ニワトリの体内をパズルに…

夏休みに子どもといろんな遊びを計画している人もいると思うが、学んで遊べるというちょっと変わった「パズル」が発売され、話題になっている。

身近だけどやってみると意外と知らないかも。それが、こちら!

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鶏(ニワトリ)の部位が分かるパズル

一瞬「!?」と首をかしげる謳い文句とともに、パッケージにはつぶらな瞳をしたニワトリの体内がパズル化された写真。
私たちがよく食べている「レバー」「ささみ」「ハツ」といった部位も一つ一つピース化されて、それぞれピタッと収まっている。

これは、メガハウスが企画開発した「一羽買い!! 焼き鳥パズル」。バラバラの38個のピースを組み合わせてニワトリを完成させるだけでなく、1羽丸ごとの「ローストチキン」や、串パーツと組み合わせて「ももの焼き鳥」を再現できるという。価格は1580円(税別)。


試しに一問!

改めてニワトリの部位の正確な場所を聞かれるとハッキリしないと思ったあなたに、まずはこのパズルを使ってクイズ!
塩こしょうをふっておいしくいただける「すなぎも」の位置はどこ?


…おわかりだろうか?

正解は、こちら!

「すなぎも」は、ニワトリの体内の中心にある胃の一部で、その名の通りニワトリの飲み込んだ砂や石を溜め込んでいる。ニワトリには歯がないため、食物をそのまま飲み込むのだが、雑穀などの固いものはここですり潰して、消化の助けにする。

…といった具合に、ニワトリの部位を遊びつつ学べるのが「焼き鳥パズル」なのだ。

人体模型のニワトリ版とも言えるが、このパズルを作ったきっかけなど開発担当者に聞いてみた。

実はシリーズ5作目 最初は焼肉パズル

ーー「焼き鳥パズル」を販売するに至ったきっかけは?

これまでに「特選 焼肉パズル-ウシ-」、「本マグロ解体パズル」、「黒豚パズル」、「ズワイガニ解体パズル-茹で-」の順で発売してきました。陸⇒海⇒陸⇒海の順番です。

実は、焼き鳥パズルは、(2018年に発売した)黒豚パズルの開発と同時期に検討を開始していましたが、ローストチキンからの部位解体など仕様検討やその再現に多くの時間を費やしため、結果、この時期の発売に至りました。

2016年発売 一頭買い!! 特選焼肉パズル-ウシ-
2016年発売 一頭買い!! 特選焼肉パズル-ウシ-

ーーそもそもどのようにこの「○○買い!!」シリーズが始まった?

2015年に「放課後の怪談シリーズ 理科室の模型復元パズル ウシ模型」という商品を発売しました。こちらが意外にも焼肉屋さんからの評判がよく、一般の方からも「焼肉の時に役に立つ」という声が多く寄せられました。

そこで、焼肉風にイメージを刷新して新たなギミックもつけて、「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」として発売したことが、このシリーズの始まったきっかけです。現在は「KAITAI PUZZLE(解体パズル)」シリーズとして展開しています。

一杯買い!!ズワイガニ解体パズル-茹で-
一杯買い!!ズワイガニ解体パズル-茹で-

ーー「焼き鳥パズル」の開発はどう進めている? 担当者が実際に腑分けを体験したりしている?

腑分け体験はしていませんが、希少部位を豊富に取り扱っている焼き鳥屋さんで実際に焼き鳥を食べるところから始めました

「食材の部位がわかる」をコンセプトとしているため、体の構造が分かる資料はもちろんのこと、実際に食されている部位や、メニューで実際に使われている名称が分かる資料(お店のメニューなど)も多くかき集めて、鶏肉について徹底的に研究しています。


開発者が語るように、メガハウスがこうした遊具を発売するのは「焼き鳥パズル」が初めてではない。
本作ですでに5作目を数える人気シリーズとなっているようだが、気になる点もある。

かわいいニワトリのデザインの一方で、「ローストチキン」や「ももの焼き鳥」として遊ぶということになると、生き物と食べ物が混在してちょっとだけモヤモヤするような気もする。このおもちゃは子ども向けなのか、購買層についても聞いてみた。

「かわいらしいデザインになるようにしています」

ーー購買ターゲット層は?

小学生のお子様とその親世代(30~40代)がメインかと想定しておりますが、シニア層までと幅広い層にご購入いただいております。

ーーシリーズの販売本数などについて教えて。

2019年4月時点のシリーズ合計で20万個出荷しています。
一番売れたのは「一頭買い!! 特選焼肉パズル-ウシ-」です(第1弾となりますので、発売時期が長いからということも影響あるかもしれません)。


ーー企画開発に当たって、気をつけていることは何?

おもちゃとして愛されるよう、かわいらしいデザインになるようにしています。特に表情の部分はシリーズ通してご好評をいただいています。

加えて、普段聞きなれない部位でも、食されていることが分かっている部位は全てパズルピースとして再現するようにしているほか、パズルとしての難しさと遊びやすさが両立するように、何度も試作品で検証を行っています。

ーー生き物と食べ物とが一体化した作りについて、子どもには特に刺激的とも感じられるが?

そのようにならないようなデザイン作りを心がけております。


ーーユーザーのどんな感想が一番うれしい?

「まさかの四層構造!」、「無駄に細かいね」、「よくできてる」、「串うちできるのがいい」に「焼鳥食べたくなってきた」です。



外食店の研修でも使用

ーーちなみに、過去作と比べて「一羽買い!!」の難易度は?

難しめの難易度となっています。

ーーでは、「一羽買い!!」の中でも一番難しいのはどこ?

まず最初に14個のホルモンパーツを肉パーツの「むねA」にはめ込む必要があるのですが、ホルモンパーツが二層構造となっており、そこをうまく完成させるのが一番難しいといえます。


ローストチキン。内部には14個のホルモンパーツがはめ込まれ、外部には「てば」などの肉パーツが取り付けられている。
ローストチキン。内部には14個のホルモンパーツがはめ込まれ、外部には「てば」などの肉パーツが取り付けられている。

ーー遊ぶ用途以外に、学校や研究の場の材料としても使われている?

外食店(焼肉屋など)の研修で使用されるという声はきいたことがあります。

ーー次作の構想は決まっている?

まだ秘密です。


「焼き鳥パズル」はシリーズの中でも難易度高めということだが、意外と知らないニワトリの部位を学んで身近に感じることができる。いろいろな使い道がありそうだが、このパズルを通して食べ物のありがたみを子どもに伝えられるとなおいいかもしれない。



プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。