「爆燃現象か」ジオラマ模型で解説…京都アニメーション放火事件 33人もの犠牲者が出た理由

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  • 「京都アニメーション」放火事件 33人が死亡する甚大な被害
  • なぜ多くの犠牲者が出たのか?専門家がジオラマを用いて解説
  • 多くの犠牲者が出た「3つの理由」とは

33人死亡の放火事件 なぜ被害は広がった?

7月18日、京都市伏見区にあるアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで爆発的な火災が起きた。

京都市消防局によると、出火当時 建物内には従業員など74人がおり、33人が死亡、36人が重軽傷を負った。

なぜ、多くの犠牲者が出てしまったのだろうか?

「直撃LIVEグッディ!」のスタジオで、火災鑑定人の鈴木弘昭氏に解説してもらった。

木下康太郎フィールドキャスター:
放火したとみられる男の最新情報をまとめました。

・身柄確保された男は、さいたま市在住の41歳
・やけどを負い、現在は意識不明の重体
・確保された当初は意識があり、警察と受け答えをしていた
→警察によると「小説を盗んだから放火した」と話していたという。
・確保された男は、さいたま市のアパートで近隣住民と度々騒音トラブルになっていた
同じアパートの住人によると「胸ぐらをつかまれ髪を引っ張られ、『お前殺すぞ』と言われた」

木下康太郎フィールドキャスター:
こういった情報をまとめると、確保された男は気性が荒く、京都アニメーションに対して何らかの恨みを持っていた可能性があることが分かります。

犠牲者が増えた理由(1)燃焼の早いガソリン使用

木下康太郎フィールドキャスター:
続いて、最新の被害状況を見ていきます。

・京都市消防局によると、死者数33人(男性12人、女性20人、性別不明1人)、重軽傷者36人
・建物内の1階で2人、2階で11人、2階から3階に至る階段で1人、3階で19人が死亡
3階では、屋上に向かう階段に19人が折り重なるようにして亡くなっていたという

木下康太郎フィールドキャスター:
今回、なぜ多くの犠牲者が出たのか、なぜ上の階に行くにつれて死亡者数が増えたのか。スタジオに用意したジオラマを使って、鈴木さんに解説していただきます。鈴木さんによると、多くの犠牲者が出た理由は3つあげられるそうです。その1つ目が、男が持ち込んだものが、燃焼の早いガソリンだったということです。

木下康太郎フィールドキャスター:
男は18日の午前10時半ごろ、玄関から入ってきて、×印のあたりにガソリンと見られるものを撒き、火をつけました。

鈴木弘昭氏:
ガソリンは液体として流れますし、流れたところからどんどん蒸発します。その蒸発したものに火をつけますから、一瞬にして火が広がります。

犠牲者が増えた理由(2)フロアを仕切る壁がない構造

木下康太郎フィールドキャスター:
理由の2つ目は、京都アニメーションのビルの構造。一般的なビルと違ってフロアを仕切る壁がないんです。

木下康太郎フィールドキャスター:
ジオラマを見ると、1階・2階・3階すべてに、仕切る壁が一切ありません。鈴木さんによると、仕切りがないために火の回りが早かったということですが、壁があるとどのように防げたんでしょうか?

鈴木弘昭氏:
例えばここ(1階の階段前)に壁があるとすれば(ガソリンを)撒いたところだけで収まりますよね。他のところは被害が少なくなり、逃げる時間を稼ぐことができます。今回は区画がなく、いっぺんに(火が)広がったと考えられます。

犠牲者が増えた理由(3)らせん階段で上の階に炎が…

木下康太郎フィールドキャスター:
3つ目の理由は、このビルにあるらせん階段の存在。鈴木さん、火はらせん階段を伝って3階まで広がっていったのでしょうか?

鈴木弘昭氏:
そうですね。(ガソリンは)1階に流れますから1階から燃えるんですが、その炎がこのらせん階段をつたっていきます。このらせん階段は壁がなく、柵になってますから、そのまま炎が伝って2階に一気に上がってしまいます。

木下康太郎フィールドキャスター:
今、鈴木さんが話してくださった内容をふまえて、こちらのイメージ映像をご覧ください。このように火は燃え広がったと見られています。

木下康太郎フィールドキャスター:
1階の玄関付近に男がガソリンのようなものを撒き、火をつけます。そしてらせん階段を伝って火が燃え広がったとみられています。鈴木さん、大体どのくらいの時間で3階まで燃え広がったと考えられますか?

鈴木弘昭氏:
こういう状態だと、ガソリンを撒いて1分くらいで、炎は上までいってしまいます。2、3分もあれば十分に広がると思います。

安藤優子:
3階から屋上に上がる階段の部分で、19人もの方がお亡くなりになりました。本当にあと1歩のところで命を奪われた形になるんですが…鈴木さんは、どうして屋上までたどり着けなかったと考えますか?

鈴木弘昭氏:
おそらく、逃げる準備ができていない状態で、煙を吸ったと考えられます。あれだけ濃い煙だと、咳が出て呼吸が出来なくなってしまうんです。さらに、煙には一酸化炭素が大量に含まれています。一酸化炭素を吸うと、意識はあっても運動神経が麻痺するため、自由に動けなくなってしまいます。ああいう濃い煙を吸うと、歩けなくなってしまうんです。ですから、屋上に続く階段までたどり着くのがやっとだったという事ではないでしょうか。

(「直撃LIVE グッディ!」7月19日放送分より)

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