出世や肩書を完全撤廃・・・取締役以外は全員フラットな組織
この記事の画像(12枚)開放感あふれるオフィス。
入り口には、「2019年日本における働きがいのある会社第1位」のクリスタルトロフィー。
ここは、人事領域のテクノロジーサービスを展開する「アトラエ」。
子連れ出社もOK、社員を拘束する時間、場所に関するルールもほとんど存在しない多様なワークスタイルで、無駄なストレスなく働く環境を目指している。
そんなアトラエは2019年、世界60カ国以上で、従業員の意識調査を実施する調査機関が発表した、働きがいのある会社ランキング小規模部門で1位を獲得した。
その秘訣を探ろうと、社員に話を聞こうと名刺交換すると、すぐにヒントが。
「アトラエ」は、取締役以外の役員を一切作らないフラットな組織として、出世や肩書を完全に撤廃している。
前職では部長職を担っていたという新家康之さん:
社内で役職があることで“内向きなエネルギー”というか、役職を上げることが自己目的化している人もいたので、もう少し社会、世の中にエネルギーを出せればいいのにと思った
ディスカッションは全部オープンな場で
オフィス内にある「セミナースペース」と題した広い空間も、フラットな組織に欠かせない場になっていた。
プロジェクトチームが課題などを出し合い、問題を共有するディスカッションを開催していたかと思えば…
夕方には全社員が集合、情報の共有を確認する場に利用されていた。
アトラエ 新居佳英社長:
われわれ、クローズドな情報は基本的にほとんどない。いろんなディスカッションを全部オープンな場でやる
お互いを評価し合う“360度評価”
一方、上司と部下の関係性が存在しない中、気になるのは社員の評価の仕方。
アトラエ 新居佳英社長:
我々の場合、上司が存在しませんので、どうしようかと考えた結果“360度評価”。要はお互い仲間を仲間で評価し合うという仕組み
この会社が採用する360度評価とは、まず、自分が評価してほしいと思う5人の社員を選択。
選ばれた人は、会社が設けた一定の評価の仕組みやフォーマットをもとに、会社への貢献度を評価する。
ただのお友達投票にならないよう、全社的に高い評価を受けている社員がつける評価と、若くて経験の浅い社員がつける評価の重みの差をつけた。
アトラエ 新居佳英社長:
すごくわかりやすく言うと、優秀な人が優秀と言っている人は優秀だと。若い経験の浅い人が優秀と言っているのは、下手したらただの優しい先輩かもしれない
この360度評価は、社員の会社への関わり方を変え、働きがいに大きく影響していた。
アトラエ 新居佳英社長:
日々の仕事の中でも、後輩だろうと先輩だろうと皆が自分の評価者になり得る。当然ながら、皆に対して一定の気遣いをしなきゃいけない。逆に言うと自分も相手を評価する立場になる可能性が高い。日々仕事しながら、こういうところすごいな、いいなと目を配りながら見ているわけです。これは結構いい。意識的にはすごくいいです
(「Live News α」7月8日放送分)