厳重な検品で業界有数の企業に

山陰中央テレビ 福村翔平記者:
連日暑い日が続きます。暑い夏にはやっぱりアイスクリーム。今回こちらのアイスクリーム…ではなくこの木のスプーン。
これを製造している会社にスポットを当てます。

島根県安来市広瀬町、街中から離れた山合いにある「ひろせプロダクト」。

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小さな会社ながらその製品は…誰もが一度は手に取ったものばかり。
アイスのスティックや竹製の焼き鳥串、さらにはおでん串など、その数150種類。中でもアメリカンドッグやフランクフルトの串は、国内シェアトップを誇っている。

ひろせプロダクト 鉄本学 社長:
全て自社で作った検査装置です。汚れやささくれ、形状不良、長さや幅など20項目を検査しています。

先代が同業他社から独立してから20年。従業員12人の小さな会社ながら、年商13億円と同業界では全国屈指の会社へと成長している。
その最大の持ち味は、厳重な検品だ。独自開発した検品装置で、一日400万本を確認している。

ひろせプロダクト 鉄本学 社長:
これからは値段ではなく、品質の勝負になる。
それを、実際に製造工程に落とし込んで品質を上げられたというのがストロングポイントになっていると思います。

プラスチックごみ問題から、「竹ストロー」を着想

さらにタイに現地法人を構え、フィリピンなど東南アジアに製品を流通させている。この海外展開をきっかけに、世界共通のある問題に着目した。
近年、世界的にプラスチックごみによる海洋汚染が問題視され、大手飲食チェーンではプラスチックストローを廃止する動きが広がっている。

ひろせプロダクト 鉄本学 社長:
フィリピンのマカティ市はプラスチック規制が厳しくて、代替品として紙のストローが使われていたが、ストローを竹で作ったらどうだろうということを聞いて、開発を進めてみようと思った。

コストなどの課題あるも、世界を視野に

、新たに使い捨ての竹ストローの開発に乗り出した。しかしどうやって竹をストローにするのか…。

ひろせプロダクト 鉄本学 社長:
竹のひごというのは真っすぐではないので、真っすぐに穴をあけるのが技術的に難しい。竹串のノウハウは必要です。

多くの試作品を作成し、ようやく形になった。
プラスチックストローは1本1円程度に対し、竹ストローは2円とコスト面などでまだ課題はあるが、これまで竹を扱ってきた技術、徹底した品質管理で生産体制を強化すれば、コストの壁を乗り越えられると自信をのぞかせている。

ひろせプロダクト 鉄本学 社長:
1年たってようやく製造開始できるところまできた。環境に優しい材質のものに、できれば変えていったほうが環境としては良くなりますし、少しでも協力できれば、力になれればと思っています。

すでに国内の大手飲食チェーンをはじめ、大手商社と組んで海外との商談を予定している。
今まで培ってきた技術と実績が、世界の環境問題改善の一助に。
環境対策の先駆者として、島根の安来市から世界への挑戦が始まっている。

(山陰中央テレビ)

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