2020東京五輪メダル コンセプトは“光と輪” デザイナーはどんな人?メダルに込めた思い

カテゴリ:国内

  • メダルデザインのコンセプトは「光」と「人々をつなぐ輪」
  • 作者はデザイナーの川西純市さん(51)
  • 一気に書き上げたというデザインに込めた思いを聞いた

214作品から選ばれたメダルデザイン

2020年東京オリンピックのメダルが発表された大会1年前セレモニー。檀上にはメダルをデザインした作者の姿があった。川西純市さん(51)

214作品の中から自身のデザインが採用された。メダルに込めた思いとは?

「頭が真っ白に…」

――デザインの採用決定を聞いた時は?

「電話をいただくまではまったくもうダメかな、という感じでいました、正直。採用の電話をいただいた時に頭が真っ白になって、まさか選ばれるとは…と思って、ちゃんと喋れていなかったと思います(笑)」

大阪府出身の川西さん。関西弁でおだやかに話すのが印象的だ。

――応募しようとしたきっかけは?

(自国開催大会の)メダルなんて自分が生きてるうちに1回しかない。(1964年の)前の大会の時には生まれてなかったので、これは一生に一度のことだからと思って、とにかくデザイン案を出してみたいという気持ちだけでした」

「デザインは静かな夜に一気に書いた」

事務所での川西さん

大阪市にデザイン事務所を構える川西さん。普段は商業施設やホテル、病院などの案内板や誘導サインなどのデザインを手掛けている。

川西さんの作品の一部

――普段はどんな感じで仕事を?

「看板やサインに使う数字なんかもフォントを自分で作ることも多くて、イメージに合わせてラフスケッチしながら。あまり普通のフォントって面白くないじゃないですか。自分で作るのは面白いんですけど、それが逆にボツになったりとかあるんで(笑)仕事は大変ですね」

――メダルもここでデザインした?

「そうです。普段の業務が終わってからなのでほんとに静かな夜に一気にやりました。のべ1日くらいで。(デザインを描く前に)楽しいことをしている時とかにコンセプトを考えてメモしたり。世界の人々が楽しくできるとか、笑顔で手をつなぎ合う姿とかを想像しました」

「光が手をつなぎ合って1つの輪に」

――どんな思いをデザインに込めた?

「まず一つはアスリートのエネルギーだけではなくて、美しさやしなやかさ、そういうものを立体で表現できないかなあと思って。あとは光を放射するようなデザインを考えたくて、その光から勝者に与えられる冠をイメージしました。それらの冠がアスリートだけでなくて、オリンピックをやることで世界の人々が仲良くなれるというか、溢れる友情のようなシンボルにしたいという思いがありました」

構想初期のデザインスケッチ

――「光」がポイントに?

は1つ1つが大きかったり小さかったりするんですけど、それらが“手をつなぎ合って1つの輪”になっていくということがすごく大事かなって思っていて。
光ってそれぞれ反射するところが違うじゃないですか。ある時は光らないし、ある時は光る。暗いときもあれば明るい時もある。しんどい時もあれば楽しい時もある、運がいい時もあれば悪い時もあるっていうのをアスリートに合わせて、そういう気持ちをできるだけ光に変えていけるような思いでデザインした」

完成したメダルは、角度を変えると様々な光り方をしながら無数の光を反射させる。その光はアスリートのしなやかさ美しさ、周りで支えている人たちも含めたエネルギーを象徴している。そして世界中の人々が手をつなぐ「輪」も。

金メダリスト・高橋尚子さん「私も欲しい!」

2018年7月5日 最終審査会 撮影:大会組織委員会

オリンピックメダルのデザインコンペティションには214作品の応募があり、審査会で最終的に3作品に絞られ、最後は委員の投票によって川西さんの作品に決まった。
審査には高橋尚子さんや野村忠宏さん、浜口京子さんなどメダリストらも加わった。

高橋尚子さん:
メダルに込められた思いがアスリートだけではなくて、作る側もこれだけの思いをもって作られていたんだと改めて感じた。本当に決まったメダルは私も欲しいなと(笑)。栄光がずっと胸に光り輝いているようなそんな願いが込められたメダルになっていると思う。

浜口京子さん:
コンセプトが素晴らしくて、そのコンセプトを理解してまたメダルを見るとよりいろんな意味があるので、ぜひそのメダルの先にある思いを皆さん同時に感じ取って頂きたいです。


「アスリートがメダルを噛む光景が…」

様々な人の思いが込められたメダルが1年後、アスリートの胸に輝く。

「(表彰台で)アスリートがよくメダルを噛むじゃないですか、ああいう光景がすごく感動するんじゃないかと。このメダルを見てもらって、本当に喜んでいただけるというのがイメージとして頭の中にあるので、それを見るのが一番楽しみです。」




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(東京オリンピック・パラリンピック担当 一之瀬 登)

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