独禁法上問題になる行為を誘発する原因に

公正取引委員会・山田事務総長:
『契約書がない』ということは、契約内容が不分明になることにつながることがございますので、独禁法上問題になる行為を誘発する原因になり得る。

公正取引委員会・山田事務総長
公正取引委員会・山田事務総長
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公正取引委員会の山田事務総長は、定例会見で、吉本興業が所属タレントと契約書を交わしていないことについて、「契約書面が存在しないことは問題がある」と述べた。

公取委は、2018年2月に「人材と競争政策に関する報告書」を取りまとめていて、契約書を交わしていないと、「代金の支払いが遅れたり、行われなかったり、減額されることがあり得る」などとして、独占禁止法上、好ましくないと指摘している。

契約している条件自体が正当なものか議論できない

三田友梨佳キャスター:
森田さんは公正取引委員会はどの点を問題視していると思われますか?

経営コンサルタント・森田章氏:
取り引きの上で、両者が対等ではなく、例えば発注する側が強く、下請けが弱いというのは典型的な例になります。要は、一方の強い立場を持つ人が弱い側の人に不利な条件を強いることができてしまう、それが社会通念上認められる範囲を超えてしまうと問題だということです。

森田章氏
森田章氏

三田友梨佳キャスター:
弱い側としては、言いなりになりかねない関係性になってしまう恐れもあるということですよね?

経営コンサルタント・森田章氏:
そうですね。仕事上の行き違いだとかトラブルがあった時、契約書がないと弱い側は泣き寝入りをしないといけない。また、 役割や責任、それに対する対価といったものが契約書に残されていないと、契約している条件自体が正当なものなのかどうか議論ができない。すなわち企業とそこで働く人が共通の土俵をもって話し合うことが難しくなる。あるいはそれを後で検証することが難しくなるんだと思います。

(「Live News α」7月24日放送分)