無差別襲撃に駅はパニック~香港デモ隊と市民を襲った“謎の白Tシャツ集団”は何者か 

カテゴリ:ワールド

  • 謎の”白Tシャツ集団”がデモ隊や市民を襲撃
  • 「警察は市民を助けず」集団とのつながり疑う声さえも
  • ”狂暴白Tシャツ集団”の正体は・・・・・

妊婦も殴られ・・・突如襲いかかる“白シャツ集団”に逃げ惑う人たち

何度も棒で殴る白Tシャツ集団に駅はパニック(SNSより)

中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案への抗議デモが収まらない香港で、不可解な事件が起きた。香港各地でデモが行われた日曜(21日)夜、中国との境界に近い元朗の地下鉄駅で、デモ隊の若者や利用者など居合わせた人達が謎の「白Tシャツ」集団に襲撃された。ネット上に出回った映像では、集団は白色のTシャツを着てマスクをし、棒などで駅構内にいた人に無差別に襲いかかった。
逃げまどう人、傘で防御する人、物を投げ反撃する人など、構内はパニック状態に。

逃げて電車に乗った人をホームから罵り、棒を持って乗り込んで攻撃する者もいた。取材中の地元メディア記者も殴られたほか、通りがかった妊婦が頭を何度も殴られ倒れた。駆け付けた民主派議員も暴行を受け口元を切るなどのけがをした。45人がけがをし、男性1人が重体という。集団は条例改正案反対のデモ隊が着る黒色シャツの人を狙ったという情報もある。

頭を何度も殴られた妊婦は倒れ動けなくなっていた(SNSより)

「なぜ来ない!」「市民を助けず」警察に批判殺到

現地メディアによると、自身も殴られそうになった地元の議員は、襲撃が起きた時、付近に止まっていた警察車両の警察官に助けを求めたが彼らは立ち去ったほか、それより早い段階で十数人が棒を持って集まっていたのに警察は何もしなかったと批判した。

発生当時警察はほとんどいなかったとみられる。地下鉄運営会社は発生後すぐ通報したとしているほか市民も何度も通報したとしている。しかし警察が来た時には集団は立ち去った後で、多くの人が取り囲み対応が遅すぎると警察を批判したという。

メディア側は、記者2人が棒などで攻撃され1人が入院したとして「警察は一般市民や記者を守る義務を果たすべきだ」と強く非難した。

警察の到着後も集団は残っていたとみられるが、警察は当初「関与した人間がはっきりしない」などとして、誰も逮捕しなかった。しかし地元メディアによると、翌日夜になり男6人を逮捕した。

どこまでも追いかけて襲いかかる集団に列車内には悲鳴が(SNSより)

狂暴集団は何者・・・?握手する議員も!?

武器を手に集まる彼らの目的は・・・・(SNSより)

一連の抗議活動の中でデモ隊が襲われる事態は初めてとみられる。襲撃した集団の正体は分かっていないが、気味の悪い話が出てきている。

民主派議員などは、集団は裏社会組織の疑いがあるとの見方を明らかにしたほか、ネットでも「地元のギャングだ」「親政府の集団だ」というような指摘が出ている。また市民からも発生時の対応が遅く誰も逮捕しない警察の対応に「警察が裏社会と手を組んでいる」との批判すら起きている。

一方警察は関係を否定し、当日他の場所でのデモの対応もあり、他の地域から人を手配したので時間がかかった。当日の対応は反省するとコメントした。

また 、地元の親中派議員が白シャツ集団と握手し「君たちは英雄だ」と言ったとする映像も出回り批判の声が起きた。メディアに対しこの議員は「普段から市民に法律関係のサービスをしており市民と握手するのは当然だ。自分は意図的な攻撃を受けている」と話した。「挑発されたら反応するのは正常だ。彼らが自分たちの地区を守る精神を称賛した」としたものの、彼らと関係はなく計画もしていない、暴力にも反対だと説明した。

林鄭月娥行政長官は会見し「暴力はさらなる暴力を生むだけだ」と非難。徹底的に調査すると表明した。そして地元メディアのサウス・チャイナ・モーニング・ポストは、警察が、香港の犯罪組織のメンバーを含む被疑者の摘発に乗り出すと報じた。

一連のデモを巡っては、かねてから裏社会が雇われ混乱を起こしているとの噂もある。抗議デモが拡大を続ける中、一般市民にも危険を及ぼす裏社会の狂暴な集団が関わろうとしているのか。

香港の混迷はどこまで深まるのか。

裏社会?地元のギャング?親中国勢力?彼らの正体は・・・(SNSより)

【執筆:FNN上海支局 城戸隆宏 】

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