絶滅したマンモスが教えてくれるビジネスパーソンが「生命科学」を学ぶ意義

カテゴリ:テクノロジー

  • AI時代でもビジネスマンに不可欠なリベラルアーツ(=教養)
  • 歴史を知る重要性とは「現時点だけを見ていては判断を誤る」
  • オンリーワンほど危険なものはない…立ち止まることも大切

AI時代でもますます重要になる生命科学

ビジネスパーソンに不可欠なリベラルアーツ(=教養)。この夏、マンモスが教えてくれる。

東京・日本科学未来館で6月7日~11月4日まで開催中のマンモス展。永久凍土から発掘された貴重な冷凍標本が、世界初公開されている。

さらに、2019年3月近畿大学の研究チームが、2万8000年前のマンモスの細胞核の動きを確認した世紀の発見やその意義について、わかりやすく解説している。

マンモス展の監修を担当した近畿大学の松本和也教授に話を聞いた。

近畿大学大学院部長生物理工学部 松本和也教授
赤くなったのは、(発掘された)マンモスのDNAを現代のマウスのタンパク質が認識したということ…細胞分裂に近い行動を取ったということですけれど、すごいと思いません?(笑)

歴史を知る重要性「現時点だけを見ていては判断を誤る」

マンモス展から読み解くビジネスパーソンが生命科学を学ぶ意義とは…

松本和也教授
歴史を知るというのはリベラルアーツ(=教養)ということもあるんですけど、一番大事なのは「現時点だけを見ていると誤った判断をする」ということ。「歴史をちゃんとひも解く、調べる、なぜそうなってきたか」という所に新しいヒントや、発想のきっかけが出てくる

これからの時代、AI(人工知能)がますます存在感を増すからこそ重要になる生命科学。

松本和也教授
じゃあ人間って何?って説明できる(=定義できる)人はこの地球上にいないわけです。AIは人間が作ったものですから定義することはできるんですね。定義されていないもの(=人間)を、定義したもの(=AI)が超えられるわけがない。AIを人間がどのように使えるのかが今後の大切なところですね

マンモスを現代によみがえらせることを目指した今回のプロジェクト。

一方で、観覧者にこう問いかける…

ほんとうにマンモスを蘇らせていいのか?”

松本和也教授:
復活できるような技術までいったならば考えなきゃいけない。生命倫理とか、あるいは地球環境に及ぼす影響とか。(過去に)生きてきた動物が(現代に)復活することを自分で満足するものなのかどうかも…

「一歩立ち止まって考える」

このことも、まさにビジネスにとっても重要なことだと松本教授は語る。

オンリーワンほど危険なものはない…立ち止まることも大切

松本和也教授
研究は最先端がいいのかもしれないけど、人より先に行くのが全てじゃないと思います…

松本和也教授
オンリーワンって良く言うんですけど、オンリーワンほど危険なものはないんですね。『ここまで来たけど、皆どう思うんだ』とイーブンに話し合えるかどうかということ。立ち止まることは勇気がいるが、非常に大切なことだと私は思います

Live News αのスタジオでは…

三田友梨佳キャスター:
生命科学を学ぶ意義、山崎さんはいかがでしたか?

コミュニティデザイナー・山崎亮氏:
今回は生命科学の話でしたが、人文科学の分野でも、例えば孔子の弟子達が書いたと言われる論語、1000年も2000年も前に書かれた古典、こういったものは今でも読み継がれている。人間、人間関係、先ほどあった倫理、哲学、共通しているモノが結構あるんですね。 だから読み継がれる

コミュニティデザイナー・山崎亮氏:
古典や古いモノから我々が学び、それを対象にいろいろとディスカッションできることはこれからの人工知能の時代に人間が何を考えるべきなのかを示唆してくれている気がしました

三田友梨佳キャスター:
そうですね。何万年も前に絶滅を迎えた動物たちの絶滅の原因を解明することによって、今を生きる私たちが地球環境の変化にどう対応すべきかがわかるということですものね。こういった研究から学ぶことは多いなと改めて思いました

(「Live News α」7月25日放送分)

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