を抜かない。
すると、列車に乗った子供たちが感謝の気持ちを込めて、手を振ってくれた。

多度津駅 藤村悦哉駅長;
たくさんのお客さまが利用し、大事な駅だと改めて感じた。お客様あっての我々の会社なので、何の違和感もなく、目的地に届けられる。そういうサービスを追求したいし、社員にも教育していきたい。

2日間で、7816人が利用した津島ノ宮駅。そこには、駅員と客のかけがえのないふれあいがあった…。

(岡山放送)

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