昔の自民党は熱かった!

浜田幸一 元衆院議員:
もう聞かねぇぞ!こうなったら!!(椅子を投げる)

昔の自民党は熱かった!!
その指先に、目に、政治を語る“熱”があった。
 

浜田幸一 元衆院議員
浜田幸一 元衆院議員
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浜田幸一:
いいか!断っとくけどな、かわいい子供たちの時代のために自民党があることを忘れるな!おまえらのためだけに自民党があるんじゃないぞ!

それが現在の党大会では...

党関係者:
頑張ろー!(一斉に拳を上げる)
 

 
 

安倍一強が続き、トップにモノ言える者がいなくなった今の自民党。
果たして、かつての暴れん坊たちはどう見ているのか!?

今回は、石原慎太郎氏とその盟友・亀井静香氏が対談。
慎太郎氏の息子・石原良純氏が進行役として、2人に“安倍自民党”の行方を聞いた。
 

「安倍一弱」と「ふがいない野党」がいるだけ…

亀井静香:
(良純に向かって)お前、平等に司会しないとダメだぞ

石原良純:
司会というか...どうせ制御きかないので自由にやっていただいて

石原慎太郎:
(亀井に向かって)この人も制御きかないからね

一同:
(笑い)
 

 
 

良純:
いま、安倍一強体制が続いている中で...

亀井:
一強じゃないんだ、一弱なんだよ。言葉間違えちゃ駄目だよ。強いのが一つじゃない、弱いのが一つなんだよ

慎太郎:
安倍くんが一強って言うけどさ、一国の最高責任者、要するにトップのリーダーから強いメッセージが出たことあるかね

亀井:
ないね。時代だね
 

 
 

慎太郎:
聞いたことないもんな...これ情けないんだよな

安倍一強ではなく「安倍一弱とふがいない野党」がいるだけ、という2人。
さらに...

亀井:
昔は自民党の派閥もね、競い合っていく連合体だったんだよ。戦う中で生まれてる。いつやられるかもしれない...「晋三辞めろ!俺がやる!」そういうやつがいないとね、晋三総理も強くならないんだよ。いまはその緊張感がない
 

厳しい立場の元幹事長・石破茂氏も昔は...

自民党内で唯一、安倍晋三総裁に楯突き、大臣でも幹部でもなくなった、元幹事長・石破茂氏。7月12日には静岡・磐田市で演説したが、今回の選挙戦でもひとり、寂しい応援まわりに...
 

 
 

そんな石破氏も昔はすごかった。1986年の衆院選に、当時28歳の若さで初出馬。当時の全国最年少国会議員として当選した。
当選2期目の1992年・自民党政治改革論議では、政治改革を公約に掲げながら法案を棚上げした宮沢喜一首相に噛みついた。
 

 
 

石破茂(当時34歳):
総裁の決意というものも、熱意というものも我々にはわからない。私はどういう政治改革をやりたいんだ!皆さんついてきてくれ。そういうことをね...おっしゃっていただきたかったと思っていて、とても悲しい


1993年、その宮沢内閣に野党から不信任案が出されると、石破氏は与党の一員でありながら賛成票を投じる。除名覚悟の行動だった。だからこそ、現在の自民党議員に対してはこんな発言もしている。

石破茂:
国会議員は上見て仕事するなってことですよ。上の人達に逆らったら大変なことになるよね...自分が損するよね、じゃなくて。党がおかしいなと思ったら有権者の側に立つべきでしょ

 

 
 

亀井:
この間、石破にも言ったんだよ。訳のわからんこと言ってね、安倍総理を批判するよりも「俺がやる!ご苦労さん」ってなんでおまえ言わねぇか...って

良純:
それはいま声をあげることはできないんですか?

慎太郎:
ガッツがないんだよ、ガッツが。みんな保身しか考えてないんだよ。

そう言い切った石原慎太郎氏もまた...
 

