近年、相次いでいる高齢ドライバーのペダル踏み間違え事故。
今年4月には、東京都豊島区池袋で高齢ドライバーが運転する暴走した車にはねられ、12人が死傷した事故が発生。

時には多くの命が奪われる大惨事をも引き起こす交通事故に、街の高齢ドライバーたちは…

70代男性:
子供や孫が「運転危ないから気をつけろ」ってよく言われる。

73歳男性:
年々、ぼけが始まるからね。踏み間違えっていうかね。

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そんな中、東京都が緊急対策として7月31日から新たな取り組みを開始した。
「車の急加速を防止する装置の設置費用を9割負担する」というその内容を詳しく見ていく。

「踏み間違い事故」は毎年1200件超 補助金の対象要件は?

交通事故総合分析センターによると、毎年1200人を超える70歳以上の高齢ドライバーが、アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故を起こしているという。

中でも最も多いのが、ペダルの踏みかえ回数が増える駐車場などで事故を起こすケース。

今回の緊急対策について、高齢ドライバーからは次のような声が聞かれた。

77歳男性:
認知するのが、やっぱり若い人よりは遅れていると思います。

80歳男性:
すごくいいことだよね。ぜひ運転する人はそれやったほうがいいよね。

では、急加速を防止する装置はどのような手順で設置できるのか。

設置費用9割負担の対象となるのは、都内在住で今年度中に70歳以上になる人。さらに免許を所有していて、自家用車があることなどが条件となる。

装置の取り付けが可能な場所は、イエローハットやオートバックスなどのカー用品店、ダイハツやトヨタなどの販売店など、都内の357店舗。(8月1日時点)

設置費用は商品によって変わるが、個人負担額は4000円から1万円程度になる見込みだ。

店には早速、取り付けに来た人の姿があった。

75歳女性:
急発進とかニュースでやるでしょ。それに9割担でしょ、東京都が。こういう時に絶対やった方がいいなと思って。

勢いよくアクセルを踏むと…急発進抑制装置を検証

また、気になるのは取り付けにかかる時間だ。

A PIT オートバックス東雲 カーライフアドバイザー 千野直克さん:
こちらの商品は、車のハンドルの下のパネルの中に埋め込んで取り付けます。

取り付けは2時間程度で完了。

では、取り付けた車は実際どんな動きをするのか?店の協力を得て検証した。(※安全に配慮して撮影 )

ブレーキから足が離れると、ゆっくりと前進する車。そこで、ブレーキではなく急にアクセルを踏み込むと、ピーッという音が車内に鳴り響いた。

車外いにたスタッフ:
今アクセルを踏み込みましたが、全然スピードが出ていません。

さらに、踏み間違えて慌ててしまった状態でも…

車外いにたスタッフ:
明らかにアクセルを何度も何度も踏んでいるのですが、スピードは出ません。

ブレーキとアクセルを踏み間違えても、車が急加速をすることはなかった。

設置費用9割負担の緊急対策は、来年8月末まで実施予定だという。

また、今年4月に池袋での事故があった豊島区では、東京都の9割負担に加えて1万円を上限に補助金を出す制度を7月31日から開始している。これにより、ほぼ無料で装置を設置することができる。

さらに、9月には茨城県交通安全協会が約1万円の補助の開始を予定していて、高齢ドライバーへの補助の動きは今後、全国に広がりをみせていくと予想される。

(「めざましテレビ」8月1日放送分より)