小惑星が地球にあわやの“ニアミス”…もし衝突を察知したら何ができる? 国立天文台に聞いた

カテゴリ:ワールド

  • 地球から月までの5分の1の距離で小惑星がニアミス
  • 「衝突していたら東京都と同規模の被害」という試算も
  • 国立機関で小惑星を専門に観測しているところはない

映画「アルマゲドン」はご存知だろうか?
小惑星が地球に衝突する危機を扱ったパニックアクション映画だが、先日、小惑星が一歩間違えば地球にぶつかっていたかもしれないニアミスが起きていた。

直径約130メートルの小惑星が先月25日に地球の近くを通過。
国際天文学連合によると、この小惑星は、地球から約7万2千キロ離れた場所を通過。この距離は地球から月までの5分の1ほどで、天文学的にはニアミスだったという。
専門家は「もし地球に落下していれば、街ごと破壊する威力がある」と分析している。

直径約130メートルの小惑星が地球にニアミス ※イメージ

今回は衝突を免れたわけだが、もし地球に迫ってきたことを察知した場合、対策はないのか?
国立天文台の方に詳しく話を聞いてみた。

衝突していたら、東京都と同規模の被害」

――これほどのニアミスは珍しいものなのか?

すごく珍しいものではありません。詳しく調べていませんが、2、3年に数回ほど起こるものです。今回は、発見されたのでわかりましたが、発見されていないものでもニアミスなものはあるでしょう。

――被害について?

当たり方によるので何ともいえません。
日本スペースガード協会さんが言われている「東京都と同規模の範囲を壊滅させるほどの大きさ」というのは、1つの試算として参考にして良いと思います。

日本スペースガード協会…地球に衝突する可能性のある小惑星、彗星をはじめとする地球近傍小天体の発見と監視を行う団体


国立機関で小惑星を専門に観測しているところはない

――こうした小惑星の動きは、日本ではどういう機関が監視してるのでしょうか?

国立の機関で小惑星を専門として観測しているところはありません。
日本スペースガード協会さんのような団体や一般人の方が見つけられればわかることはありますが。

――今回は二アミスだったが、この先、衝突する可能性は?

衝突する可能性はないとは言えません。

――過去に同じような規模の衝突はあった?

1908年、ロシアのツングースカで100メートル前後の隕石が衝突したことがあります。
半径30~50km範囲の森が炎上し、約1000キロ離れた家の窓ガラスが割れたという報告があります。

――ということは、100年に1度起こるレベル?

もっと少ないと思います。
1600年以前は、海に落ちていてもわからないままでした。何万年に1度かもしれないし、何十万、何百万年に1度かもしれません。
資料がないため、はっきり何分の1の確率だとは言えませんが、可能性は低いです。

もし、地球に衝突しそうだったら対策は?

イメージ

――小惑星が地球に衝突しないための対策は?

確証を持ってお答えできないですが、ほぼないでしょう。映画「アルマゲドン」では小惑星の衝突を防いでいますが、あれは映画の世界の話ですね。

ただし対策について話し合う動きもあります。2017年にお台場で「プラネタリーディフェンスカンファレンス」という国際会議が開かれたことはあります。しかし、実際に話し合われたことが機能するかどうかはわかりません。

――せめて小惑星がどこに落ちるのか?予測はできないのか?

予測することはできますが、精度はよくありません。また、予測できたとしても、残り数分でぶつかるということもあり、避難するまでの時間を確保することは難しい場合も考えられます。
早めに予測できれば、直撃エリアから離れて被害を軽減することはできるかもしれません。


国立天文台の方の話では、もしも小惑星が地球に接近する危機が訪れても、残念ながら対策はなく映画のようにはいかないという。
衝突する可能性は低いということがせめてもの救いだ。