田中角栄に噛みつき、若手の政策集団を結成した石原慎太郎

田中角栄:
自民党が潰れればいいとか、田中がやめればいいとかそんなことでニッポンの政治ができますか!
 

 
 

絶大な権勢を誇った、第6代自民党総裁・田中角栄に噛みついた男だ。
若さを見せつけながら、旧態依然とする政治をぶった切った。

 
 

慎太郎(当時48歳):
聞き飽きた政治家じゃなくて、優秀な政治家は沢山いるんだから。そういう政治家が一線に出てくる体質にならなければ、これだけ流れのはやい国際情勢の中で、内政にしろ外政にしろ、時代の流れについていけないじゃないですか。


石原慎太郎は、若手議員らと青嵐会(自民党若手議員31人の政策集団)を結成。
憲法改正を訴え、田中をけん制した。

良純:
石原慎太郎は青嵐会で、亀井さんはある時の主流派に対する戦う姿勢を見せた

亀井:
国のためにはね、政治家としての政治生命を捨てるというくらいの覚悟がないといかんので、(いまは)にらまれたら困る
 

 
 

慎太郎:
なんか...気力もない、根性もない、体を張る度胸もない。捨て身でものをやるってことを考えなかったら、モノ開けてこないんだよ

亀井:
だから石原さんの息子が頑張らないといかんのだけど、親がしっかりしないから...

慎太郎:
(石原)伸晃聞いてるか!
 

“加藤の乱”で涙した若手議員たち

そして2000年には、国民の支持を失った森内閣を倒すため、 立ち上がったのは加藤紘一。
野党と共に内閣不信任案に賛成しようとする、いわゆる“加藤の乱”を起こした。しかし計画は執行部の締め付けにあい、あえなく瓦解。加藤は単独行動を決意する。
 

 
 

加藤紘一(当時61歳):
どうぞ、同志のみなさんはここに残ってこれからの道を。私と山崎拓さんは、これから二人で本会議場にいって、不信任案に対する賛成投票をしてきます


悲壮な決意に、仲間たちが詰め寄った。その覚悟に、谷垣禎一は泣いていた。

 
 

谷垣禎一(当時55):
先生、加藤先生。大将なんだから...大将なんだから先生は!


そう、かつては将来の自民党を憂う若き議員がたくさんいたのだ。
ではなぜ、いまそんな議員が出てこないのか...
 

「国会議員がサラリーマン化している」

亀井:
(国会議員の)サラリーマン化だよ。自分が大臣になりたい、そのためには黙ってるのが一番だと思ってる。ゴマするのが一番だと思ってる

良純:
発言しないいまの政治家って何なんですかね?

亀井:
野党も同じよ。政治は政治家だけの独占物じゃないんだよ。国民とともにあるべきなの
 

 
 

慎太郎:
これはね、福沢諭吉の有名な言葉なんだけど、「立国は公にあらず私なり」。国を考えるのは私事なんだけどね、私事として自分のこと、国のことを考える日本人は少なくなったな

良純:
自民党というものの中に何を期待していけばいいのか?

亀井:
自民党が新しい血をいれるしかないね。古い血だけじゃダメだ!腐るだけだ!

良純:
お父さん、なにかありますか?自民党に期待すること。今後

慎太郎:
期待しないから俺、辞めたんだよ

良純:
(慎太郎に向かって)最近多いんですよ、もう次の世代がもうあれだって投げ出してしまう。まだまだモノ申してもらわないと

慎太郎:
彼らが、次の世代が日本を支えていかなくちゃいけないんだからさ。軽蔑する気もないし見捨てるつもりは毛頭ないよ。ただやっぱりさ...何というか、発想力がないよな。国民が奮い立つみたいな新しい発想、新しい提言をしてもらいたいね。50年先に期待を持てるみたいな
 

 
 

激動の政界を生きた男たちからは、今の政治家に対する失望と激励が入り交じった思いが感じられた。

(「Live選挙サンデー」7月21日放送分より)

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プライムオンライン編集部
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