寝苦しい夜には「うどん」がふさわしい?

時折涼しい風が吹きはじめたが、まだまだ暑い8月。
夜はついついエアコンをつけっぱなしで寝てしまう…という人も多いだろうが、寝苦しさの抜けない夜が続く中、“日本一予約が取れない”ヘッドスパ専門店「悟空のきもち」から、「睡眠用うどん」が8月20日に発売された。

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ほぼすべての人を10分で“寝落ち”させる独自の施術が人気で、現在48万人待ちと謳ういわば“眠りのプロ”が開発した商品ではあるが、いまいちピンとこない。
以前編集部では睡眠前に2種類のコーヒーを飲み分けることで安眠を促す「睡眠カフェ」をご紹介したが、この「睡眠用うどん」も「食べると眠くなる…」というような安眠効果がある新種のうどんなのだろうか。

さっそく公式サイトを見てみると…

うどんらしき物に包まれて眠る人の姿が!

実はこの「睡眠用うどん」、うどんのような細長いパーツが組み合わさってできているアイテムなのだ。

バラバラに取り外すことのできる「タテの麺」「ヨコの麺」で出来ていて、“麺”をぴったり閉じて一般的な四角い布団のように使うこともできるが、隙間から手足を出して抱き枕のように使うこともできる。

掛け布団ならぬ「かけうどんモード」は名前も気になる
掛け布団ならぬ「かけうどんモード」は名前も気になる

手足が布団を突き抜けているような寝姿はかなり怪しいが…公式サイトを見てみると、なんと「ただいま第5期生産分受付中、2019年12月上旬発送予定」の文字が。

大人気となっている「睡眠用うどん」だが、なぜこんな商品を作ったのか?そして、なぜ商品名が「うどん」なのか?
悟空のきもちにお話を伺ってみた。

「布団のすべてを否定するうどん」

――新しい布団の形として「うどん」に注目したきっかけは…

寝具メーカーから布団の開発依頼を却下したあとで、スタッフの子達でざるうどんを食べに行った時「このざるうどんに包まれて寝てみたい」と言ったスタッフの一言がきっかけです。
この商品は布団の新商品ではありません。布団の全てを否定するためにうどんの新商品という位置付けで考えたから生まれた商品です。


さっそく「新商品の布団について…」と質問をしたところ、「これはうどんの新商品です」という答えが飛び出した。
てっきり「新しい布団」の形を追求してアレコレ試した結果「うどん」にたどり着いたのだと思っていたが、実は「快眠ふとん」の開発依頼を受けた際、「睡眠に理想的なのは布団ではないのでは…」という結論が出たことが「睡眠用うどん」誕生のきっかけだという。
出発点がそもそも「うどん」であり、そのため「新しい布団」ではなく「新しいうどん」という位置づけになっているのだそうだ。

しかし、ただ単に「うどんに包まれたい」という一部のニーズにこたえただけでないのが、睡眠用うどんのポイント。
実は、人間が安眠し続けられる、理想的な熱コントロールができるのだという。

そのメカニズムがこうだ。
眠りにつく時、手足が温まると血流が増加し、手足から熱拡散が起こって体の深部体温が低下。これによって深い眠りが始まる。
しかし、ずっと手足が温かいままだと放熱が阻害され、結果的に体に熱がこもってしまい、眠りが浅くなってしまうのだそう。

つまり、入眠時には手足を温かく、眠った後は手足を少し冷やす、というのが深い睡眠に理想的な環境というわけだ。

じわじわ暑い夏の夜、寝ているうちに布団をはねのけてしまい、朝には何もかぶっていなかった…という経験は誰にでもあるだろう。
そんな時、布団は「かける」か「はぐ」しかできないが、「睡眠用うどん」は麺の隙間から手足を出したり、半分だけ隙間を閉じてみたり…と、微妙な調節ができるため、深い睡眠を保てるのだという。

――今まで「睡眠用うどん」が世に出てこなかった理由とは…

寝具メーカーに聞いた「布団が四角い理由」は、ただ「安くて作りやすい」からだそうです。最初に作った布団がたまたま四角かっただけで、おそらく1000年以上、四角い布団で人類は寝ていて誰も疑問に思わなかったからだと思います。きっとそれは布団の新商品として考えるからです。


――では、「睡眠用うどん」の一番の強みは?

安心感に包まれながら深い眠りにつけるところです。
深い眠りには脳や内臓などの深部体温を下げることが重要なのですが、寝ながら手足が自由に出せるので体温調節がしやすいことから深い眠りにつくことができます。寝方もとくに決まっていないのでその人なりの寝方を見つけることができます。

「睡眠用そば」ではダメだった?

深い眠りにつくためにメリットがたっぷりな「睡眠用うどん」。その構造が安眠サポートに優れていることはわかったが、本当に「うどん」がベストな選択だったのかについても聞いてみた。


――睡眠には「うどん」がベスト?「睡眠用そば」や「睡眠用そうめん」ではダメ?

最初のきっかけがうどんなので他の麺では考えていませんが、いろんな試作を重ねた結果、ある程度太くて丸みがないと人間は落ち着かなかったことから、やはりうどんがベストでした。


――実際に「睡眠用うどん」を使ったユーザーからの反響は…

包まれているような安心感がある」といった声や「深い眠りにつけることから寝相が良くなった」との声を頂いております。また、一本づつ取り外して自宅で簡単に洗えるところや、寝たまま楽にスマホを使えるところも好評です。

分割して洗濯機で丸洗いOKなのも嬉しい
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四角い布団は過去のものとなる…?

悟空のきもちは過去に、たわしのチクチク感で頭を刺激する“枕”「熟睡用たわし」を販売。
今回の「睡眠用うどん」とあわせて、安眠をサポートするアイテムが続々登場するかにも注目だが、これからの展望について聞いてみると、我々の想像を超える壮大な計画が…

「熟睡用たわし」
「熟睡用たわし」

――大変な反響となっているが…

発売前の期待値だけでもとてつもない反響で、とても驚いています。
睡眠のプロとしてもですが この商品は絶対的な自信があるので、昔の携帯電話がスマートフォンに変わったように、すべての布団が睡眠用うどんに変わっていく未来を見ています。四角い布団を見たら、昭和や平成を思い出す、というような時代が来るって思ってます。


――熟睡用たわし、睡眠用うどんに続く「〇〇用××」という寝具シリーズの開発予定は…

そもそも寝具ってカテゴリーで商品は考えていません。「うどんの新商品」であって「たわしの新商品」であるだけです。
私たちが大事にするのは 「斜め上の世界」です。いろいろ進んでいますがたぶん今度は寝るものですらない。眠った先の世界、世界中が初めて見る夢の中を作ろうと思っています。



初月生産分の500個は発売前予約で即日完売。発表からわずか12日間で約12,000個の注文があったといい、その反響の大きさから11月分から生産数を初月の10倍、12月分は20倍と拡大することが決まっているのだそう。

海外からの反響も多く、現在は発送4ヶ月待ちという大人気の睡眠用うどん、気になる価格は16,800円(税抜)。
まだまだ続くだろう寝苦しい夜には残念ながら間に合わなさそうだが、未来を見据えたうどんを一度試してみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。