高知県にある港町、矢井賀(やいか)。

人口 228人。
そのうち6割以上が 65歳以上という、いわば限界集落のこの町で起業した、こちらの女性。

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彼女のプロジェクトの拠点が、、、 こちらの小さなプレハブ。

周囲を山と海に囲まれたこの一軒のプレハブが町を明るくする幸せの循環を作り出しているのだ。

限界集落救う女性起業家
港町のネコとおばあちゃんプロジェクトとは~地方創生2.0 ~

海辺の町に住みたいと、2年半前に東京から矢井賀に移住してきた 井川愛(いかわ あい)さん42歳。

彼女がこの港町で去年始めた事業が地元でとれた魚を使った猫のおやつの製造・販売
その名も「お魚グリル」
予約が数か月待ちにもなる人気商品だ。

使うのは矢井賀やその周辺の海で獲れた新鮮な魚
未利用魚を安く仕入れ、新鮮なその日のうちにグリルして真空パックで味を閉じ込めている。
小さなプレハブでこれらの商品が作り出されている。

おばあちゃんたちの知恵

そこへ来たのは、、、

おばあちゃん:こんにちはー
近所のおばあちゃん。
さらにもうひとり。
実は、、、

井川さん:矢井賀の海とか元気なおばあちゃん達を見てここでなら何か事業ができるんじゃないかと

この町に住む70歳から84歳のおばあちゃん達6人がここで働いている。

元気に働くこちらのおばあちゃんは御年84歳。

井川さん:どうかなー 骨残ってるかなー
おばあちゃん:ん、見たる

矢井賀での生活が長いおばあちゃん達の知恵が井川さんの助けになっている。

幸せ循環のプロジェクト

このプロジェクト、町の人にも大きな刺激を与えていた。

おばあちゃん:猫ちゃんのおやつを作るようになってっていうより、(井川)愛ちゃんが矢井賀に来てくれて、都会の空気を持ってきてくれるし、いろいろなお話をしてくれるし、いろんな人連れてきてくれるから矢井賀が本当に過疎じゃなくてちょっと明るくなった。

また売り上げ金の一部は猫の保護活動に寄付されている 。

井川さんがこの事業を始めたことでおばあちゃん達が元気に活躍できる場を作り出し、さらに町に刺激を与え限界集落が活性化
おまけに猫までもが幸せになる。
まさに幸せが循環するプロジェクト。

井川さん:猫のためになること、それから歳をとっても活躍できる場所、社会とつながれる場所をつくりたいっていうのがバラバラにあったんですけど、その別々なものがこの矢井賀の町を見て、おばあちゃん達に出会って、ここだっていうような感じでしたね。

番組コメンテターの松江英夫さん:
ほのぼのとしたいい話だと思う。
過疎地や高齢の方々は、一見すると経済活動から距離が遠いと思える存在だが、この井川さんのように「猫とつなげる」といったアイデアがあると、これが経済の活性化につながる
愛情とアイデアがあると、多くの人の幸せにつなげていくことができると感じた。

(「Live News α」7月5日放送分)